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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z10
管理番号 1139594 
審判番号 取消2005-30673 
総通号数 80 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-08-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2005-06-08 
確定日 2006-06-22 
事件の表示 上記当事者間の登録第4421329号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4421329号商標(以下「本件商標」という。)は、「Microline」及び「マイクロライン」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成11年8月4日に登録出願され、第10類「医療用機械器具,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),耳栓,耳かき」を指定商品として平成12年9月29日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張の要点
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べている。
(1)請求の理由
本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者(又は通常使用権者)によって指定商品のいずれについても一度も使用された事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきである。
請求人は、本件請求に先立って職業的調査機関に依頼して当該商標権者の業務内容、取扱商品の範囲、そして特に本件商標の使用の実態について、取引先に対する照会等を含め鋭意詳細に調査を実行した。しかしながら、本件商標に係る指定商品に関する限り、本件商標を構成する欧文字、片仮名のいずれについても使用されたことを示す資料を発見することができなかった。また、本件商標については専用使用権または通常使用権の登録もされておらず、それらの存在を窺わせる資料も存在しない。
したがって、本件商標は、その指定商品について過去3年間にわたって日本国内において使用されなかったものと推認される。
(2)弁駁の理由
(ア)被請求人は、乙2号証のリーフレットを、それ単体で不特定多数の顧客に頒布したと主張するが、これは全文英語で記載されたもので、国内で頒布されたものでないことは明らかと思われる。また、被請求人は、同じリーフレットを乙3号証の総合カタログに挿入して頒布したとも述べるが、これも国内でのことかどうか何ら証明されていないので不明である。
(イ)次に、被請求人は、「Microline」の標章が付された矯正機械器具は、乙3号証掲載の「Micro-arch」を基礎としてスペックのみを変更した特注品であると述べている。商標法上の商品は、不特定多数の需要者に対して取引される同一物であるが、乙号証に表された「bracket」はこれに当たらず、乙号証によって推認されるのは、当該ブラケットの注文生産という役務の提供である。
なお、製造会社であるトミー株式会社は、専ら被請求人の求めに応じて当該ブラケットを製造しているにすぎず、被請求人との間の取引は閉鎖された関係であって一般取引に当たらないから、このブラケットが商標法上の商品でないことは明らかである。
(ウ)よって、被請求人は、本件商標を日本国内において指定商品について使用したことを証明したとはいえないものである。

3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第11号証を提出している。
(1)被請求人は、本件取消請求対象の指定商品「医療用機械器具」中の「矯正機械器具」について現在まで継続して使用しており、以下に本件商標の使用の事実を立証する。
(2)使用の事実
(ア)被請求人は、少なくとも平成17年6月20日まで継続して「矯正機械器具」の識別標識として本件商標と社会通念上同一の商標「Microline」を使用している。
乙第1号証で提示した商品は、被請求人(株式会社トミーインターナショナル)が自己の商品「矯正機械器具」に標章「Microline」を付したものである。よって、この行為は商標法第2条第3項第1号に掲げる「使用」に当たるものである。
(イ)被請求人は、「矯正機械器具」の広告用リーフレットに標章「Microline」を付して頒布している。
乙第2号証で提示したリーフレットは、被請求人が販売する商品「矯正機械器具」の広告用として、2003年8月に作成されたものであるが(それ以前の商標登録を受けた2000年9月29日以降から同様のリーフレットが存在していたが在庫なし)、それ以降、被請求人の総合カタログ(乙第3号証)に挿入し、または該リーフレット単体で不特定多数の顧客に頒布し広告宣伝活動を行っている。よって、この行為は商標法第2条第3項第8号に掲げる「使用」に該当する。
