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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y163032 審判 査定不服 観念類似 登録しない Y163032 |
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管理番号 | 1150262 |
審判番号 | 不服2005-17480 |
総通号数 | 86 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2007-02-23 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2005-09-12 |
確定日 | 2007-01-05 |
事件の表示 | 商願2004-104526拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「二宮尊徳」の文字と、「NINOMIYA」及び「SONTOKU」のローマ文字とを三段に横書きしてなり、第16類、第30類及び第32類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年11月2日に登録出願され、その後、指定商品については、当審における同17年9月12日付け手続補正書により、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,封ろう,印刷用インテル,活字,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,マーキング用孔開型板,電気式鉛筆削り,装飾塗工用ブラシ,紙製幼児用おしめ,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,型紙,裁縫用チャコ,紙製のぼり,紙製旗,観賞魚用水槽及びその附属品,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札,印刷したくじ(おもちゃを除く。),紙製テーブルクロス,紙類,文房具類,書画,写真,写真立て」、第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,食品香料(精油のものを除く。),茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン,調味料,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」と補正されたものである。 2 原査定における拒絶の理由(要点) (1)本願商標は、「二宮尊徳」の文字とその欧文字表記と認められる「NINOMIYA」及び「SONTOKU」の文字を3段に書してなるものであるが、指定商品中「印刷物」との関係では、江戸末期の著名な篤農家である「二宮尊徳」の伝記を内容とすることを容易に認識させるものであるから、これに接する取引者・需要者はこれを書籍の題号としか認識し得ないものであり、これを本願指定商品中、上記内容の「書籍」に使用しても、単に商品の品質(内容・題号)を表示するにすぎず、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の「印刷物」に使用するときは、商品の品質(内容・題号)の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。 (2)指定商品は、商標とともに権利範囲を定めるものであるから、その内容及び範囲は明確でなければならないところ、本願商標に係る指定商品中の第16類「文章細断機」は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。ただし、前記指定商品の表示を「文書細断機」のように表示した場合は、この限りではない。 (3)本願商標は、以下の登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (a)登録第803132号商標(以下「引用A商標」という。)は、「尊徳」の文字を縦書きし、その下に「ソントク」の片仮名文字を横書きしてなるものであり、昭和42年11月27日に登録出願、第28類「日本酒、洋酒、ビール、果実酒、中国酒、薬味酒」を指定商品として、同44年1月9日に設定登録、その後、同54年11月29日、平成1年2月27日、同10年12月15日の3度にわたって商標権存続期間の更新登録がされているものである。 (b)登録第1990416号商標(以下「引用B商標」という。)は、「尊徳」の文字を横書きしてなり、昭和60年4月6日に登録出願、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、同62年10月27日に設定登録、その後、平成9年8月5日に商標権存続期間の更新登録がされているものである。 (c)登録第4644079号商標(以下「引用C商標」という。)