• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y3541
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y3541
管理番号 1152007 
審判番号 不服2005-14162 
総通号数 87 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-07-22 
確定日 2007-01-22 
事件の表示 商願2004-73390拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,「BCM」の欧文字を標準文字により書してなり,第35類「経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理」及び第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催」を指定役務として,平成16年8月6日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は,以下の(1)及び(2)の拒絶の理由に該当すると認定,判断し,本願を拒絶したものである。
(1)本願商標は,「BCM」の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ,インターネットの情報によると(http://www.compaq.co.jp/info/newsroom/pr/fy2004/fy04-055.html,http://www.bcijapan.jp/article.htm)「企業の事業継続管理(BCM;buiness Continuity Management)」の意味でセミナー等でテーマとして採択され使用されているので,これを指定する役務中前記の事柄を内容とした役務,例えば「企業の事業継続管理の観点から行う経営の診断又は経営に関する助言」「企業の事業継続管理を主題としたセミナーの企画・運営又は開催」等について使用するときは,単にその役務の内容(質)又は用途を表示してなるにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記役務以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生ずるおそれがあり,商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)本願商標は,登録第4685366号商標と同一又は類似する商標であって,その商標に係る指定役務と同一又は類似の役務について使用するものであるから,商標法第4条第1項第11号に該当する。

3 当審において通知した審尋
当審において,請求人に対し,平成18年9月5日付けで通知した審尋書の要旨は,以下のとおりである。
本願商標は,その指定役務中,例えば,「経営の診断又は経営に関する助言」や「セミナーの企画・運営又は開催」について使用するときは,経営の管理手法の一つである「事業継続管理(BCM;buiness Continuity Management)」ないし「事業継続マネジメント」の意味合いを看取させるにとどまり,診断又は助言の内容やセミナーのテーマ等として,単にその役務の質(内容)を表示するにすぎないものと認められるから,自他役務の識別標識としての機能を有するものとはいうことができない。また,「事業継続管理」を内容とする役務以外の役務に使用するときは,その役務の質について誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
してみれば,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定の拒絶の理由は,免れ得ないものである。
(1)2004年11月11日 日経金融新聞 1ページ
「(第2部稼ぎの方程式(3)損保,事前にリスク摘む(金融未来形)」の見出しの下,「特定の部品の調達先が偏っていたり,生産を復旧させる際に明らかにボトルネックとなる工程が存在していたり,といった場合の対策を助言する。こうした危機管理サービスはBCM(事業継続マネジメント)と呼ばれ,損保各社が最近,力を入れている。」との記載がある。
(2)2005年5月25日 日本経済新聞 27ページ
「防災と企業価値(7)関連ビジネス??復旧支援サービスで損保動く(ゼミナール)」の見出しの下,「地震など不測の事態で業務が中断した場合でも,できるだけ速やかに業務を再開,企業評価の低下を防ぐことなどを経営戦略の柱にすえるのが事業継続経営(BCM)である。」「リスク情報の開示基準が強化され,事業継続計画(BCP)やBCMの体制を整えているかどうかが取引先の企業を選別する基準として重視する動きが,国際的な取引だけでなく国内でも目立つようになってきた。」との記載がある。
(3)2005年2月7日 日経金融新聞 3ページ
「三井住友海上火災保険とインターリスク総研,災害時対応のセミナー。」の見出しの下,「三井住友海上火災保険と同社のグループ会社のインターリスク総研(東京・千代田)は地震などの不測の事態が生じた場合に,中断した事業を早期に再開するためのリスク管理手法「事業継続管理」(BCM)に関する企業向けのセミナーを十六日に開くと発表した。参加費は一人五千円で定員は二百人。新潟県中越地震など度重なる災害のため,BCMに対する顧客のニーズが増えている。 」との記載がある。
(4)http://www.sjrm.co.jp/bcm/index.html
「損保ジャパン・リスクマネジメント」のサイトにおいて,「事業継続マネジメント(BCM)」として,「今日の企業活動ではグローバル化,オペレーションの効率化が進んでおり,国内外の自然災害やサプライチェーンの機能停止などにより重大な影響を受ける恐れがあります。長期間企業活動レベルが低下すれば,利益を逸失するのみならず,シェアの低下,雇用や地域への悪影響など,企業価値の低下を招きかねません。
このようなリスクに対処する経営管理手法として,事業継続マネジメント(BCM,Business Continuity Management)が注目されています。BCMにより適切なリスク対応ができれば,企業価値の維持だけでなく,結果としてその向上も期待できます。」との記載がある。
(5)http://www.kk-osk.co.jp/consult/bcm_shien.asp(アドレスを訂正。)
「株式会社OSK」のサイトにおいて,「事業継続管理態勢構築・運用支援サービス」として,「災害・事故からビジネスを守るための経営管理手法として,BCM(Busyness Continuity Management:事業継続管理)が近年注目されています。
BCMとは,Business Continuity Managementの略で事業継続管理を意味します。地震や落雷などの自然災害や,事故などの様々なリスクによって生じる事業活動の止むを得ない中断に対して,事前にビジネスそのものや提供するサービスについて重要度・影響度等を明確にし,重要なビジネスやサービスの継続を確実にする,経営管理手法のことです。」との記載がある。

4 当審の判断
当審において,請求人に対し,上記3の審尋を通知し,相当の期間を指定して回答書を提出する機会を与えたところ,請求人より,平成18年10月16日付けで,審決を願いたい旨の上申書が提出され,具体的な反論はなされなかった。
よって,判断するに,本願商標は,上記2及び同3のとおり,事故・災害時における事業の危機管理手法を意味する「事業継続管理(business Continuity Management)」の略語「BCM」を横書きしてなるものであり,該「BCM」の文字が,指定役務中,例えば,「経営の診断又は経営に関する助言」や「セミナーの企画・運営又は開催」について役務の内容を表示するために普通に使用されていることは,上記2及び同3で示した新聞記事情報,インターネット情報から十分に裏付けられるところである。
してみれば,本願商標は,これをその指定役務に使用しても,これに接する需要者をして,診断又は助言の内容やセミナーのテーマ等として,単にその役務の質(内容)を表示するにすぎないものと理解するにとどまり,単に役務の質(内容)を表示したものと認識するにすぎず,また,「事業継続管理」を内容とする役務以外の指定役務に使用するときは,その役務の質について誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第11号について検討するまでもなく,同法第3条第1項3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから,本願を拒絶した原査定は妥当であって,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
審理終結日 2006-11-24 
結審通知日 2006-11-28 
審決日 2006-12-12 
出願番号 商願2004-73390(T2004-73390) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y3541)
T 1 8・ 272- Z (Y3541)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石田 清小川 きみえ 
特許庁審判長 田代 茂夫
特許庁審判官 山本 良廣
鈴木 雅也
商標の称呼 ビイシイエム 
代理人 堀口 浩 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