• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z05
管理番号 1141722 
審判番号 取消2005-30759 
総通号数 81 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-09-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2005-06-24 
確定日 2006-07-25 
事件の表示 上記当事者間の登録第4490339号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4490339号商標(以下「本件商標」という。)は、「パルスター」と「PALSTAR」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成12年5月30日に登録出願、第5類「薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,医療用腕環,人工受精用精液,乳児用粉乳,乳糖,はえ取り紙,防虫紙」を指定商品として、平成13年7月13日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
被請求人は、本件商標を、上記指定商品について継続して3年以上日本国内において使用していない。また、本件商標について専用使用権者は存在せず、また通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。
したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品につき使用されていないものである。
よって、本件商標は、商標法第50条第1項に規定に基づき、その登録を取り消されるものである。

3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第3号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)被請求人は、本件商標の不使用については、指定商品のうち「薬剤」について下記のとおり商標法第50条第2項ただし書きにいう正当理由が存在する。
(2)すなわち、被請求人は、本件商標を指定商品のうち「薬剤」について、詳しくは「インドメタシンを配合した消炎鎮痛剤」について使用することを予定し、本件商標の設定登録後の平成15年12月25日付けで医薬品製造承認申請を行っている。その申請書に記載された製品の名称は「パルスターAゼリー」及び「パルスターA液」であるが、その構成部分のうち「Aゼリー」や「A液」の文字は、アルファベット1文字と製品の品質を示す語を組み合わせたにすぎないものであるから、名称の要部は「パルスター」であって、本件商標と一致することは明らかである。
そして、上記医薬品製造承認申請は、平成17年3月22日付けのごく最近にようやく承認が下りたものである。してみると、本件審判請求日が平成17年6月24日であるから、上記製造承認が下りてから僅か3ヶ月ほどで本件審判請求がされたことになる。いうまでもなく、「医薬品」は、薬事法第14条第1項規定の製造承認がなされるまでは法律上製造販売することは許されないので、医薬品製造業者としては上記製造承認が下りるまでは具体的な実施ができない。また、上記製造承認がなされてから僅か数ヶ月では具体的な商標の使用をすることは現実的に不可能である。
したがって、本件商標は、指定商品のうち「薬剤」について、上記製造承認がなされるまでは当然に使用ができなかった訳であって、かつ、上記製造承認後も相当な準備期間が経過している訳でもないので、商標法第50条第2項ただし書きにいう審判の請求の登録前3年以内の不使用について正当理由が存在することは明らかである。
なお、念のため、被請求人による製品化の現状について申し添えると、被請求人は、上記製造承認された消炎鎮痛剤「パルスターAゼリー」「パルスターA液」を具体的に製品化するべく、取引先に製品化の告知をするなどの準備を進めている最中である。
(3)よって、上述した如く、本審判請求の登録前3年以内の不使用については、指定商品のうち「薬剤」について、上記薬事法による医薬品製造承認申請の承認がごく最近に下りたばかりであるという正当理由(商標法第50条第2項ただし書き)が存在するため、本件商標は、商標法第50条の取消審判によって取り消されるべきではない。

4 当審の判断
(1)商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、被請求人において、その請求に係る指定商品について当該登録商標の使用をしていることを証明するか、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない(同条第2項)。
(2)しかるところ、乙第2号証ないし同第3号証(枝番を含む。)によれば、被請求人は、平成15年12月25日付けで、提出先を厚生労働省として、医薬品について薬事法に基づく製造承認の申請をしたこと、そして、同申請書の販売名欄には「パルスターAゼリー」(乙2号証)及び「パルスターA液」(乙3号証)との記載があること、さらに、上記申請について、いずれも平成17年3月22日付けで厚生労働大臣により医薬品製造承認がされたことが認められる。
そして、上記申請書の販売名欄の表記「パルスターAゼリー」及び「パルスターA液」は、本件商標に係る記載とみて差し支えないというべきである。
(3)これらと被請求人の主張によれば、被請求人は、本件取消請求に係る指定商品のうち「薬剤(インドメタシンを配合した消炎鎮痛剤)」について使用の意思を有していたにもかからわず、本件審判の請求の登録前3年以内にあっては不使用であったが、その不使用は薬事法に関わる事由によるものであって、被請求人の責めに帰することができないものであったと認め得るところである。
また、承認後の期間も、この種商品(医薬品)の製造、販売について準備のために要する期間の範囲を超えないものとみるのが相当である。
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、使用権者のいずれによっても、その請求に係る指定商品について使用されていなかったものではあるが、被請求人は、商標法第50条第2項ただし書きの規定により、その指定商品について本件商標の使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしたものといわなければならない。
(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2006-02-24 
結審通知日 2006-03-01 
審決日 2006-03-14 
出願番号 商願2000-59202(T2000-59202) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z05)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大橋 信彦 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 寺光 幸子
小林 薫
登録日 2001-07-13 
登録番号 商標登録第4490339号(T4490339) 
商標の称呼 パルスター 
代理人 大島 厚 
代理人 松尾 和子 
代理人 大塚 誠一 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 中村 稔 
代理人 山田 恒光 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