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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y25 |
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管理番号 | 1152219 |
審判番号 | 取消2006-30433 |
総通号数 | 87 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2007-03-30 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2006-04-10 |
確定日 | 2007-02-09 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4631113号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4631113号商標の指定商品中「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4631113号商標(以下「本件商標」という。)は、「ジョイフル」と「JOYFUL」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成14年3月11日に登録出願、第25類「ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成14年12月20日に設定登録されたものである。 2 請求人の主張 請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。 請求の理由 請求人の調査によると、本件商標は、その指定商品中「運動用特殊衣服、運動用特殊靴」について継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、その登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 3 被請求人の主張 被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め、答弁の理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第5号証(枝番を含む。)を提出した。 (1)本件商標の使用権者は、本件商標をその指定商品中「履物」(以下「本件商品」という。)に使用している。本件商品は、「ゴルフ靴」「サッカー靴」「スキー靴」「体操用靴」「テニス靴」「登山靴」「バスケットボール靴」「バレーボール靴」「ハンドボール靴」「ボウリング靴」「ボクシング靴」「ホッケー靴」「野球靴」「ラグビー靴」及び「陸上競技用靴」等の、いわゆる「運動用特殊靴」と、生産者、販売者、取引経路等を共通にし、一般需要者が「運動用特殊靴」と同一または類似する商品であると認識する可能性が極めて高いものである。したがって、本件商標の「運動用特殊靴,運動用特殊衣服」の登録は維持されるべきである。 (2)本件商標が、本件商品について現に使用されていることを裏付ける証拠方法として、乙第1号証ないし同第5号証を提出する。 (3)乙第1号証は、被請求人とヒカリシューズ株式会社との商標使用許諾契約書であり、被請求人がヒカリシューズ株式会社(以下「通常使用権者」という。)に対して本件商標の通常使用権を許諾していることが明記されている。 (4)通常使用権者は、乙第2号証ないし同第4号証に示すとおり、「JOYFUL」の商品名で現に本件商品を販売している。 乙第2号証は、「海外製品仕様書」であり、デザインNo.4302及びNo.4303の本件商品には「JOYFUL」と記載されたネームラベルが底付に添付されていることが明示されている。 乙第3号証は、本件商品に添付されたネームラベルであり、実際に本件商品にネームラベルが添付されていることが乙第4号証により証明されている。また、乙第3号証及び乙第4号証において、「JOYFUL」が登録商標であることを明確にする為に「マルR」を付記しており、「JOYFUL」の文字は、本件商標と社会通念上同一と認められるものである。 (5)乙第5号証は、「靴種上代別粗利益集計表」であり、「JOYFUL(デザインNo.4302及びNo.4303)」が現に取引された事実を示している。これらの証拠方法が示す対象期間は、何れも本件審判請求の登録前3年以内のものであることが明記されているから、本件商標が、本件審判請求に係る商品と社会通念上同一又は類似の商品である本件商品について使用されていることが明らかである。 4 当審の判断 (1)商標法第50条第1項に基づき商標登録の取消審判請求があったときは、その取消請求に係る指定商品について、当該審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが当該登録商標の使用をしていることを証明するか、または、使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しは免れない(第2項)。 (2)被請求人の提出に係る証拠によれば、本件商標について被請求人から通常使用権の許諾がなされた商品は「紳士靴」であること(乙1)、海外製品仕様書(乙2)には、当該製品の外形を示す図面とネーム欄に「Healthy JOYFUL」の記載及びデザインNoの欄に「4302」あるいは「4303」の記載があることが認められる。また、商品写真(乙4)によれば、「JOYFUL」の文字が表示されたネームラベルが靴の内側の底付に貼付されていること、同「JOYFUL」の下段に「Healthy Walking」の文字が併記されていること、同写真の靴の内側に「4302」「4303」の表示が刻印されていること、が認められる。 そして、靴種上代別粗利益集計表(乙5)によれば、本件審判請求の登録前3年以内の時期に、製品記号を「4302」あるいは「4303」と表す靴種「短靴」の取引がされたと推認し得るものである。 しかして、これらによれば、本件商標と社会通念上同一と認め得る商標が商品「靴」について使用されたと認められるところである。 なお、上記仕様書や写真によって当該商品の外形や記載等をみても、本件商標の使用に係る商品「靴」の用途が特定の運動用のものとして格別に限定されたとみるべき外形や記載等は、見当たらない。 (3)本件において商標登録の取消を求められている指定商品は、「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」である。 そして、商標法施行規則第6条の別表中第25類の「六 運動用特殊靴」の項には、「ゴルフ靴」「サッカー靴」「乗馬靴」「スキー靴」「登山靴」等がこれに属する商品として例示されており、この「運動用特殊靴」の概念には、専らスポーツに使用され、日常生活一般ではほとんど使用されない靴が含まれると解される(「商品及び区分解説」参照)。 しかして、上記(2)によれば、本件使用商品は、本件商標の使用を許諾された「紳士靴」とみるべきものであり、日常生活において歩行の際に普通に用いられる履物の一と認めるのを相当とするものであって、専らスポーツの際に限って使用されるものとは到底いい得ないから、「運動用特殊靴」に属する商品ということはできないというべきである。 なお、被請求人は、本件使用商品が、いわゆる「運動用特殊靴」と、生産者、販売者、取引経路等を共通にし、一般需要者が「運動用特殊靴」と同一または類似する商品であると認識する可能性が極めて高いものであると主張している。 しかしながら、本件においては、その取消請求に係る指定商品についての使用が要件であり(商標法第50条第2項)、使用に係る商品と取消請求に係る指定商品との間の類否が問題とされるものでもないから、当該主張は採用し得ない。 してみれば、提出に係る証拠によっては、取消請求に係る指定商品「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」について、本件審判請求の登録前3年以内に、本件商標が使用されたと認めることはできない。その他、これを認め得る証拠はなく、その使用をしていないことについて正当な理由があるものとも認められない。 (4)以上のとおり、本件商標は、取消請求に係る指定商品について、使用をされていたとは認め得ず、また、その不使用についての正当な理由があるともいえないから、商標法第50条に基づき、その登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-12-05 |
結審通知日 | 2006-12-11 |
審決日 | 2006-12-22 |
出願番号 | 商願2002-18676(T2002-18676) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(Y25)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 富田 領一郎 |
特許庁審判長 |
高野 義三 |
特許庁審判官 |
山口 烈 井岡 賢一 |
登録日 | 2002-12-20 |
登録番号 | 商標登録第4631113号(T4631113) |
商標の称呼 | ジョイフル |
代理人 | 石川 義雄 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 小出 俊實 |