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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y37
管理番号 1152298 
異議申立番号 異議2006-90162 
総通号数 87 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-03-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-04-27 
確定日 2007-01-19 
異議申立件数
事件の表示 登録第4923923号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4923923号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第4923923号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成17年4月28日に登録出願、第37類「測定機械器具の修理・保守又は調整」を指定役務として、平成18年1月27日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由及び引用商標等の要旨
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の2件の登録商標を引用している。
(a)登録第4906049号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成14年3月14日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年11月4日に設定登録されたものである。
(b)登録第4906050号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成14年3月14日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年11月4日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、申立人の著名な略称「レーザーテック」の文字を含む商標であり、その商標登録を受けるにあたり申立人の承諾を得ていないものである。
(3)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、その構成から、申立人が「マスク欠陥検査装置、ウエハ欠陥検査装置、レーザー顕微鏡、液晶用カラーフィルタ欠陥検査装置、位相シフト量測定装置」及び「これらの商品の修理・保守又は修理」について使用する著名商標に類似し、その指定役務も上記申立人の商品・役務と同一又は類似のものである。
(4)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標1及び2と類似するものであり、また、その指定役務も引用商標1及び2の指定商品と類似するものである。
(5)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、その構成から、申立人が「マスク欠陥検査装置、ウエハ欠陥検査装置、レーザー顕微鏡、液晶用カラーフィルタ欠陥検査装置、位相シフト量測定装置」について使用する著名商標に類似し、その指定役務について使用するときは、申立人の上記商品業務と関連のある役務であると混同するおそれがある。
(6)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、その構成から、申立人の著名商標と類似する商標であって、申立人の著名商標に化体した業務上の信用にフリーライドする目的で使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同10号、同11号、同15号及び同19号のいずれかに該当するものであるから、取り消されるものである。

3 本件商標に対する取消理由の要旨
申立人の提出に係る証拠によれば、申立人は、昭和35年7月に設立された会社であって、同51年には、世界で初めてLSI(大規模集積回路)のマスクパタンの欠陥を自動検査するフォトマスク欠陥検査装置を開発し、同60年には、同じく世界で初めて走査型カラーレーザー顕微鏡を開発した会社であり、平成2年に日本証券業協会に株式の店頭登録を行い、現在、申立人は、フォトマスク欠陥検査装置、ウエハ欠陥検査装置、レーザー顕微鏡、液晶用カラーフィルタ欠陥検査装置、位相シフト量測定装置の商品分野において、世界で高いシェアを有しており(甲第34号証、同第133号証ないし同第135号証、同第139号証等)、例えば、会社四季報(2006年春号)では、フォトマスク・カラーフィルター検査装置の分野において申立人のシェアが首位である旨が紹介されている(甲第4号証)。
申立人は、昭和61年に米国に現地法人「レーザーテック・ユー・エス・エー・インク」を、平成13年に韓国に現地法人「レーザーテック・コリア・コーポレーション」を設立し、ヨーロッパ、台湾には支店、シンガポール等に代理店を設置する等して海外においても広く事業を展開している(甲第5号証、同第192号証)。
このように、申立人は、独創的な高度な技術力を有する企業であり、昭和50年には「発明大賞」(日本発明振興協会・日刊工業新聞社)、昭和52年及び同57年に「十大新製品賞」、昭和55年に「大河内記念技術賞」、昭和60年に「科学技術庁長官賞」、昭和63年及び平成10年に「神奈川工業技術開発大賞」、平成9年に「アドバンスト・ディスプレイ・オブ・ザ・イヤー’97グランプリ賞」をそれぞれ受賞し(甲第5号証、同第33号証、同第89号証、甲第132号証)、また、新聞・雑誌等においては、平成10年以降に発行されたものをみても、「シェア 技術極めて市場“独占”」、「日本のなかの世界一企業/走査型カラーレーザー顕微鏡の分野において世界シェア100%」、「レーザー技術で世界市場を独占」、「小さな世界一企業20」、「技術極めて市場“独占”」、「自動欠陥検査装置で世界制覇」、「レーザーテック 半導体検査装置で世界を席巻」(甲第52号証、同第85号証ないし同第87号証、同第134号証、同第135号証、同第139号証)等と記載して申立人が紹介されており、申立人自身も、雑誌に多くの広告を掲載していることが認められる(甲第155号証ないし同第184号証)。
また、申立人が主に使用する商標は、別掲(4)に表示した構成よりなる図形及び「Lasertec」の文字からなるもの、「レーザーテック株式会社」の文字よりなるものということができる(甲第6号証、同第8号証、同第11号証、同第28号証、同第145号証ないし同第187号証等。以下、これらの商標を「申立人商標」という。)。
以上によれば、申立人がフォトマスク欠陥検査装置、ウエハ欠陥検査装置、レーザー顕微鏡、液晶用カラーフィルタ欠陥検査装置、位相シフト量測定装置に使用する上記構成よりなる申立人商標は、本件商標の登録出願の時には、取引者・需要者の間に広く認識され、著名性を獲得していたものと判断するのが相当である。
また、申立人の商品のように高度な技術力が求められる商品に関する保守・点検・修理等のサービスは、一般の精密機器と同様にその製造メーカーが行うのが常態ということができ、現に申立人の平成16年7月期の保守・修繕などのサービスの売上高は7億円近くに達していることが認められる(甲第3号証)。
そうとすれば、本件商標と申立人商標とは、それぞれの文字構成よりして「レーザーテック」の称呼を共通にする類似の商標といわなければならず、また、本件商標の指定役務は、申立人の商品と密接な関連性を有し、申立人自身も商品を製造すると共にその保守・点検・修理等のサービスを行っている事実が存するから、商標権者が本件商標をその指定役務に使用した場合、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように混同するおそれがあるといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見
商標権者は、3の取消理由について、指定した期間内に意見を述べていない。

5 当審の判断
平成18年9月28日付けで取消理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。そして、上記3の取消理由は妥当なものと認められる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ないから、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定により取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(1)
本件商標

(色彩については、原本参照。)

別掲(2)
引用商標1


別掲(3)
引用商標2


別掲(4)
申立人使用商標の図形



異議決定日 2006-12-01 
出願番号 商願2005-38368(T2005-38368) 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (Y37)
最終処分 取消  
前審関与審査官 渡口 忠次 
特許庁審判長 小林 薫
特許庁審判官 長柄 豊
寺光 幸子
登録日 2006-01-27 
登録番号 商標登録第4923923号(T4923923) 
権利者 株式会社レーザーテック
商標の称呼 レーザーテック、レーザー、テック 
代理人 山田 智重 
代理人 山田 克巳 
代理人 山田 博重 
代理人 山田 勝重 

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