は、「尊徳」の筆書き風文字を縦書きしてなり、平成14年5月24日に登録出願、第30類「菓子及びパン,コーヒー及びココア,茶」を指定商品として、同15年2月14日に設定登録されたものである(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。 3 当審の判断 (1)本願商標は、その指定商品について、上記1のとおり補正された結果、これをその指定商品に使用しても、商品の品質等を直接的、かつ、具体的に表示してなるものではなく、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないものとなり、また、商品の内容が明確になったものと認められる。 したがって、原査定において、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号、同法第6条第1項に該当するとした拒絶の理由は解消した。 (2)次に、本願商標と引用商標との類否について検討する。 本願商標は、上記1のとおり、「二宮尊徳」、「NINOMIYA」及び「SONTOKU」の文字よりなるところ、その構成中の「NINOMIYA」及び「SONTOKU」の文字は、その上部に書かれた「二宮尊徳」の文字をローマ字表記したものと無理なく理解、把握されるものである。 そして、これよりは、その構成各文字に相応して、「ニノミヤソントク」、「ニノミヤ」及び「ソントク」の称呼を生ずるものである。 他方、引用A商標は、上記2のとおり、「尊徳」及び「ソントク」の文字よりなるところ、その構成中の「ソントク」の文字は、その上部に書かれた「尊徳」の文字を片仮名文字で表記したものと無理なく理解、把握されるものである。 そして、これよりは、その構成各文字に相応して、「ソントク」の称呼を生ずるものである。 また、引用B商標及び引用C商標は、上記2のとおり、いずれも「尊徳」の文字よりなり、その構成各文字に相応して、「ソントク」の称呼を生ずるものである。 してみれば、本願商標と引用商標とは、「ソントク」の称呼を共通にする類似の商標といわざるを得ない。 (2)また、「二宮尊徳」については、偉人として、薪を背負いながら本を読む少年像が全国各地に建てられたり、伝記が出版されるなどしており、勤勉家、勤労家であったこと、江戸末期の篤農家、農政家として、小田原藩、相馬藩、日光神領などの復興にあたったこと等で世人に広く知られているものと認められる。 そして、「二宮尊徳」は、その名前である「尊徳」と省略されても、「二宮尊徳」を直ちに想起させる程に著名であって、それ以外の観念は生じないというべきであって、例えば、新聞記事情報及びインターネット情報においても、「二宮尊徳」を「尊徳」と省略して掲載している事実を、以下のように見出すことができる。 (a)「話題のアングル/偉業の影に苦しみ/嫁の手記から考察/質素な生活も浮き彫りに/今市の作家が新・尊徳像」の見出しの下、「今市市は、二宮尊徳終えんの地。・・・」(下野新聞2004年3月14日付け朝刊5頁) (b)「秋保小・吉岡校長/仙台・太白区/尊徳翁の精神忘れずに卒業生に手がき色紙用意」の見出しの下、「太白区の・・・江戸時代末期の農政家・二宮尊徳(通称金次郎)の銅像を・・・」(河北新報1996年3月6日付け) (c)「尊徳翁の心見習いたい/村山市役所に石像設置/大石さん所有、市が借り受け『市政方針にぴったり』」の見出しの下、「『勤勉、勤労』をモットーにした・・・江戸時代末期の農政家二宮尊徳(通称・金次郎)の心を・・・」(河北新報2003年6月19日付け) (d)「交差点 尊徳の教え」の見出しの下、「【三重県】『えっ、二宮尊徳と関係があるサミット。・・・』」(中日新聞2002年11月9日付け朝刊22頁 中勢版) (e)「受け継ごう報徳精神 尊徳ゆかりの12市町村 宮川村でサミット」の見出しの下、「【三重県】江戸時代後期の農村復興指導者、二宮尊徳(一七八七-一八五六)ゆかりの市町村が・・・」(中日新聞2002年10月27日付け朝刊16頁 三重版) (f)「『尊徳翁の人生哲学』を講演-来月、掛川で日創研浜松経営研究会」の見出しの下、「今回の事業は、・・・幕末の荒廃の再生のための報徳の訓を説いた二宮尊徳(金次郎)翁の人生哲学を・・・」(静岡新聞2002年4月12日付け朝刊19頁) (g)「尊徳まんじゅう・今市市 黒砂糖の風味(栃木 この味)/栃木」の見出しの下、「今市市は江戸末期の篤農家・二宮尊徳の終焉(しゅうえん)の地である。・・・」(朝日新聞2001年3月29日付け 東京地方版/栃木34頁) (h)「話題のアングル/尊徳記念館建設へ始動/合併で名が消える前に/『終焉の地』施設充実を/チラシ配布、市民に訴え/今市報徳社」の見出しの下、「今市市で二宮尊徳の報徳仕法の教えを学び、・・・」(下野新聞2005年10月30日付け朝刊5頁) (i)「とちぎ北から南から/今市総局/坂本裕一/文化財の一般開放/尊徳翁ならどう考える?」の見出しの下、「会館は二宮尊徳没後百年の一九五五年、・・・」(下野新聞2004年7月5日付け朝刊4頁) (j)「尊徳の精神 町づくりに/茂木で第9回報徳サミット/関係地首長が討論会/福田知事も『分度推譲』訴え」の見出しの下、「【茂木】・・・二宮尊徳の教えを町づくりに生かすのが目的。