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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y09111920
審判 全部申立て  登録を維持 Y09111920
管理番号 1141997 
異議申立番号 異議2005-90616 
総通号数 81 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2006-09-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2005-12-05 
確定日 2006-07-18 
異議申立件数
事件の表示 登録第4891326号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4891326号商標の登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4891326号商標(以下「本件商標」という。)は、「スケルトンインサイド」の文字を標準文字で書してなり、平成16年12月17日に登録出願、第9類、第11類、第19類及び第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年9月2日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立て理由(要旨)
(1)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、「スケルトンインサイド」の文字よりなるものであるから、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の商品及び役務の出所識別標識として著名な「intel/inside」の文字よりなる引用商標(甲第2、66号証)、これらの文字を構成中に含む引用商標(甲第3ないし6号証、甲第67ないし70号証)、さらには、「THE COMPUTER INSIDE」、「THE JOURNEY INSIDE」、「CELERON INSIDE」、「XEON INSIDE」、「PENTIUM INSIDE」、「INTEL XEON INSIDE」、「INTEL PENTIUM D INSIDE」、「INTEL CORE DUO INSIDE」、「INTEL CORE SOLO INSIDE」の文字からなる引用商標(甲第7ないし9号証、甲第83ないし89号証)に共通して用いられている「----INSIDE」(「----インサイド」)のファミリー商標の形式と同じ形式を採択している。
申立人は、世界最大の半導体製品メーカーとして、また、コンピュータ及び電気通信関連製品の開発・製造者として広く知られている。「----INSIDE」の形式よりなるファミリー商標は、「intel/inside」商標の世界的な著名性と相まって、申立人の商品及び役務の出所表示として取引者、需要者に広く認識されている(甲第2ないし95号証)。
本件商標の指定商品は、申立人が取り扱う半導体製品並びに半導体製品を主要部品として内臓し、これによって制御される電子機器を多く包含する。さらに、本件商標の指定商品は、申立人及び申立人から使用許諾を受けたライセンシーが引用商標「intel/inside」等のファミリー商標を使用するコンピュータ及びネットワーク通信関連の商品と同一又は類似の商品を多く包含する。
したがって、「----INSIDE」の形式より構成される本件商標がその指定商品に使用された場合は、申立人又は申立人と経済的若しくは組織的な関係を有する者の取扱いに係る商品であると誤信され、その出所について混同を生ずるおそれがある。
(2)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、申立人の商品及び役務の出所表示として取引者、需要者に広く知られている「----INSIDE」の形式の知名度を不当に利用するものであるから、申立人による資本投下と営業努力によって獲得された著名商標「intel/inside」及び「----INSIDE」の形式の商標の顧客吸引力に便乗するものといわざるを得ない。
また、申立人と無関係の商標権者によって、本件商標が指定商品に使用されれば、著名商標「intel/inside」等の強大な出所表示機能が希釈化し、その資産的価値が低下し、申立人に損害を与えることは避けられない。
したがって、本件商標の登録及び使用は、公正な商取引秩序の維持を旨とする商標法の精神、周知著名商標に与えられる国際レベルの保護、さらには国際信義に反することが明白であり、公序良俗に反する。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第15号について
申立人が半導体製品等について使用する別掲の商標に代表される「intel/inside」の構成文字を主要部とする商標は、著名なものと認めることができる。また、「intel/inside」の文字構成と「INTEL INSIDE」の文字構成とは、商品又は役務の識別標識としてみた場合、実質的に同一ということができる。
しかし、申立人の引用する上記商標以外の例えば、「THE COMPUTER INSIDE」の構成文字よりなる商標又は「THE JOURNEY INSIDE」の構成文字よりなる商標等が申立人により使用されていること以上に、「----INSIDE」(「----インサイド」)形式の商標として、本件商標の指定商品にかかる取引者、需要者の間において、申立人に係る商品又は役務の特有な構成文字型式になる識別標識として広く知られ、周知又は著名なものとなっていた事実を認めるに足りる証左は見出せない。
加えて、上記著名と認められる申立人の「intel inside」(INTEL INSIDE)の構成文字からなる商標は、これより「intel(INTEL)が内部に入っている」との意味合いを理解させることが多いものということができることからすると、その構成中、「inside」(INSIDE)の文字部分よりも、むしろ、申立人の著名な略称ないしは商標として認識される「intel」(INTEL)の文字部分が強い識別力を有しているといえる。
そうすると、申立人の「intel inside」(INTEL INSIDE)の構成文字よりなる商標が著名であるとしても、その「intel」(INTEL)の文字部分を他の語に置き換えた「----inside(INSIDE)」の形式を採用している商標のすべてが、単にこの形式の商標であるという文字構成のみによって、申立人との関わりがある商標として取引者、需要者に認識されるものと判断するのは困難であるといわなければならない。
してみれば、本件商標は前記のとおり、「スケルトンインサイド」と片仮名で一連一体に書されているものであり、別掲の商標ないしは「intel inside」(INTEL INSIDE)の構成文字よりなる商標とは、その構成文字において、前段の「スケルトン」と「intel」(INTEL)というまったく異なる構成文字よりなるものであるから、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、申立人又は申立人と経済的若しくは組織的な関係を有する者の取扱いに係る商品であるかのように、その出所について混同を生じさせるおそれがある商標ということはできない。
(2)商標法第4条第1項第7号について
上述のとおり、申立人の「intel inside」(INTEL INSIDE)の構成文字よりなる商標が著名なものであると認められるとしても、これら以外の申立人の引用する「THE COMPUTER INSIDE」の構成文字よりなる商標、「THE JOURNEY INSIDE」の構成文字よりなる商標等は、必ずしもすべてが周知又は著名な商標と認められず、かつ「----INSIDE」の形式になるものが特有な構成からなる商標と理解・認識され、申立人の商品又は役務の出所表示として取引者、需要者に広く知られているということができない。
そして、本件商標は、これを使用することにより申立人の「intel inside」(INTEL INSIDE)の構成文字よりなる商標の出所表示機能が希釈化して、その資産的価値が低下することや、さらには国際信義に反するということもできないから、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標とすることはできない。
(3)むすび
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 <別掲>


異議決定日 2006-06-28 
出願番号 商願2004-115401(T2004-115401) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (Y09111920)
T 1 651・ 271- Y (Y09111920)
最終処分 維持  
前審関与審査官 松田 訓子 
特許庁審判長 高野 義三
特許庁審判官 中村 謙三
井岡 賢一
登録日 2005-09-02 
登録番号 商標登録第4891326号(T4891326) 
権利者 松下電工株式会社
商標の称呼 スケルトンインサイド 
代理人 中熊 眞由美 
代理人 柳田 征史 
代理人 佐久間 剛 

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