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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y19
審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y19
管理番号 1141931 
異議申立番号 異議2005-90637 
総通号数 81 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2006-09-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2005-12-16 
確定日 2006-07-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第4895595号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4895595号商標の商標登録を取り消す。
理由 1 本件商標
本件登録第4895595号商標(以下「本件商標」という。)は、「スクリーンパネル」の片仮名文字を標準文字で書してなり、第19類「建築用又は構築用の非金属鉱物,陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物,リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,繊維製の落石防止網,建造物組立セット(金属製のものを除く。),セメント及びその製品,木材,石材,建築用ガラス,貯蔵槽類(金属製又はプラスチック製のものを除く。),石製郵便受け,建具(金属製のものを除く。),灯ろう,可搬式家庭用温室(金属製のものを除く。),石製彫刻,コンクリート製彫刻,大理石製彫刻,鉱物性基礎材料」を指定商品として、平成16年11月8日に登録出願され、同17年9月16日に設定登録されたものである。

2 当審が通知した取消理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の提出に係る甲第2号証によれば、本件商標中の「スクリーン」の文字部分は、「映写幕」の意味のほか、「仕切り」、「遮蔽物」を意味する語であり、また、「パネル」の文字部分は、「羽目板」を意味する語と認められ、いずれも上記意味を有するものとして一般によく知られているものであるところから、本件商標は、全体として「仕切り用パネル」あるいは「遮蔽用パネル」なる意味合いを表したと容易に理解されるとみるのが相当である。
そして、甲第3号証ないし甲第13号証によれば、本件商標の指定商品を取り扱う建築業界等の分野において、「スクリーン」の語が、「仕切り」、「遮断物」を意味するものとして使用され、「パネル」の語が、上記意味合いを有するものとして使用されている(例えば、甲第8号証及び甲第10号証)ばかりでなく、これを一連にした「スクリーンパネル」の語が、「仕切り用パネル」あるいは「遮蔽用パネル」について使用されている事実が認められる(甲第9号証及び甲第11号証ないし甲第13号証)。
上記建築業界の取引の実情よりすれば、「スクリーンパネル」の文字よりなる本件商標をその指定商品中の「仕切り用パネル」、「遮蔽用パネル」について使用した場合は、単に商品の品質、効能、用途等を表示するにすぎないものといわざるを得ない。
また、本件商標を上記の商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して、登録されたものである。

3 商標権者の意見
申立人の提出した甲第2号証及び甲第4号証にも明らかなように、「スクリーン」には、「衝立、扉風、遮蔽物」という意味のみならず「映写幕、映画、映画界、製版用の網目、テレビやレーダー受信機などの映像画面」といった意があるが、映画が極めて身近な娯楽であることから、一般の日本人にとっては「スクリーン」という語は、「映写幕、映像画面」という意味の方が馴染み深いと考えられる。そして、近年では大画面で映画のビデオ等を楽しむために、一般家屋内でも映写幕を備え付ける家庭もあるため、建築業界の末端の需要者である家を購入する人々や、建物の内装を改修しようとする人々が「スクリーンパネル」と聞いた時には、「仕切り用パネル」又は「遮蔽用パネル」よりも「映写幕として用いられるパネル」を思い浮かべるのが自然である。このように複数の意味合いを有し、全ての人にとって一義的な意味を確定できない語は、商品の品質を表示する語としては不適切である。
かかる認識が市場においてあるからこそ、
(1)Nichibe社のカタログには、「スクリーンパネル」に「ついたて式間仕切り」という言葉が商品の説明として併記されている(http://www.pia1iving.com/sukur1-nnpaneru.htm)。
(2)設計施工資料「スクリーンパネル(2400タイプ)」には、「スクリーンパネルは内装用の間仕切部材です」との断りが入れられている(http://www.woodtec.co.jp/sekei.pdf/screen.pdf)。
(3)SURROUNDING【壁】においては、「スクリーンパネル」の語は、間仕切りの中でも特に「映像・絵画を一部に含んだ壁」を指すものとして使用されている(http://www.fuso‐kogyo.co.jp/kabe.htm)。
と考えられる。
また、甲第9号証に掲載されている「スクリーンパネル」は、「目隠し」だけでなく「鉢植えなどをハンギングして外観の意匠性をアップさせる」機能及び「掃除道具も掛けられる」機能を強調しているのに対し、甲第11号証ないし甲第13号証に掲載されている「スクリーンパネル」には、そのような機能は記載されていない。加えて、甲第9号証の「スクリーンパネル」はカーポートの目隠しであり、甲第11号証のそれは玄関の目隠しであり、甲第12号証のそれは敷地のフェンス兼目隠し又はバルコニーのフェンスの一部であり、甲第13号証のそれは外装材の一種であるというように、その用途は多様である。
以上の事実にかんがみれば、「スクリーンパネル」をどのような品質・効能・用途等商品を表すものとして使用するのかは、当該語を使用する者の任意であり、「スクリーンパネル」が一義的な意味を有する「仕切り用パネル」又は「遮蔽用パネル」のことを表しているとはいえない。すなわち、異議申立人により提出された各証拠は、「スクリーンパネル」という語が使用されているという例を表しているのみで、「スクリーンパネル」=「仕切り用パネル」又は「遮蔽用パネル」であることを示す証拠とはならないと考える。
以上のことから、「スクリーンパネル」からは、「仕切り用パネル」又は「遮蔽用パネル」という意味が一義的に生じるとは到底言えないと考える。 よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号には該当しない。

