ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
---|---|---|
取消200630406 | 審決 | 商標 |
取消200630440 | 審決 | 商標 |
取消200130249 | 審決 | 商標 |
取消200630137 | 審決 | 商標 |
取消200530900 | 審決 | 商標 |
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 10330 |
---|---|
管理番号 | 1145138 |
審判番号 | 取消2005-31471 |
総通号数 | 83 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2006-11-24 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2005-12-02 |
確定日 | 2006-10-02 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2602705号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第2602705号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおり、やや図案化された「DAITO」の文字、一本の細い横線及び「ダイト株式会社」の文字を3段に書してなる構成よりなり、平成3年12月12日に登録出願、第4類「せっけん類(薬剤に属するものを除く)歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として平成5年11月30日に設定登録され、その後、平成15年12月2日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに平成16年11月17日に指定商品を第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」とする書換登録がされているものである。 2 請求人の主張の要点 請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出している。 (1)請求の理由 本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者又はその使用権者のいずれによっても使用されていない。 したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取消されるべきである。 (2)弁駁の理由 (ア)被請求人は、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標である旨主張している。 しかしながら、使用商標は、本件商標と社会通念上同一と認められない商標である。以下に理由を述べる。 (イ)本件商標の態様 本件商標は、上段に欧文字の「DAITO」が横書きされているが、文字サイズは先頭の「D」のみが他の文字よりもやや大きく記されている。また、「D」と「ITO」の間に記された図案化部分は「A」を図案化したものと推測される。 この欧文字の「DAITO」の下に左右に延びる直線を挟んで、最下段に被請求人の法人名である「ダイト株式会社」が横書きされている。 また、本件商標の全体構成において看取される点は、欧文字「DAITO」の部分が、「ダイト株式会社」の文字に比べて大きく顕著に表されている点であり、縦が約3.6倍、横が約1.48倍となっている。そして、2つの文字列と横直線は左先頭部が左右位置に合わせてあり、全体として1つのデザインとしてまとまっている。 (ウ)使用商標の態様 使用商標は、別掲2ないし4(使用商標(1)ないし(3))の態様よりなるものであって、欧文字を主体とする「DAITO」の部分及び「ダイト株式会社」の片仮名漢字文字を横並びの一連のものとして表示している。 そして、文字のサイズは、「DAITO」の文字の「D」の文字のみが他の文字よりもやや大きく表示されているが、「AITO」の文字、それに連続する「ダイト株式会社」の文字はほぼ同サイズに表示されている。また、使用商標(1)及び(2)は、「ダイト株式会社」の文字については色彩を変え、縁取りした文字として表示されている。 (エ)本件商標と使用商標の社会通念上の同一性について 本件商標と使用商標は、ともに「DAITO」の文字及び「ダイト株式会社」の文字を含んでおり、当該それぞれの文字部分については、両商標は同一性を有しているものと考えられる。 しかしながら、本件商標は、上段に欧文字の語を記し、その下段にその語の読みを日本語文字で表記したような単純な2段表記の構成ではなく、デザイン化された「A」の文字を生かした欧文字部分と社名を示した日本語文字部分を、商標全体のバランスを考慮して文字の種類によって文字サイズを変え配置し、さらに、左右の水平な直線によって、2つの横書き文字を仕切っている構成が取られている。少なくとも、本件商標に関しては、その構成要素を切り離して個別に使用することを考慮した、単純な2段書き商標ではなく、常に全体としての文字配置、文字サイズがある程度保持されてはじめて、識別性に影響を与えない範囲の商標の使用が可能になる商標であると思料する。 使用商標は、「DAITO」の文字及び「ダイト株式会社」の文字を一連に横書きし、かつ「DAITO」の文字と「ダイト株式会社」の文字とをほぼ同じ大きさで表している。このように、使用商標は、本件商標に対し、文字のサイズのバランスを変え、左右に延びる直線を削除し、直線に仕切られて上下に頭文字の位置を揃えて記された配置を横一連に変更しているものである。 また、「ダイト株式会社」の文字は、それ自体識別力のある文字であり、欧文字を主体とする「DAITO」の部分に対して付記的な部分にすぎないともいえない。 したがって、このような文字サイズ、配置バランス、構成要素の削除などの変更は、商標の外観を大きく変更するものであり、その結果、商標の全体判断において識別性に影響を与えているものである。 よって、使用商標は、本件商標に対し、社会通念上の同一性を失っている範囲の商標であると考える。 なお、本件商標のように、各文字や直線などの要素を一定のコンセプトを持って配置した商標は、全体として1つのデザイン化された商標と考えられ、個々の要素を抜き出して相互の対比を行うことには妥当性がないと思料する。 