• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y33
審判 全部申立て  登録を維持 Y33
管理番号 1150329 
異議申立番号 異議2006-90219 
総通号数 86 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2007-02-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 2006-05-08 
確定日 2006-12-25 
異議申立件数
事件の表示 登録第4925200号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4925200号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4925200号商標(以下「本件商標」という。)は、「サンライズルビー」の文字を標準文字としてなり、平成17年4月27日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年2月3日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4208026号商標(以下「引用商標」という。)は、「SUNRISE」と「サンライズ」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成9年1月13日に登録出願、第33類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年11月6日に設定登録されたものである。
(2)理由の要点
第4条第1項第11号該当
本件商標は、前半の「サンライズ」が「日の出」等の語義の平易な英語「SUNRISE」の発音を表したものであり、後半の「ルビー」は世人一般に極めて親しまれている外来語を表したもので、指定商品中の商品「赤ぶどう酒」の普通名称を表わすばかりでなく、指定商品中の「真紅色」「ルビー色」のものについて色彩、即ち商品の品質を表わすものであるから、自他商品の識別機能を果たすのは「サンライズ」の文字部分であり、「サンライズ」の称呼及び「日の出」等の観念をも生ずる。
一方、引用商標は、「サンライズ」の称呼及び「日の出」等の観念を生ずるものである。
したがって、両商標は、「サンライズ」の称呼及び「日の出」等の観念を同じくする類似の商標である。また、本件商標と引用商標の指定商品は同一のものである。
第4条第1項第15号該当
(ア)申立人は、1883年に設立され、アンデスの麓に3000ヘクタールの自社畑を有するチリ国最大のワイナリーであって、南米最高峰のプレミアムワイナリーとして知られている。同社の最高級ワイン「ドン・メルーチョ」はワインスペクター誌から世界のトップ12にランキングされ、豪華客船クインエリザベス号のワインリストにも載せられたほどであり、申立人のワインは、欧米のホテル・レストランで広く品質を認められている。
(イ)申立人がワインに使用する商標「SUNRISE」は、世界各国で商標登録され、我国では、メルシャン(株)により、当該ワインが継続して輸入され、販売されて、遅くとも本件商標の出願時には既に取引者及び需要者間に広く認識されるに至っていた。
(ウ)本件商標は、後半の「ルビー」は識別機能を有しないが、仮に、「日の出」等の観念を生ずる「サンライズ」の語と(宝石の)「ルビー」のみに観念を生ずる「ルビー」の語との結合商標と仮定しても、構成前半に、「ワイン」に使用した結果、取引者及び需要者間に広く認識されている商標と同一の称呼、観念を生ずる「サンライズ」の文字を有するから、これを「ワイン」を含む果実酒等に使用した場合、出所について混同を生じさせるおそれがある。

3 当審の判断
(1)第4条第1項第11号該当について
本件商標は、「サンライズルビー」の文字からなるものであるところ、その構成各文字は同じ書体、同じ大きさ、等間隔をもって一連一体に表されたものであり、そのいずれかの部分かを限定抽出し、それに相応した称呼・観念をもって取引に資されるとすべき格別の事情は見いだし難いものであるから、その構成全体をもって特定の観念を生じさせない一体不可分の造語からなるものとして看取されるというのが相当である。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して「サンライズルビー」の称呼のみを生ずるものであり、特定の観念を生じさせないものである。
一方、引用商標は、「SUNRISE」と「サンライズ」の文字を上下二段に書してなるものであり、その構成文字に相応して「サンライズ」の称呼、「日の出」の観念を生ずるものであることが明らかである。
しかして、上記「サンライズルビー」と「サンライズ」の両称呼を対比すると、両者は、前半で「サンライズ」の音を共通にするけれども、後半で「ルビー」の音の有無の明らかな差異を有するから、これらをそれぞれ一連に称呼しても、彼此相紛れることはないというべきである。
また、両商標は、その外観、観念において相紛れるおそれがあるとも認められない。
してみると、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標に類似する商標と判断することはできないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)第4条第1項第15号該当について
申立人の提出に係る証拠によれば、引用商標は、本件商標の出願前わが国において、商品(ワイン)について使用されたことが認められる。しかし、これらの証拠によっては、本件商標の出願時に、引用商標が需要者の間において広く認識されるに至っていた商標であると認めるには足りないといわざるを得ないものである。
しかして、本件商標が引用商標に類似するものといえないことは前記(1)のとおりであり、両者を更に関連付けてみなければならない理由もないから、結局、両者は、別異の出所を表す商標として看取されるものである。
したがって、本件商標をその指定商品に使用しても、需要者がこれより引用商標を連想、想起して、申立人あるいは同人と組織的又は経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤信し、その出所について混同するおそれがあるということはできないから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)結語
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものとはいえないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
異議決定日 2006-12-05 
出願番号 商願2005-38131(T2005-38131) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y33)
T 1 651・ 26- Y (Y33)
最終処分 維持  
前審関与審査官 林 栄二 
特許庁審判長 高野 義三
特許庁審判官 井岡 賢一
山口 烈
登録日 2006-02-03 
登録番号 商標登録第4925200号(T4925200) 
権利者 アサヒビール株式会社
商標の称呼 サンライズルビー 
代理人 藤谷 史朗 
代理人 杉村 興作 
代理人 末野 徳郎 
代理人 来間 清志 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