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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 009
管理番号 1146476 
審判番号 取消2005-31079 
総通号数 84 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-12-22 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2005-08-31 
確定日 2006-10-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第4231241号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4231241号商標(以下、「本件商標」という。)は、「MobilePro」と「モバイルプロ」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成8年12月26日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気式ワックス磨き機,電気掃除機,電気ブザー,鉄道用信号機,乗り物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知機,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防車,消防艇,盗難警報器,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮き袋,エアタンク,水泳用浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター,アーク溶接機,犬笛,家庭用テレビゲームおもちゃ,金属溶断機,検卵器,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置,メトロノーム,遊園地用機械器具 」を指定商品として、平成11年1月14日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張の要点
請求人は、本件商標の指定商品中「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」ついての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び同第2号証を提出した。
(1)請求の理由
請求人の調査したところでは、本件商標は、第9類の指定商品中「電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」については、本件審判請求前3年以内には、国内において商標権者によって使用されている事実は見当たらない。
また、専用使用権者及び通常使用権者の登録もないため、使用権者による使用も考えられず、この点からも、本件商標は不使用の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中上記商品に関する登録は取消されるべきである。
(2)弁駁
ア 被請求人提出の証拠からは、本件商標が日本国内で使用されていたことの立証にはならない。
イ 被請求人は、使用商品が「携帯型パーソナルコンピュータ」であるとして乙第1号証(カタログ)を提出しているところ、仮に当該商品が「携帯型パーソナルコンピュータ」であるとしても、このカタログの裏表紙下部には「Printed in U.S.A.」の表記、および、「15 Business Park Way,Sacramento,CA95828」に住所を有する「NEC Computers Inc.」が本カタログの著作権を有する旨を表したものと容易に理解できる「2001 NEC Computers Inc.」の表記がなされているものである。
また、本カタログに用いられている言語は全て英語であって、日本語は全く使用されていない。すなわち、本カタログはあくまでアメリカ市場向けのものであって、日本市場向けのものではないことは明白である。
そうとすれば、乙第1号証によっては、本件商標が日本国内において使用されていたことの立証にはならない。
ウ また、被請求人は、関連会社NECアクセステクニカ株式会社に当該商品の製造を依頼し、その製造後に、エヌイーシーカスタムテクニカ株式会社を通して市場に提供している旨主張し、その送り状(乙第2号証の1ないし5)を提出しているが、当該送り状には本件商標の表示は全くなされていない。
被請求人は、当該送り状に表記された「MC/R550A」が当該商品の型名であると述べているが、商標法第50条第2項によって商標権者側に立証すべき義務が課されているのは、「請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていること」である。型名を使用していることが仮に立証できたとしても、それによって本件商標を使用していることを立証することにならないことは明らかである。
なお、乙第5号証の「MC/R550A MobilePro 790の装置銘板 印字構図」においては、「MC/R550A」の文字と「MobilePro」の文字が横一列に表記されていることは認められるものの、この「MC/R550A」が商品「MobilePro」の型名として実際に使用されていることには直接的には結びつくものではない。
エ 乙第7号証の梱包箱外観意匠図についても、当該梱包箱には英語のみが表記され、日本語の記載が全く見受けられない。日本の需要者向けの商品であるならば、日本語により商品の説明、各種表示がなされるのが通常である。したがって、乙第7号証からも当該商品が日本向けの商品であるとは到底考えられるものではなく、本件商標が日本国内での使用を立証することはできない。

3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論と同旨の審決を求め、答弁の理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第7号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標の使用商品(乙第1号証)は「携帯型パーソナルコンピュータ」であり、商品区分第9類の「電子応用機械器具」に該当する。
本件商標が使用されている商品は、権利者である日本電気株式会社(以下「NEC」という。)が、関連子会社であるNECアクセステクニカ株式会社(略称:NECAT 旧静岡日本電気株式会社)に製造を依頼し、NECアクセステクニカ株式会社が該商品を製造後、NECの関連子会社であるエヌイーシーカスタムテクニカ株式会社(略称:NECCT、現在のNECパーソナルプロダクツ株式会社)を通して市場に提供されているものである。そのことを証するものとして、2003年9月17日から同年9月29日までに発行された送り状(乙第2号証の1ないし5)を提出する。
また、NECアクセステクニカ株式会社及びエヌイシーカスタムテクニカ株式会社がNECの関連子会社であることを証するものとして、NECの社外ホームページの写し(乙第3号証)及び2004年度NEC有価証券報告書の写し(乙第4号証)を提出する。
乙第2号証記載の品名「MC/R550A」が、乙第5号証の「装置銘板印字構図」から明らかなように本件商標が使用されている該商品の型名として使用されていることを確認することができる。また、権利者のハウスマークである「NEC」(乙第6号証の1及び2)も同様に使用されているので、権利者であるNECの作成であることが明らかである。さらに、乙第7号証の「該商品の梱包箱外観意匠図」が示すように、本件商標が権利者のハウスマークである「NEC」と同様に梱包箱に刷り込まれている。
(2)以上の証拠から、本件商標は継続して3年以上日本国内にて「電子応用機械器具」に使用していることは明白である。

