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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y41 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y41 |
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管理番号 | 1148396 |
審判番号 | 不服2004-26183 |
総通号数 | 85 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2007-01-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-12-24 |
確定日 | 2006-11-24 |
事件の表示 | 商願2004-24801拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は,「SALES ASSOCIATES」と「セールス・アソシエイツ」の文字を横書きしてなり,第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,社員教育・研修に関する知識の教授,社員教育・研修のためのセミナーの企画・運営又は開催,教育研修のための施設の提供」を指定役務として,平成16年3月17日に登録出願されたものである。 2 原査定における拒絶の理由 原査定は,「本願商標は,『SALES ASSOCIATES』と『セールス・アソシエイツ』の文字を二段書きに普通に用いられる方法で表してなるところ,『SALES』及び『セールス』の文字は,『販売の』の意味を有し,『ASSOCIATES』及び『アソシエイツ』の文字は,『同僚,仕事仲間』の意味を有する『ASSOCIATE』の複数形及びその表音と認められ,さらに,各種新聞記事データベースによると,『[曇りのち晴れ デパート新事情](2)特別室でVIP待遇(連載)』(読売新聞 1996.11.27 東京朝刊)の見出しのもと,『顧客はセールスアソシエイトと呼ぶ専属の販売員に迎えられ、豪華な『プラチナルーム』に案内される。』との記載が,また,インターネット情報によると,『セールスアソシエイト(販売職)・・・ [仕事内容詳細]販売のスペシャリストとして活躍してください。』との記載が認められることから,全体として『販売員』程の意味合いを容易に認識させるものである。そうとすれば,本願商標を本願指定役務中『販売員を養成するための知識の教授,販売員のためのセミナーの企画・運営又は開催,販売員を養成する教育研修のための施設の提供』に使用する場合,単に役務の質を表すにすぎないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,前記役務以外の役務に使用するときは,役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから,商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断して,本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は,「SALES ASSOCIATES」の欧文字と「セールス・アソシエイツ」の片仮名文字を二段に横書きしてなるところ,「SALES」及び「セールス」の文字部分が「販売」の意味を有し,「ASSOCIATES」及び「アソシエイツ」の文字部分が「同僚,仕事仲間」の意味を有する「ASSOCIATE」及び「アソシエイト」の複数形及びその表音であり,いずれも比較的平易な英語であるということができる(以上株式会社三省堂「コンサイス英和辞典」第13版参照。)。 そして,各種業界において「セールスアソシエイト」や「セールスアソシエート」(これらは,「セールスアソシエイツ」と違いがあるものの,その同義語と認められる。)が「販売員」や「販売スタッフ」を表すものとして広く一般に使用されている実情は,原審において開示された新聞記事情報等の例に加え,以下のインターネットの情報,新聞記事情報(株式会社ジー・サーチの提供に係る「G-Search新聞記事情報データベース」)からも,十分に裏付けられるところである。 (1) http://www.fukuyamalotz.co.jp/recruit/ 「LOTZ」のウエブサイトの「スタッフ募集」として「1F:Gap/GapKids」の記載中に,「セールスアソシエイト(Gap 販売スタッフ)(中略)待遇 (中略)※世界共通のトレーニングがありますので、未経験の方でも安心してご勤務いただけます。」との記載がある。 (2) http://www.itochu-housing.co.jp/recruit/sales.html 「セールスアソシエイト募集要項」の記載の下,「[接客・営業] 現地マンションギャラリーに来場されたお客様のモデルルーム案内、「住まい」の提案からご購入に関する相談などを通して、お申し込み・契約までを行います。 物を売るというより環境を提案する、販売というよりお客様の相談に乗って問題を解決していくお仕事です。(中略) 待遇 (中略)研修有り(入社・フォローアップ他)」との記載がある。 (3) http://www.career-m.jp/app/job_detail/105662/ 「転職情報サイト キャリアマート」のウエブサイトの「詳細案件」として「世界トップクラスの実績!ストレージソフトウエアのパイオニアメーカー|メインフレーム関連の(SA)ソリューション・アーキテクト 」の記載の下,「待遇・福利厚生」の欄において「セールスアソシエイトの研修プログラム】 ●製品トレーニング ●ILMについての研究発表、プレゼンテーションのテスト、営業戦略プランニングセッション等 ●セールススキルトレーニング(社外の専門機関/社内のトレーニング) ●EMCユニバーシティが提供するウェブベースのトレーニング セールスとして必要な知識や経験を得るためのOJTを組み、しっかりとバックアップします。」との記載がある。 (4) 1996年11月13日 日本経済新聞 夕刊 1面 「百貨店戦争の裏側で(中)年100万円でVIP??得意客を囲い込み。」の見出しの下,「東京・渋谷の西武百貨店。正面玄関で深々と頭を下げるセールスアソシエイトの出迎えを受けた東京・調布の主婦、深沢みどりさん(32)は、ちょっぴり照れ臭そうな表情を浮かべた。 セールスアソシエイトはいわば、お得意様向け専属のプロの販売員。一緒に選んだ商品の山を、特別のフィッティングルーム(試着室)に持ち込み、あれこれアドバイスしていく。」