以上のように、本件商標と使用商標とは全体観察において顕著な相違を有するものであり、両商標は社会通念上同一の商標ということはできない。 また、商標法第50条第1項に例示された、登録商標と社会通念上同一と認められる商標である「書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標、外観において同視される図形からなる商標」を考慮しても、使用商標はこの様な同一性の有る商標の例示レベルを明らかに超えるものであり、登録商標の使用がなされているものではない。 (オ)以上のとおり、使用商標は本件商標に対して社会通念上同一性を有さず、本件商標の使用は証明されていない。 3 被請求人の答弁の要点 被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第10号証を提出している。 本件商標は、商標権者により、本件商標の指定商品中「化粧品」に属する商品「クリーム」に関し、継続して、本件審判の予告登録の日(平成17年12月21日)前3年以内に、日本国内において使用されており、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものではない。 4 当審の判断 (1)被請求人の提出に係る証拠によれば、次の事実が認められる。 (ア)本件商標が使用されている商品「クリーム」(以下「本件商品」という。)の包装用容器には、「Q10」、「cream」、「潤源」、「ヒアルロン酸 コラーゲン配合」、<クリーム>、「35g」等の文字が記載され、その包装用箱には、これらの文字に加え、使用方法、成分、注意事項等が記載されている(乙第1号証及び乙第2号証)。 (イ)本件商品に関するパンフレットには、上記包装用容器及び包装用箱の写真が掲載されると共に、「Q10」、「cream」及び「潤源」の文字が目立つように記載され、また、「あなたの肌に潤い・ハリ・ツヤ」、「若々しく美しい肌ケアをサポート」等の文字や商品の説明文が記載されている。さらに、説明文の下段に、使用商標が、やや大きく表示されている(乙第3号証ないし乙第6号証)。 (ウ)上記(イ)にいうパンフレットについては、平成17年3月20日及び同年7月20日に株式会社薬日新聞社から被請求人に対して納入代金の請求がされた(乙第7号証及び乙第8号証)。また、本件商品は、上記パンフレットを付してトモエ仁盛堂薬品株式会社及びイワタ薬品株式会社に販売され、前者に対しては平成17年9月30日締で、後者に対しては同年11月20日締で被請求人から請求書が発行されており、これら被請求人発行の請求書には、使用商標が大きく表示され、その下部に住所等が小さく記載されている(乙第9号証及び乙第10号証)。 (2)以上の認定事実によれば、本件商品は、その包装用容器及び包装用箱の記載並びにパンフレットの記載内容からして化粧品の範疇に属する商品「クリーム」と認められるほか、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内の期間内に、本件商品を販売すると共に本件商品に係るパンフレットを頒布していたことが認められる。そして、そのパンフレット及び取引書類といい得る請求書には、使用商標が表されていることが認められる。 (3)本件商標と使用商標の社会通念上の同一性について 登録商標は、商取引の実際においては、例えば、書体を変更したり、他の文字等を付記する等その表示態様について少なからぬ変更が加えられて使用されることがむしろ通常であるから、その変更により外観が必ずしも登録商標と酷似するとはいえない商標であっても、それが登録商標の表示態様において基本をなす部分を変更するものでなく、当該登録商標が有する独自の識別性に影響を与えない限度にとどまるものであるときは、その商標の使用をもって「登録商標の使用」とみるべきである。 これを本件についてみると、本件商標は、やや図案化された「DAITO」の文字、一本の細い横線及び「ダイト株式会社」の文字を3段に書してなる構成よりなるところ、「DAITO」の文字部分と「ダイト株式会社」の文字部分とは、欧文字表記と片仮名漢字表記の差異を有していること、大きさが相違していること及び段が相違して表示されていることから、両者は外観上判然と区別し得るものである。 一方、使用商標は、「DAITOダイト株式会社」の文字を一連に書してなるところ、「DAITO」の文字部分と「ダイト株式会社」の文字部分とは、欧文字表記と片仮名漢字表記の差異を有することから、両者は外観上判然と区別し得るものである。 そうとすれば、両商標の「DAITO」の文字部分と「ダイト株式会社」の文字部分とは、それぞれ独立して自他商品の識別標識となり得るものである。 しかして、両商標構成中の「DAITO」の文字部分及び「ダイト株式会社」の文字部分は、それぞれ同一の文字よりなるものであり、また、ほぼ同一の態様よりなるものである。さらに、本件商標の、これら両文字を一本の細い横線で上下に分断してなる構成自体は、商標の同一性の判断にさほど影響を及ぼすものとはいえない。 そうとすれば、両商標は、社会通念上同一といい得るものである。 (4)以上を総合勘案すると、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、商標権者によって、その指定商品に属する「クリーム」について使用されていたものというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 1 本件商標 2 使用商標(1) (色彩は原本参照) 3 使用商標(2) (色彩は原本参照) 4 使用商標(3) |
審理終結日 | 2006-07-28 |
結審通知日 | 2006-08-03 |
審決日 | 2006-08-22 |
出願番号 | 商願平3-128799 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Y
(10330)
|
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 和田 恵美、中村 俊男 |
特許庁審判長 |
高野 義三 |
特許庁審判官 |
中村 謙三 井岡 賢一 |
登録日 | 1993-11-30 |
登録番号 | 商標登録第2602705号(T2602705) |
商標の称呼 | ダイト |
代理人 | 特許業務法人松田特許事務所 |
代理人 | 江藤 聡明 |