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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z42
管理番号 1150177 
審判番号 取消2005-31451 
総通号数 86 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2007-02-23 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2005-11-29 
確定日 2006-10-13 
事件の表示 上記当事者間の登録第4598393号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4598393号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成13年7月19日に登録出願、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、同14年8月23日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、「商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第4号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定役務について継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
(ア)商標法上の「商品」とは、取引市場において提供され、それぞれが代替性を有する物を意味し、「役務」とは、消費者の需要を充足するために行われる業務、施設、手段等の提供を意味すると一般的に解されているが、「商品」とは別にあえて「役務」を商標使用の対象とした趣旨からすると、「役務」とは、「商品」の提供行為以外の行為に限定されると解するべきである。
したがって、「役務」とは「商品」の提供以外の行為であるから、提供される飲食物が「商品」に該当すれば、それを提供する行為は、あくまでも「商品」の提供行為であって、「役務」には該当しないことになり、また、指定役務である「飲食物の提供」にも該当しないことになる。
そこで、顧客に提供される飲食物の「商品」該当性が問題となるが、平成9年1月29日東京高裁判決(甲第1号証)は、以下のように述べている。
「単に、飲食店内で顧客が即時に消費することが予定されている料理等は、商標法上の商品とはいえないが、他方、飲食店の料理等であっても、店頭で一般客にもパック詰めなどして販売されている場合には、流通性・代替性を備えるものとして商品性を肯定することができるものと認められる。」
上記判例からすると、弁当などの即時に顧客によって消費されることが予定されていない飲食物を提供する行為は、流通性・代替性を備える「商品」の提供行為であって、「商品」の提供行為以外の行為である「役務」には該当しないといえる。
したがって、飲食物が店内で提供され即時に消費されることを予定していない場合には、当該飲食物を提供する行為は、指定役務である「飲食物の提供」に該当しない。
(イ)一方、乙第1号証は、2005年10月23日開催された「JFE千葉まつり」にて、被請求人により「豚家自家製手作り炭火焼チャーシュー」が販売されていることを広告するチラシである。そして、このチラシの記載からは、被請求人は2005年10月23日という限定された期日に開催された限定された祭りにおいて、「豚家」の商標が付されたチャーシューをその場で販売したことがわかる。
このような、特定の祭りなどでチャーシューをその場で販売する行為は、継続的に店舗を構えて飲食物を店内で提供する場合と異なり、飲食物が店内で提供され即時に消費されることを予定していない場合であることは明らかである。そして、このことは、乙第1号証のチラシに掲載されているチャーシュー以外の商品が、「イカ焼き」、「お弁当」(「ロースかつ弁当」及び「助六寿司」)、並びに「お飲み物」(「スーパードライ」及び「缶コーヒー・ジュース各種」)という顧客が持ち帰って飲食することが予定されているテイクアウト商品であることからも窺える。
以上より、乙第1号証における本件商標の使用は、飲食物が店内で提供され即時に消費されることを予定していない場合であることから、指定役務である「飲食物の提供」の概念には該当するとはいえず、乙第1号証及び同第2号証は、本件商標を指定役務「飲食物の提供」について使用している事実の証拠にはなり得ない。
仮に、被請求人が本件商標を「飲食物の提供」に使用しているのであれば、乙第1号証、同第2号証以外に相応しい適当な証拠を提出すべきである。
(ウ)なお、被請求人は、「波奈グループ」と称するレストラン等多数の飲食店からなるグループを経営しており、インターネット上に自社のホームページを有している(甲第2号証)。そして、当該ホームページには、被請求人が経営する「飲食物の提供」を業務とする他の店舗が多数掲載されている(甲第3号証)。しかし、本件商標が付された飲食店は見当たらず、また、当該ホームページの被請求人の「会社案内」の「沿革」においても、本件商標が付された飲食店は掲載されておらず(甲第4号証)、当該ホームページ上において本件商標は一切使用されていない。
(エ)以上のとおりであるから、被請求人の答弁には理由がない。

3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び同第2号証を提出した。
(1)答弁の理由
(ア)被請求人は、平成17年(2005年)10月23日にJFE千葉まつりにおいて出店し、そこにおいて「千葉県産イカ焼」などの食べ物やビール・ジュースなどの飲物をその場で提供している。そのときに、多数のチラシを配布したが、そのチラシの中において本件商標を使用している。このチラシについては、平成17年10月頃、請求人が大和印刷有限会社(以下「大和印刷」という。)に印刷を依頼し、2000部作成して買ったことの証明書を大和印刷から取得した(乙第1号証)。
この証明書には当該チラシが添付されている。
(イ)さらに、前記チラシを確かに大和印刷が被請求人に納品したことを示す書類として、大和印刷から被請求人への納品書写しを乙第2号証として提出する。
(2)以上のとおり、本件商標の商標権者である被請求人が、平成17年10月23日に本件商標を「飲食物の提供」について使用している。