なお、「Microline」の標章が付された商品が総合カタログに掲載されていない理由は、以下のとおりである。
「Microline」の標章が付された「矯正機械器具」は、乙第3号証で提示した総合カタログ32頁の「Micro-arch」を基礎として、スペックのみを変更した特注品(027シリーズ)であるため、需要が限られており、総合カタログ全般の改編作業、顧客への編集済総合カタログの再送作業よりもリーフレット形式で頒布の方がより経済的であるからである。
また、乙第4号証からわかるように、韓国の歯科医師より「Micro-arch」のスペック変更の特別注文依頼が1989年3月21日にあり(乙第2号証のスペックと同じスペックが依頼FAXに記載されている )、それ以降「Micro-arch」の特注品「027シリーズ」が存在している。
なお、当初はこの特注品を「Oriental Bracket」という名称で取り扱っていたが、会社の買収問題が1998年に発生し、「Oriental Bracket」という名称が使用困難となったため、被請求人は急遽、「Micro-arch」の特注品の新商標として本件商標を登録し、現在「Microline(027シリーズ)」を使用している。
(ウ)次に、被請求人は、需要に応じ「Microline」027シリーズの商品「矯正機械器具」を、製造会社である「トミー株式会社」に発注、納品を受け(乙第6号証)、韓国に輸出している(乙第7ないし第11号証)。
名称を「Oriental Bracket」から「Microline」027シリーズに変更してからその商標を使用した商品を継続して発注納品、韓国へ輸出を行っており、証拠として膨大な資料の一部を提出する。
無論、「輸出」 は商標法の「使用」 に特掲されていないが、輸出の通例は引渡し、すなわち貨物に対する現実の支配の移転を伴うから、「使用」に該当するに争いはない。
なお、取引の慣行、処理の便利性から、発注納品、INVOICEには商品番号のみで処理し、例えば「027-101R」、「921-111L BRACKET(027)」と表示することにより、「Micro-arch」の商品とは「027」の表示により区別されている。
また、商品番号「027」は、「Microline」と名称を変更してからの商品番号であるため、商品の標章を付す行為、リーフレットを作成・頒布している行為が、少なくとも2002年2月14日以降であることの裏づけとなる。
(3)まとめ
上述した如く、提出した証拠のみでも、本件取消審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者がその請求に係る指定商品中「矯正機械器具」について、本件商標と社会通念上同一の「Microline」を使用していることが明らかである。

4 当審の判断
(1)乙各号証によれば、以下の事実を認めることができる。
(ア)乙第1号証は、商品「矯正機械器具」を撮影した写真と認められるところ、その包装にはシールが貼付され、該シールには、「Microline(ORIENTAL)」の標章及び「027-0001」の記号が表示されているほか、その下方には、承認番号が記載され、発売元として「株式会社トミーインターナショナル」及び製造元として「トミー株式会社」がそれぞれの住所と共に表示され、さらにこれらの右脇には四角形中に「MADE IN JAPAN」の文字が記載されている。
(イ)乙第2号証は、商品「矯正機械器具」の広告用リーフレットと認められるところ、その表面には、商品を着装したモデルと商品の写真と共に「Microline」及び「027 Series」の文字が中段右側に大きく表示され、その裏面にも「Microline」、「APPLIANCES」及び「027 Series」の文字が表示されると共に商品の写真が掲載されている。このリーフレットは、商品の説明を始め、発売元及び製造元を示す表示等すべて英語で表記されており、また、その発行日を特定すべき記載は見出せない。
(ウ)乙第3号証は、「TOMY ORTHODONTIC PRODUCTS」と題する商品カタログの抜粋と認められるところ、その32頁及び33頁には、上部に「Micro-arch」及び「APPLIANCES」の文字が表示されると共に、その下方部に商品の説明、商品の写真、「921-101L」等の商品に対応した記号が掲載されている。この商品カタログの最終頁には、右下に「2003年6月発行 第2版」と表示され、「発行」として「トミー株式会社」及び「株式会社トミーインターナショナル」がそれぞれの住所と共に表示されている。両社の表示及び「2003年6月 第2版」の表示は同カタログの裏表紙にもある。
(エ)乙第4号証は、韓国の医師からの1989年3月21日付け商品注文依頼のファックス写しとそれを伝える社内書類の写しと認められるところ、商品名として「ORIENTAL BRACKET」及び「(Maxillary Arch)」が用いられ、乙第1号証の商品と同様の商品が示されている。
(オ)乙第5号証は、1989年6月22日付けの「ORIENTAL BRACKET & Dr LEE」と題する商品の一覧表及び商品の図面の写しと認められるところ、商品を特定する記号として「101 L/R」等の表示が用いられると共に商品についての注が付されている。
