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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 Y36 審判 全部申立て 登録を維持 Y36 審判 全部申立て 登録を維持 Y36 |
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管理番号 | 1152307 |
異議申立番号 | 異議2006-90210 |
総通号数 | 87 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2007-03-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2006-05-15 |
確定日 | 2007-01-24 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4927848号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4927848号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録4927848号商標(以下「本件商標」という。)は、「GCIキャピタル」の文字を標準文字で表してなり、平成17年7月5日に登録出願、第36類「投資及びこれに関する情報の提供,投資に関するコンサルティング及びこれに関する情報の提供」を指定役務として、同年12月22日に登録査定、同18年2月10日に設定登録されたものである。 2 登録異議申立ての理由の要点 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の国際登録商標(以下「引用商標」という。)を引用し、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に該当するから、その登録を取り消されるべきである旨主張し、甲第1号証ないし甲第10号証を提出している。 (1)引用商標 国際登録第864095号商標は、「GCE」の文字を書してなり、第36類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、2005年(平成17年)3月17日に国際登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第10号について 本件商標は、本件商標の登録出願時点において、既にヨーロッパのみならず日本国内においても周知性を獲得している引用商標と類似し、かつ、本件商標と引用商標の指定役務も類似するものである。 (3)商標法第4条第1項第15号について 申立人は、総合的な金融サービスを提供するユニバーサルバンクで多角的な経営を展開している。引用商標は、申立人の提供する役務を表示するものとしてヨーロッパのみならず日本国内においても周知性を獲得しており、引用商標の指定役務は本件商標の指定役務に類似する役務を包含しているものであるから、本件商標権者が、本件商標をその指定役務に使用すると、申立人と本件商標権者が経済・組織的に何らかの関係があるものであるかのごとく需要者に誤認されるおそれが極めて高い。 (4)商標法第4条第1項第19号について 本件商標権者は、同じ事業を営む者として引用商標の存在を知っているべきであったにもかかわらず、本件商標を登録出願し登録を取得していることから、引用商標がまだ日本国内において登録されていないことを奇かとしてその信用にただ乗りしようとする不正の目的があるものと推認される。 3 当審の判断 (1)引用商標の周知性について 申立人提出に係る甲各号証を徴すると、申立人は、ヨーロッパで金融サービスを提供し、欧州共同体商標意匠庁に引用商標の商標登録を所有していることは(甲第3号証ないし甲第10号証)認められるが、これらの証拠は、本人のウェブサイトの写し等であり、我が国での年次業績ではなく、欧州共同体商標意匠庁における登録商標の写しであって、この程度の証拠では、本件商標の登録出願時及び登録査定時において既に、申立人が金融サービスに使用する商標として、需要者の間に広く認識されるに至っていたものとはいい難い。 (2)本件商標と引用商標との商標の類否について ア 本件商標と引用商標とは前記1及び2(1)のとおりの構成からなるところ、本件商標は、異種文字の欧文字「GCI」と片仮名文字「キャピタル」との文字よりなり、その構成中の「キャピタル」の文字が指定役務との関係からすると「資本」を意味する語であり、自他役務識別標識としての機能が極めて弱いものといえるものであるから、本件商標の欧文字「GCI」の部分が要部として識別力を有するといえるものである。 そうすると、本件商標は、その構成文字相応して、「ジイシイアイキャピタル」又は「ジイシイアイ」の称呼を生ずるというのが相当である。 他方、引用商標は、「GCE」の文字よりなるものであるから、「ジイシイイイ」の称呼を生ずるものである。 そこで、本件商標の「ジイシイアイ」の称呼と引用商標の「ジイシイイイ」の称呼とを比較するに、アルファベットを羅列した商標にあっては、一音一音区切って比較的明瞭に発音する場合が多いといえるから、本件商標は「ジイ」、「シイ」、「アイ」、引用商標は「ジイ」、「シイ」、「イイ」とそれぞれの英文字毎に分けて発音されるというのが相当である。 そして、本件商標と引用商標とは、その相違する語尾部における「アイ」と「イイ」とは明らかに異なる音といえるものであり、加えて、上記のとおり、英文字毎に分けて発音されることと相俟って、それぞれを全体として称呼した場合においても、音感、音調が異なり、称呼上相紛れるおそれはないというべきである。 また、外観においても、本件商標の「GCI」と引用商標の「GCE」とは、極めて少ない文字数といえる3文字からなり、しかも、両者の語尾部の「I」の文字と「E」の文字とは、明らかに字形が異なるものであるから、外観上も容易に区別しうるものである。さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を有しない造語といえるものであるから、両者は比較することができない。 イ 以上のとおりであるから、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれからみても非類似の商標であるといわざるを得ない。 (3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号について 引用商標は、上記(1)で認定のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において既に申立人が金融サービスに使用する商標として、需要者の間に広く認識されるに至っていたものとはいい難いものであるのに加え、商標それ自体が別異のものとして需要者等に印象付けられるというのが相当であるから、本件商標に接する需要者等が引用商標を想起することは極めて少ないというべきである。 したがって、本件商標からは、直ちに申立人の金融サービス、あるいは申立人を想起するとまでいうことはできないから、本件商標を指定役務に使用しても、申立人、又は同人と関係のある者の業務に係る役務であるかのように、役務の出所について誤認し、混同するおそれがあるとはいえないというべきである。 (4)商標法第4条第1項第19号について 申立人提出の甲各号証によっても、引用商標は、上記(1)のとおり需要者の間に広く認識されるに至っていたものとはいい難いものであり、同じく、上記(2)のとおり、本件商標と引用商標とは、別異の商標と理解・認識されるものであるから、商標権者が不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものであると認めることはできない。 (5)以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2007-01-05 |
出願番号 | 商願2005-61329(T2005-61329) |
審決分類 |
T
1
651・
25-
Y
(Y36)
T 1 651・ 271- Y (Y36) T 1 651・ 222- Y (Y36) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 原田 信彦 |
特許庁審判長 |
澁谷 良雄 |
特許庁審判官 |
石田 清 山本 良廣 |
登録日 | 2006-02-10 |
登録番号 | 商標登録第4927848号(T4927848) |
権利者 | 株式会社GCIキャピタル |
商標の称呼 | ジイシイアイキャピタル、ジイシイアイ、キャピタル |
代理人 | 朴 暎哲 |
代理人 | 遠藤 祐吾 |
代理人 | 早津 貴久 |
代理人 | 村橋 史雄 |