4 当審の判断
(1)被請求人提出の乙各号証によれば、以下が認められる。
ア 被請求人の商品カタログ(乙第1号証)には、表紙の表題部に「NEC MOBILEPRO 790」の表示がされるとともに、携帯型パーソナルコンピュータの現物写真が掲載され、同カタログの2枚目には、「NEC MOBILEPRO 790 SPECIFICATIONS」として、「ORDER CODE」の欄に「MC/R550A」の記載がある。そして、その頁の右下に、「Printed in U.S.A.5/01」との記載が認められる。
イ 送り状の写し(乙第2号証の1ないし同5)には、いずれも、発送元として「NECAT」、納入先として「NECCT米沢」、品名の欄には「MC/R550A」が記載されている。
そして、前記のほか、乙2の1には、発行「2003年9月17日」、納入数「60」、箱数「12」、摘要(指定)に「到着予定日時030918/08:30」との記載、乙2の2には、発行「2003年9月18日」、納入数「60」、箱数「12」、摘要(指定)に「到着予定日時030919/08:30」との記載、乙2の3には、発行「2003年9月19日」、納入数「100」、箱数「20」、摘要(指定)に「到着予定日時030916/08:30」との記載、乙2の4には、発行「2003年9月22日」、納入数「40」、箱数「8」、摘要(指定)に「到着予定日時030924/08:30」との記載、乙2の5には、発行「2003年9月29日」、納入数「3」、箱数「1」、摘要(指定)に「到着予定日時030930/08:30」との記載がそれぞれ認められ、前記年月日に品名「MC/R550A」の納品がなされたものと推認し得る。
ウ 被請求人のホームページ写し(乙第3号証)の会社概要の「国内NECグループ会社(五十音順)」には、「NECアクセステクニカ」及び「NECパーソナルプロダクツ」の記載があり、また、被請求人の平成16年度「有価証券報告書」(乙第4号証)には、連結子会社として「NECアクセステクニカ(株)」及び「NECパーソナルプロダクツ(株)」の記載が認められる。
エ 「装置銘板印字構図」(乙第5号証)には、「NEC」とともに「MC/R550A MobilePro 790」の表示を認めることができる。
(2)上記において、型名(品名)を表したと認められる「MC/R550A」が、乙1、乙2、乙5に一貫して使用されている共通記号であり、これらよりすれば、「MobilePro」あるいは「MOBILEPRO」を使用した「MC/R550A型の携帯型パーソナルコンピュータ」が製造され、引き渡されたと優に推認することができる。
(3)本件商標は、「MobilePro」の文字と「モバイルプロ」の文字を上下二段に横書きした構成であるところ、使用に係る商標は、「MobilePro」あるいは「MOBILEPRO」である。しかして、使用に係る商標は、片仮名文字部分を欠くとしても、本件商標の構成文字中の欧文字と同一の綴りであり、かつ、その称呼「モバイルプロ」も片仮名文字と共通にしており、観念上変動を来したともいえないから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標と判断するのが相当である。
(4)乙第3号証及び同第4号証と被請求人の主張を併せみれば、上記のNECアクセステクニカ株式会社及びエヌイーシーカスタムテクニカ株式会社(現NECパーソナルプロダクツ株式会社)は、許諾の形式は定かではないが、本件商標について商標権者から使用を許諾された者(通常使用権者)と認め得る者である。
(5)以上によれば、本件商標は、取消請求に係る指定商品中の一と認められる商品「携帯型パーソナルコンピュータ(電子応用機械器具)」について、本件審判請求の登録前3年以内の時期に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、通常使用権者によって使用されていたと認めることができる。
(6)なお、請求人は、カタログ及び梱包箱が英文のみであり、当該商品はアメリカ市場向けのものであって、日本市場向けのものではないから、日本国内での使用に当たらない旨主張する。
確かに、乙第1号証のカタログはアメリカで印刷された英文のものであり、仮に、本件商標を使用した商品がアメリカ市場において販売されることを目的として製造されたものであるとしても、前記通常使用権者が当該商品に本件商標を付す行為、そして、それを引き渡し等する行為は、日本国内での使用と認めて差し支えないというべきであるから、当該主張は、前記判断を左右し得ない。
(7)したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが指定商品について使用をしていないものには該当しないから、商標法第50条第1項により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2006-05-12 
結審通知日 2006-05-18 
審決日 2006-06-02 
出願番号 商願平8-146587 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (009)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 山口 烈
特許庁審判官 伊藤 三男
山本 良廣
登録日 1999-01-14 
登録番号 商標登録第4231241号(T4231241) 
商標の称呼 モバイルプロ、モビールプロ 
代理人 鈴江 武彦 
代理人 石川 義雄 
代理人 工藤 雅司 
代理人 谷澤 靖久 
代理人 小出 俊實 
代理人 机 昌彦 

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