(カ)乙第6号証は、2002年2月14日ないし2005年6月20日の期間におけるトミー株式会社から被請求人への「請求明細書」の写しと認められるところ、これらの請求明細書には、品目名として「027-201R」等が商品の数量、金額等と共に記載されている。
(キ)乙第7ないし第11号証は、2003年1月27日ないし2005年5月30日の期間における「Kwang Myung Order List」と題する商品の注文リスト(以下、「商品の注文リスト」という。)の写し、及び2003年5月26日ないし2005年7月6日の期間における「INVOICE」の写しと認められるところ、これらの「商品の注文リスト」には、商品番号として「027-0001」、「027-101L」等が記載され、また、これらの「INVOICE」には、商品名として「027-0001 BRACKET KIT」等が商品の数量、金額等と共に記載されている。
(2)以上の認定事実によれば、商品「矯正機械器具」(乙第1号証)に付された商品記号「027-0001」は、「商品の注文リスト」及び「INVOICE」(乙第7号証)に記載された商品記号と一致していること、また、上記商品は「027 Series」として種々のタイプがあり「027-101L」等の記号により特定されており(乙第3号証)、これらの記号は「請求明細書」(乙第6号証)並びに「商品の注文リスト」及び「INVOICE」(乙第8ないし第11号証)に記載された商品記号と一致していることからして、被請求人は、少なくとも2002(平成14)年2月14日ないし2005(平成17)年6月20日の期間に、上記商品をトミー株式会社に製造発注し、同社から納品を受け、それを2003(平成15)年5月26日ないし2005(平成17)年7月6日の期間に、韓国に輸出していたと認められる。そして、取引の経験則に従えば、これら韓国に輸出された商品には、その包装に商品に貼付されたシール(乙第1号証)と同様のものが付されていたものとみるのが自然であり、加うるに、商品に貼付されたシール(乙第1号証)に記載された「Microline」の文字は、本件商標と社会通念上同一のものと認められる。
また、広告用リーフレット(乙第2号証)は、全て英文で記載されており、その発行日が明らかではないものの、「027 Series」として掲げられた商品及び「921-101L(027)」等の記号は、商品カタログ(乙第3号証)に掲載された商品記号「921-101L」等に対応していることからして、上記広告用リーフレットに掲載された商品は、上記商品カタログに掲載された商品のスペックを変更した特注品とみて差し支えないから、上記広告用リーフレットが上記商品カタログに挿入して配布されたとする被請求人の主張を強ち否定することはできない。そして、上記広告用リーフレットには、「Microline」の文字が明示されているものであり、加うるに、上記商品カタログは本件審判請求の登録前3年以内の期間内に発行されたものである。
(3)以上を総合勘案すると、被請求人は、少なくとも本件審判請求の予告登録日である平成17(2005)年6月27日の前3年以内の期間である2003年1月27日以降、2003年5月26日までの期間に、日本国内において、本件商標の指定商品の範疇に属する商品と認められる「矯正機械器具」について、本件商標と社会通念上同一と認められる標章を使用していたものというべきである。
なお、輸出目的の商品であっても、商品に標章を付す行為は、商標の使用に当たるものであることは、「東京高裁 昭和57年(行ケ)第236号(昭和59年2月28日判決)」において、説示しているところである。
ところで、請求人は、乙各号証における使用に係る商品「矯正機械器具」は、特注品であることから、不特定多数の需要者に対して取引される同一物に当たらないため、商標法上の商品とはいえない旨主張しているが、請求人は、その主張を立証する証拠を何ら提出していないし、かつ、上記商品に関する認定は前記のとおりであって、微妙な調整、加工が必要となるこの種商品の特性をも考慮すると、商取引の目的物として流通性のあるものとされる商標法上の商品でないということはできないから、その主張は採用できない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2006-04-20 
結審通知日 2006-04-25 
審決日 2006-05-10 
出願番号 商願平11-69988 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z10)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 久我 敬史
澁谷 良雄
登録日 2000-09-29 
登録番号 商標登録第4421329号(T4421329) 
商標の称呼 マイクロライン、ミクロライン 
代理人 青木 博通 
代理人 中田 和博 
代理人 柳生 征男 
代理人 井澤 洵 
代理人 足立 泉 
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