4 当審の判断
本件商標は、前記2(取消理由の通知)で認定したとおり、その指定商品中の「仕切り用パネル」、「遮蔽用パネル」について使用した場合は、単に商品の品質、効能、用途等を表示するにすぎず、また、本件商標を上記の商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するというのが相当である。
商標権者は、建築業界の末端の需要者である家を購入する人々や、建物の内装を改修しようとする人々が「スクリーンパネル」と聞いた時には、「仕切り用パネル」又は「遮蔽用パネル」よりも「映写幕として用いられるパネル」を思い浮かべるのが自然である旨主張している。
しかしながら、「スクリーン」が「映写幕」の意味をも有する語として知られているとしても、同時に「間仕切り、遮蔽物」を意味する語としても知られているものであり、複数の意味合いを有する語であっても、ある商品を購入するにあたっての需要者は、当然に商品との関係で当該語の意味合いを理解するというのが相当であるところ、「スクリーンパネル」の文字自体は、本件商標の指定商品を取り扱う業界においては、前記2のとおり、「仕切り用パネル」あるいは「遮蔽用パネル」について使用し、知られているものであるから、これに接する需要者は、これらの商品の品質を表すものとして認識するというべきである。したがって、その主張は、採用することができない。
また、請求人は、申立人提出の証拠によっては、玄関用やフェンス用の目隠し、間仕切りなどというように、多様な商品に使用されていることから、「仕切り用パネル」又は「遮蔽用パネル」という意味が一義的に生じない旨主張しているが、たとえ、複数の商品の品質を表す語として使用されているとしても、需要者は、それぞれの商品の品質等の意味合いを認識するというべきであって、そのような語を商標として採択しても、自他商品の識別標識としての機能を有しないことは明らかであるから、この点に関する商標権者の主張も採用することができない。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2006-05-19 
出願番号 商願2004-101732(T2004-101732) 
審決分類 T 1 651・ 13- Z (Y19)
T 1 651・ 272- Z (Y19)
最終処分 取消  
前審関与審査官 平松 和雄 
特許庁審判長 田代 茂夫
特許庁審判官 藤平 良二
内山 進
登録日 2005-09-16 
登録番号 商標登録第4895595号(T4895595) 
権利者 株式会社ウッドワン
商標の称呼 スクリーンパネル 
代理人 岡村 憲佑 
代理人 山広 宗則 
代理人 岩本 牧子 

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