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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない Y2932
管理番号 1146622 
審判番号 不服2004-12260 
総通号数 84 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-06-16 
確定日 2006-10-19 
事件の表示 商願2002-78868拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「発酵胡麻エキスEX」の文字を標準文字で書してなり、第29類「発酵させた胡麻からのエキスを加えてこれを成分の一要素とした加工野菜及び加工果実,胡麻の繊維素及び活性油脂類を主成分とする粉末状・顆粒状・カプセル状・液体状の加工食品」及び第32類「発酵させた胡麻からのエキスを加えてこれを成分の一要素とした清涼飲料・果実飲料,発酵させた胡麻からのエキスを加えてこれを成分の一要素とした飲料用野菜ジュース」を指定商品として、平成14年9月17日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由
原査定は、本願商標中の「発酵胡麻エキス」は「発酵させた胡麻のエキス(抽出物)」の意味合いを直ちに理解させるものであり、また、「EX」は商品の品番等を表示する記号・符号として普通に使用されるアルファベット文字二字の類型と認められるから、全体としても発酵させた胡麻からの抽出物を意味する語に、商品の品番等を表示する記号・符号を付加したにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないから、本願商標をその指定商品に使用しても、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないので商標法第3条第1項第6号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1) 本願商標は、前記1のとおり、「発酵胡麻エキスEX」の文字よりなり、指定商品を第29類「発酵させた胡麻からのエキスを加えてこれを成分の一要素とした加工野菜及び加工果実,胡麻の繊維素及び活性油脂類を主成分とする粉末状・顆粒状・カプセル状・液体状の加工食品」及び第32類「発酵させた胡麻からのエキスを加えてこれを成分の一要素とした清涼飲料・果実飲料,発酵させた胡麻からのエキスを加えてこれを成分の一要素とした飲料用野菜ジュース」とするものである。
そうすると、本願商標の構成前半部にある「発酵胡麻エキス」の文字部分は、その指定商品との関係からして、商品の成分である「発酵させた胡麻(から)のエキス」を表示したものであるというのが相当であるから、単に商品の原材料を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標に接する取引者・需要者も、当該文字部分については、商品の原材料である「発酵させた胡麻のエキス」を表示する語として認識するものというべきである。
また、本願商標の構成後半部にある「EX」の文字部分は、ローマ文字2字からなる極めて簡単な構成であるところ、このような表示は、商取引上商品の種類、品番等を表す記号・符号として一般的に採択、使用されており、本願商標の指定商品を取り扱う業界においても、例えば、後述のとおり使用されているのが実情であるから、本願商標に接する取引者・需要者も、当該文字部分については、商品の種類等を表示する記号・符号の類として認識するものとみるのが相当である。
すなわち、本願商標の指定商品を取り扱う業界においても、「EX」につき、以下のような使用例が存在する。
ア 2002年7月17日付け日本食糧新聞には、「「アクティオEX CoQ10&アミノ酸」発売(アサヒフードアンドヘルスケア)」の見出しの下に、「アサヒフードアンドヘルスケア(・・・)は、健康レベルをワンランク上げたい人のために高機能素材を使用したサプリメント「アクティオEX」シリーズを新展開。第1弾として、健康食品「アクティオEX CoQ10&アミノ酸」を7月15日から全国で発売した。」との記載がある。
イ 2004年4月30日付け毎日新聞(東京朝刊)には、「[毎日起業家新聞]サプリメント通信販売、一気に11品目--三和実業」の見出しの下に、「昨年から先行販売してきた健康食品「にんにく五源」、台湾の名茶でアイスでも楽しめる「高山茶」、ベータカロチンが豊富な「モロヘイヤEX」、ミツバチが作るプロポリスの純粋原液「すこやか」の四つ。」との記載がある。
ウ 「コンタクトアイ」のウェブページ(http://www.contact-eye.com/kensyoku/syouhin/reishi.html)には、「霊芝:複合キノコエキスEX」の商品説明に、「最強のキノコ=メシマコブをはじめ、霊芝・舞茸を複合。さらに、キノコの働きを活性させるビタミンC、酵母エキス、成分/連イーストを配合した機能性栄養補助食品です。」との記載がある。
エ 「株式会社コーシン」のウェブページ(http://www.koshin-v.com/herb_ex/)には、「らくらくハーブEXとは 女性特有の不快な悩みを和らげたいという思いから作られた、6種類のハーブが含まれた健康食品です。」との記載がある。
オ 「しあわせ屋どっとこむ」のウェブページ(http://www.shiawase-ya.com/berryeye01.htm)には、「「ベリー・アイEX」は、100パーセント天然の植物成分を原料とした栄養補助食品です。」との記載がある。
(2) そうとすれば、「発酵胡麻エキス」と「EX」の文字からなる本願商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者・需要者は、「発酵胡麻エキス」の文字部分を商品の原材料表示として、また、「EX」の文字部分を商品の記号・符号としてそれぞれ理解するにとどまり、全体としても自他商品の識別標識としては認識し得ないというのが相当であるから、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
(3) 請求人の主張について
ア 請求人は、胡麻を発酵させることができるのは出願人(請求人)のみであり、胡麻を発酵させることに関する特許出願もしているから、特許出願の対象物である「発酵した胡麻」は、出願人(請求人)のみが独占でき、他人は製造・販売できないのであり、そして、世の中に新しいものを出した場合には、たとえ、その品質・効能等の名称をつけても、余人には理解されないから、指定商品との関係で本願商標を使用するならば当然に自他商品の識別力がある旨主張する。
しかし、本願商標の構成中「発酵胡麻エキス」の文字部分は、前記(1)のとおり、その指定商品との関係においては、商品の原材料を表示する語として認識されるものであるから、そうである以上、たとえ胡麻を発酵させることに関する特許出願により特許権が付与され、当該特許権に基づき、当該発明の実施について独占をなし得たとしても、それのみで当然に、本願商標が自他商品の識別力を有することにはならないばかりでなく、特許権は、一定期間に限り保護が与えられるものであって、その後は何人も自由に当該発明を利用することができるのに対し、商標権は、存続期間の更新により、半永久的に保護される権利であるから、「発酵胡麻エキス」のように商品の原材料表示として認識されるにすぎない標章は、取引に際し必要適切な表示として何人にもその使用を開放しておくことが適当であって、特定人にのみ当該標章の使用を独占させるのは公益上望ましくないというべきである。
したがって、請求人の上記主張は採用できない。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げて、それらとの公平性の観点から、本願商標も自他商品の識別力を有していると解すべきである旨主張する。
しかし、それら過去の登録例は、商標の具体的構成において本願商標とは事案を異にするものであり、また、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項の規定に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、指定商品の取引の実情等を考慮し、個別具体的に判断されるべきものであるから、それらの登録例に拘束される理由はない。したがって、この点に関する請求人の主張も採用できない。
ウ 請求人は、本願商標を平成13年頃から現在まで継続して使用しており、宣伝・広告も多数にわたるから、使用による識別力が発生している旨主張するが、請求人の提出に係る証拠をもってしては、使用により識別力を有するに至った商標と認めることはできない。したがって、請求人の上記主張も採用できない。
(4) 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2006-08-21 
結審通知日 2006-08-22 
審決日 2006-09-04 
出願番号 商願2002-78868(T2002-78868) 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (Y2932)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 幸一 
特許庁審判長 高野 義三
特許庁審判官 澁谷 良雄
田村 正明
商標の称呼 ハッコーゴマエキスイイエックス、ハッコーゴマエキスエクス、ハッコーゴマエキス 
代理人 堀 城之 

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