との記載がある。 (5) 1997年11月8日 繊研新聞 6面 「【販売最前線・フリートーク】 M・H・グッドマン・ブルーミングデールズ」の見出しの下,「セールスアソシエート(販売員)のモラールを向上させるためには、その功績をしっかりと評価することが大切です。ブルーミングデールズでは、各シーズンに部門ごとに優秀なセールスアソシエートの一人か二人に『ゴールデン・B・ウイナーズ賞』を贈っています。」との記載がある。 また,繊維,デパート等の各種業界において,「販売員」や「販売スタッフ」に対する研修やセミナーも一般に行われていることは,例えば,以下の新聞記事情報(株式会社ジー・サーチの提供に係る「G-Search新聞記事情報データベース」)からもその一端をうかがい知ることができるところである。 (6) 2005年 1月25日 繊研新聞 1面 「【人材ビジネス】 販売スタッフの紹介事業 教育・研修で商品力高める 全国展開で規模拡大と「少数精鋭」に二極化」の見出しの下,「販売スタッフを主力に手掛ける人材紹介企業は、どのような戦略を打ち出しているのか。 まず、ファッションビジネスの販売スタッフ紹介で「業界最大手」とされるパーソナルは、拠点数の拡大による全国ネット化と、「認定書」を授与する独自の「接客販売・スキルアップ・トレーニング」(SST)で成長を続けている。「きもののマネキン」からスタートし、今は「総合人材ビジネス」を展開しており、テレビコマーシャルも行っている。(中略) SSTは、例えば2日間12時間のベーシックコースの場合、「接客マナー(挨拶(あいさつ)、接客話法)」「販売実務(カード、金券の取り扱い、金銭授受)」「アプローチとクロージング」「販売総合1(接客技術、話法の応用)」「販売総合2(商品知識、セールストーク)」「総合(クレームの受け方と処理)」の6段階(ステップ)があり、それぞれチェッカーが判断して上に進み、修了テスト合格者に認定書を授与する仕組み。メーカーの契約社員など、外部企業への研修も行っている。」との記載がある。 (7) 2005年 7月20日 日経流通新聞MJ 6面 「マツモトキヨシ、西日本で攻勢へ拠点、大阪に事務所??店長会議・研修に活用。」の見出しの下,「大阪事務所で実施する店員教育は各種セミナーや研修会、勉強会など。特に栄養士による販売員教育に力を入れる予定で、サプリメント(栄養補助食品)や健康に良い献立に関する知識などを教える。」との記載がある。 (8) 2004年 6月22日 日経流通新聞MJ 4面 「グランベリーモール、従業員研修費、一部を負担へ。」の見出しの下,「東急マーチャンダイジングアンドマネージメント(東京・渋谷)が運営する商業施設グランベリーモール(東京都町田市)はコンサルティング会社など五社・団体と組んでテナント従業員向けの研修講座を始めた。受講費用の一部を援助し、積極的な参加を促す。接客や配色技術、英会話など幅広い知識をもつ販売員を養成しサービス向上につなげる狙い。 パートタイマーを含む従業員約千三百人の中から希望者を募集する。講座内容はコンサルティング会社主催の売り場演出セミナーや、産業能率大学の販売士検定試験向け通信講座など。費用援助額は受講講座によって異なるが、半額から全額を支給する場合が多い。」との記載がある。 (9) 2003年6月14日 繊研新聞 1面 「営業職のスキルアップセミナー アパ産協」の見出しの下,「日本アパレル産業協会の婦人子供服販売促進委員会(落合昌男委員長)は7月24日と8月28日、東京・千駄ケ谷の津田ホールでテン・プロジェクトセミナーの番外編としてアパレル営業職向け研修会を開く。(中略)『営業職としてのセールスコーチング』をテーマに、講師はコンプリートワークスの木村和男社長。木村氏のテン・プロジェクトセミナーなどでの講演経験を生かし、専門店にとって望ましいアパレル営業担当のあり方を問題提起する。接客技術や店頭演出の基本を復習する一方、実際の店頭の画像などを見ながら問題点を出し合い、売り上げ不振に悩む取引先や販売員へのアドバイスなどを具体的に学ぶ。」との記載がある。 (10) 2001年5月19日 繊研新聞 7面 「【販売最前線】 WRAの販売力アップセミナーから」の見出しの下,「パートタイマーやアルバイト販売員の増加にともなって接客マナーや販売力の低下が目につく。教育が現場任せで本人たちが望んでも人員不足のために店長の時間がない、店長と出勤時間が重ならないパートはまともな教育体験もないなどの現状があるからだ。事態を見かねて集合研修を義務づけた商業施設もあるが、パート・アルバイトの仕事に対する意識や心構えは千差万別で戦力化は容易でない。そこで、日本専門店協会婦人服部会(WRA)の「コーディネート&販売力アップセミナー」での実践的な指導法を再現する。講師は販売員教育も手掛けるパピエ・コレ代表の森本真由美さん。」との記載がある。 以上を総合してみれば,「SALES ASSOCIATES」と「セールス・アソシエイツ」の文字よりなる本願商標は,その指定役務に使用するときは,これに接する取引者・需要者は,「販売員を養成するための知識の教授,販売員のためのセミナーの企画・運営又は開催,販売員を養成するための教育研修のための施設の提供,販売員のための研修やセミナー」という役務の質(内容)を表わしたものと理解するにとどまり,それをもって自他役務の識別標識とは認識し得ないものというべきであり,また,販売員のための役務以外の役務に使用するときは,その役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。 したがって,本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当なものであって,取り消すことができない。 なお,請求人は,登録例を挙げて本願商標も登録されるべき旨述べるところがあるが,それらは,商標の具体的構成等の点において,本件とは事案を異にするものであり,本願商標については前記のように判断すべきものであるから,当該請求人の主張は,採用することができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-09-13 |
結審通知日 | 2006-09-20 |
審決日 | 2006-10-10 |
出願番号 | 商願2004-24801(T2004-24801) |
審決分類 |
T
1
8・
272-
Z
(Y41)
T 1 8・ 13- Z (Y41) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 寺光 幸子、綾 郁奈子 |
特許庁審判長 |
田代 茂夫 |
特許庁審判官 |
山本 良廣 鈴木 雅也 |
商標の称呼 | セールスアソシエイツ、セールスアソシエーツ、セールス |
代理人 | 大原 拓也 |