4 当審の判断
本件商標は、別掲のとおりの構成よりなり、また、本件審判の請求の登録は、平成17年12月20日にされたものであるところ、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標をその指定役務「飲食物の提供」について使用している旨主張し、乙第1号証及び同第2号証を提出しているので、以下検討する。
乙第1号証は、商標権者が大和印刷に宛てた「証明願」に対する大和印刷の「証明書」であり、この証明書には、平成17年10月頃、本件商標が使用されている印刷物を2,000部印刷したことが証明され、該印刷物である「チラシ」が添付されているものである。
該証明書に添付されているチラシには、「05’10月23日(日) JFE千葉まつり限定!」と表示されて「秘伝のたれで炭火焼します!!」「実演販売」「本日限定 100本/700円」の各文字が添えられて「豚家(とんが)自家製 手作り炭火焼チャーシュー」の文字が大書されている。また、その下部には、串に刺されたイカの図形及び「自慢のタレをたっぷりかけて・・・400円」の文字と共に「千葉県産イカ焼」の文字が記載され、さらにその下部には、弁当と飲物が価格付きで表示され、その右側には、本件商標と社会通念上同一と認められる商標と被請求人の名称が、住所等を付して表示されているものである。
乙第2号証は、大和印刷が被請求人に宛てた平成17年10月21日付け「納品書」であり、「A4チラシ JFE千葉まつり用(豚家)」を2000枚納品した旨等が記載されている。
以上の事実によれば、乙第1号証に添付されているチラシは、大和印刷から被請求人に平成17年10月21日に2,000部納品され、該チラシは平成17年10月23日に開催されたJFE千葉まつりないしその前日等にその参加者等に配布されたものと推認することができる。
そして、該チラシによれば、被請求人は、JFE千葉まつりに出店し、秘伝のたれで炭火焼した自家製の「手作り炭火焼チャーシュー」の実演販売を行い、また「自慢のタレをたっぷりかけて」焼かれた「イカ焼」や弁当、各種の飲物を販売したものと認められる。
ところで、各種の祭りやイベントなどの催事においては、飲食物を販売する屋台等が出店することも多く、これらの屋台等で販売される飲食物は、主に、当該催事場で飲食するために販売され、顧客はその場で飲食するために購入するのがこの種の催事の実情であることは一般に知られているところである。
これを被請求人がJFE千葉まつりで販売した「手作り炭火焼チャーシュー」及び「イカ焼」についてみると、「手作り炭火焼チャーシュー」は、JFE千葉まつりの会場で実際に焼いて販売され、また、「イカ焼」については、タレを付けて焼いたイカ焼を串に刺した状態などで販売されたものであることがチラシの記載から窺うことができ、両者とも購入してすぐに食べることができる状態で販売されたものであるということができる。
そうすると、上記取引の実情に照らせば、これらのチャーシューやイカ焼は、同会場ですぐに食され消費されることも少なくなかったというべきであるから、このような形態で顧客に販売されたチャーシューやイカ焼は、商取引の対象となる物としての商品性を否定し得ないとしても、調理して販売され、会場内ですぐに食されその場で消費されたという点に鑑みれば、「飲食物の提供」の役務における「飲食物」に該当することに他ならないというべきである。
そうとすれば、被請求人は、JFE千葉まつりにおいて、「手作り炭火焼チャーシュー」及びタレ付きの「イカ焼」を販売することにより顧客に「飲食物の提供」を行い、該役務について本件商標を使用していたというのが相当である。
してみれば、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者である被請求人により請求に係る指定役務中の役務について使用されていたものであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 本件商標

(色彩については原本参照)
審理終結日 2006-08-10 
結審通知日 2006-08-17 
審決日 2006-09-01 
出願番号 商願2001-66236(T2001-66236) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z42)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 寺光 幸子
小林 薫
登録日 2002-08-23 
登録番号 商標登録第4598393号(T4598393) 
商標の称呼 トンガ、トンヤ、ブタヤ、トンカ 
代理人 渡邊 隆 
代理人 高柴 忠夫 
代理人 志賀 正武 
代理人 生田 哲郎 
代理人 名越 秀夫 
代理人 高橋 詔男 
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