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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y25
審判 全部申立て  登録を維持 Y25
審判 全部申立て  登録を維持 Y25
審判 全部申立て  登録を維持 Y25
管理番号 1139807 
異議申立番号 異議2005-90594 
総通号数 80 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2006-08-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2005-11-14 
確定日 2006-07-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第4886295号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4886295号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4886295号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示す構成からなり、平成17年3月10日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同17年8月12日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用する登録第4458474号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)に示す構成からなり、平成10年9月17日に登録出願、第25類及び第41類に属する商標登録原簿に記載の商品・役務を指定商品・指定役務として、同13年3月9日に設定登録されたものである。
(2)理由の要点
ア 商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標とは、ともに、一見して容易に、剣の先のような図形商標と認識できるものであり、中央に先端のとがった縦長の楕円の図形を配置し、その両脇に楕円をより屈曲させた形の図形を噴水のように配置してなり、細部の点で相違はあるものの全体的に印象において、混同の生ずるおそれがある程類似するものである。とくに、商標の類否判断においては、商品の取引実情を考慮して、時と所を異にした離隔的観察により行われるべきところ、両商標は、一見して全体的印象を同じくするものであり、外観において類似する商標である。
イ 商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、世界的に人気の高いアメリカンプロフットボール(NFL)の一チーム「ニューオリンズ・セインツ」のチームキャラクターであり、チームを象徴するものとして、各選手のヘルメット等やチームを紹介する種々の広告宣伝物に使用され、周知・著名なものとなっている。我が国においても、アメリカンプロフットボールの試合は、各種スポーツ新聞で紹介され、また、NHKや民放においても定期的に放映され、人気のあるスポーツの一つとして定着しており、その人気の高さに伴って、引用商標を含む、各チームのキャラクターはそれ自体、周知なものとなっている。さらに、NFLの公式ライセンス商品には、当該商標が付され、わが国においても極めて多数のものが販売されている。
以上の状況で、このチームのキャラクター図形と同一のモチーフからなり、かつ、全体的構成において極めて近似する本件商標がその指定商品に使用されれば、取引者・需要者は、申立人ないしその許諾を受けたものの提供に係る商品と誤認・混同が生じるおそれがある。
ウ 商標法第4条第1項第7号について
引用商標は、アメリカンプロフットボールチームのキャラクターとして使用され、その人気の高さとともに、チームを象徴するものとして周知・著名なものとなっている。かかるキャラクターと外観において混同を生じるおそれがあり、全体的印象において近似する本件商標を申立人の何らの承諾を得ることなく出願し登録することは、正当な商慣習に反しかつ国際信義に反するものである。
エ 商標法第4条第1項第19号について
引用商標は、上記のとおり周知・著名なものとなっており、かかるキャラクターと全体的印象において近似する本件商標を申立人の何らの承諾を得ることなく出願し登録することは、正当な商慣習に反しかつ国際信義に反するものである。かつ、本件商標は、NFLのチームキャラクターの著名性をフリーライドしようとするものであり、「不正の目的」で出願されたものであるというべきである。

3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標及び引用商標は、別掲に示すとおりのものであるところ、両者は、ともに上部中央に先端のとがった縦長の部分を有するものである。しかし、前者が5つの黒塗り図形をもって構成されるものであるのに対し、後者は、一体に描かれた黒塗り図形を縁取りしてなるものである。また、前者において、下部が一の丸みを帯びた図形であるのに対して、後者は3つに分岐しかつ先端がとがった形状である。更に、噴水のように配置したと申立人がいう上部の左右の形状についてみても、前者が、上部を太く下部で細く折れ曲がったように描いてなるのに対し、後者は略同じ幅でなだらかに開くように描いてなるものである。
してみると、上記の各差異が微差に止まるとは到底いえず、両商標の全体から受ける印象を著しく相違するものとしているというのが相当であり、時と所を異にした場合においても、両商標は、全体的印象を異にするものであり、外観において相紛れることなく判然と区別し得るというべきである。
他に、本件商標が引用商標に類似する商標であるとみるべき理由はない。
したがって、本件商標は、引用商標に類似する商標とはいえないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
上記(1)のとおり、本件商標が引用商標に類似する商標とは認められず、両者を更に関連付けてみなければならない事情は見出せないから、結局、両商標は、別異の出所を表示するものとして看取されるといわざるを得ない。そして、申立人提出の甲各号証によっても、本件商標の出願時に、引用商標が我が国の一般需要者の間で広く認識されるに至っていたとまで認めることはできない。これらの点を併せ勘案すれば、本件商標を指定商品に使用しても、これに接する需要者が引用商標を想起し連想して、申立人又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であると誤信し、その出所について混同をするおそれがあるものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第7号及び同第19号について
本件商標が引用商標とは別異の商標と判断されることは前述のとおりである。しかして、かかる本件商標の出願・登録に際して申立人の承諾を得ていないとしても、正当な商慣習に反しかつ国際信義に反するものということはできない。
また、本件商標が「不正の目的」で出願されたとみるべき的確な証左はない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当するものとはいえない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第7号、第11号、第15号及び第19号に違反して登録されたものではないから、その登録は維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
別掲 別 掲
(1)本件商標


(2)引用商標

異議決定日 2006-06-26 
出願番号 商願2005-25906(T2005-25906) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (Y25)
T 1 651・ 22- Y (Y25)
T 1 651・ 222- Y (Y25)
T 1 651・ 261- Y (Y25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 有水 玲子 
特許庁審判長 山口 烈
特許庁審判官 伊藤 三男
山本 良廣
登録日 2005-08-12 
登録番号 商標登録第4886295号(T4886295) 
権利者 株式会社ジュン
商標の称呼 ジェイ 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 松尾 和子 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 中村 稔 
代理人 東谷 幸浩 

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