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審決分類 審判 査定不服 商6条一商標一出願 取り消して登録 Y19
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 Y19
管理番号 1145181 
審判番号 不服2005-13238 
総通号数 83 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-11-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-07-11 
確定日 2006-10-30 
事件の表示 商願2004-25621拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「ecoボール」の文字を標準文字で表してなり、第19類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年3月18日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、同16年11月17日付け手続補正書により補正され、さらに当審において、同18年9月22日付け手続補正書により、第19類「ガス管又は水道管の管工事で地盤に形成した掘削坑の崩壊防止用のプラスチック製の仮埋戻し材料,ガス管又は水道管の管工事で地盤に形成した掘削坑の崩壊防止用のプラスチック製の仮埋戻し材料を通水性のある網袋に複数個詰めてなる仮埋戻し用材料」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由(要旨)
(1)本願の指定商品は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。したがって、本願は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。
(2)引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第3313755号商標(以下「引用商標」という。)は、「エコボール」の片仮名文字を横書きにしてなり、平成7年4月27日に登録出願され、第19類「合成建築専用材料」を指定商品として、同9年5月23日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)指定商品の記載
本願に係る指定商品は、上記1のとおり補正された結果、商品の内容及び範囲が明確で、かつ、政令で定める商品及び役務の区分に従ったものになり、商標法第6条第1項の要件を具備するものとなった。
(2)商標の類否及び指定商品の類否
(ア)商標の類否について
本願商標は、「ecoボール」の文字よりなるところ、その構成文字に相応して「エコボール」の称呼を生ずるものであり、特定の観念を有しない一種の造語よりなるものというのが相当である。
他方、引用商標は、上記2(2)のとおりの構成よりなるものであるところ、これよりは、「エコボール」の称呼を生ずるものであって、特定の観念を有しない一種の造語よりなるものというのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標は、「エコボール」の称呼を共通にする類似の商標であるといわざるを得ない。
(イ)本願の指定商品と引用商標に係る指定商品の類否について
原査定においては、本願商標の指定商品「ガス管又は水道管の管工事で地盤に形成した掘削坑を仮埋めする略球状でプラスチック製の仮埋戻し材,ガス管又は水道管の管工事で地盤に形成した掘削坑を仮埋めする略球状でプラスチック製の仮埋戻し材を通水性のある網袋に複数個詰めてなる仮埋戻し用充てん材」と、引用商標の指定商品「合成建築専用材料」は、同一又は類似の商品と認められるものである旨、認定、判断している。
ところで、個別具体的な商品にあっては、指定商品が類似のものであるかどうかは、商品自体が取引上誤認混同のおそれがあるかどうかにより判定すべきものではなく、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときに、同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認されるおそれがあると認められる関係にある場合に、それらの商品は商標法第4条第1項第11号にいう類似の商品に当たると解するのが相当である。(最高裁昭和33年(オ)第1104号参照)
これを踏まえて、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否についてみるに、願書に添付された「指定商品の説明書」、平成16年11月17日付け提出の「意見書」及び同17年10月3日付け提出の「審判請求の理由」を徴するに、本願の指定商品は、「土木工事の際に地盤に形成した掘削坑を一旦埋戻し仮舗装する場合に、その掘削坑を充てんするために用いられる合成樹脂製の成形体」と「その仮埋戻し材料(合成樹脂製の成形体)を複数個をまとめて網袋に詰め込んだもの」であって、平成16年11月17日付け手続補正書によって補正された結果、これらは「ガス管又は水道管の管工事」用のものとして特定され、さらに同18年9月22日付け手続補正書により、「ガス管又は水道管の管工事で地盤に形成した掘削坑の崩壊防止用のプラスチック製の仮埋戻し材料,ガス管又は水道管の管工事で地盤に形成した掘削坑の崩壊防止用のプラスチック製の仮埋戻し材料を通水性のある網袋に複数個詰めてなる仮埋戻し用材料」に補正されている。
ガス管・水道管の取り替え工事を行う際には、ガス・水道の供給を遮断しないために、道路を掘削して作業を行い、仮に埋め戻し、また掘削するという作業を数回に渡って行う場合があり、本願指定商品は、仮埋め戻しの際に、掘削坑の崩壊防止のために土砂の代用品として使用されるものであって、ごく限られた用途において使用される特殊な商品である。
そして、本願指定商品は、請求人会社(他1名)によって平成14年11月25日に特許出願され同17年に審査請求されているものであることも考慮すると、本願指定商品を製造・販売している業者は請求人以外にはないものと推察され、また、当審において調査しても、同様の機能を有する商品は見当たらないところ、ガス・水道工事に使用される本願指定商品と同様の材質及び機能を有する商品と「合成建築専用材料(例えば「せっこう板・セメント板・発泡樹脂板・吸音板・断熱材・窯業系サイディング」等の汎用性のある建築用の内・外装材)」とが、同業者において製造販売されている事実も発見できない。
してみれば、上記のとおり、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、商品の生産部門や販売部門、原材料及び品質、用途等が一致しておらず、完成品と部品との関係にもないから、互いに類似するものと認めることのできない非類似の商品というべきであり、かつ、これらの商品に同一又は類似の商標を使用しても、同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認されるおそれがあるとまではいえないというべきである。
(3)むすび
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号及び同法第6条第1項に該当するとした原査定の拒絶の理由は妥当でなく、原査定は、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2006-10-19 
出願番号 商願2004-25621(T2004-25621) 
審決分類 T 1 8・ 262- WY (Y19)
T 1 8・ 91- WY (Y19)
最終処分 成立  
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 山口 烈
特許庁審判官 海老名 友子
小林 由美子
商標の称呼 エコボール、エコ、イイシイオオ 
代理人 大竹 正悟 

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