・・・」(下野新聞2003年11月16日付け朝刊5頁) (k)「尊徳の人形も展示 小田原・『報徳の遺宝』展/神奈川」の見出しの下、「まきを背負い、本を読みながら歩く姿で知られる二宮尊徳(金次郎)の遺品などを集めた・・・」(朝日新聞1993年8月23日付け東京地方版/神奈川) (l)「〈まど〉奥尻の尊徳さん」の見出しの下、「北海道南西沖地震の・・・たきぎを背に本を読む『二宮尊徳』の像がたたずんでいる。・・・」(北海道新聞1993年8月16日付け夕刊全道12頁) (m)「『忍耐』の尊徳さんが座った 小田原に新解釈の像」の見出しの下、「二宮尊徳(金次郎)の故郷の神奈川県小田原市で・・・」(朝日新聞1993年5月23日付け東京朝刊26頁) (n)「町あげて尊徳復活へ 3小、中学に近く金次郎像 栃木・二宮町」の見出しの下、「二宮尊徳は、文政5年(1822)に・・・」(朝日新聞1990年6月17日付け東京地方版/栃木) (o)「[憂楽帳]尊徳の教え」の見出しの下、「二宮尊徳はどういう人、と聞かれ・・・」(毎日新聞1998年4月11日付け東京夕刊9頁) (p)「農民のやる気へ 10年間年貢据え置き/尊徳に学ぶ街づくり/報徳サミットで講演会/真岡市」の見出しの下、「【真岡】二宮尊徳の思想を生かした街づくりを考える・・・」(下野新聞2005年11月29日付け朝刊7頁) (q)「[さんでー・うんちく学]尊徳=4 人間味漂う二宮町の伝承=栃木」の見出しの下、「勤勉を象徴する二宮尊徳は、・・・」(読売新聞2003年3月23日付け東京朝刊33頁) (r)「台風14号:尊徳さんもダウン、小林市の石像倒壊/宮崎」の見出しの下、「小林市細野の・・・二宮金次郎(尊徳)像が姿を消し・・・」(毎日新聞2005年10月6日付け地方版/宮崎21頁) (s)「尊徳」の背表紙の本の写真の横、「尊徳 栃木・茨城・神奈川・静岡・福島の仕法 大木茂」「”栃木・茨城・神奈川・静岡・福島各県での仕法をはじめ、二宮尊徳の歴史、家庭生活、教育観などを・・・巨人・二宮尊徳(二宮金次郎)を追い、・・・」(http://www.zuisousha.co.jp/book2/4-88748-094-6.htm) (t)「尊徳翁の遺骨」の見出しの下、「思い出されるのは貧から身を起し農耕に、普請に一生を土に親しんだ二宮尊徳翁のことである、・・・」(http://www.geocities.jp/kyoketu/5904.html) (u)「湘南ネットラジオ ユーザー参加型ラジオ局!(同じアドレスでケータイも見られます)」「尊徳祭」の見出しの下、「22日(日)・・・尊徳記念館で二宮尊徳(金次郎)の生家に隣接する尊徳記念館で尊徳の遺徳を偲び『尊徳祭』が行われる。・・・」(http://www.voiceblog.jp/shonan-radio/217872.html) (v)「SPORTS EVENT ENTRY SITE SPORTS ENTRY」「イベント情報 SPORTS EVENT」「第19回 小田原尊徳マラソン大会」の見出しの下の表中、「大会PR」の項目に「小田原が生んだ偉人、二宮尊徳生誕の地を、・・・」(http://www.sportsentry.ne.jp/event.php?tid=8553) 上記事実よりすると、「二宮尊徳」は「尊徳」と略称されており、ともに上記の篤農家、農政家である「二宮尊徳」を認識させるものと認められるから、「二宮尊徳」、「NINOMIYA」及び「SONTOKU」の文字からなる本願商標と、「尊徳」及び「ソントク」の文字からなる引用A商標、「尊徳」の文字からなる引用B商標及び引用C商標とは、「二宮尊徳」の観念を共通にする類似の商標といわなければならない。 したがって、本願商標と引用商標とは、外観において相違するとしても、「ソントク」の称呼と上述の観念を共通にする類似の商標といわなければならず、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含んでいるものと認められるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって取り消すことはできない。 なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標は登録されるべきものである旨主張しているが、これらはいずれも本願商標とその構成、態様を異にするものであって、本件とは事案を異にするものであり、同一に論ずることができないものであるから、該請求人の主張は採用することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-11-14 |
結審通知日 | 2006-11-14 |
審決日 | 2006-11-27 |
出願番号 | 商願2004-104526(T2004-104526) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(Y163032)
T 1 8・ 263- Z (Y163032) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 水落 洋 |
特許庁審判長 |
山口 烈 |
特許庁審判官 |
岩本 和雄 久我 敬史 |
商標の称呼 | ニノミヤソントク、ニノミヤ、ソントク |
代理人 | 斎藤 晴男 |