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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) Y1825 審判 全部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) Y1825 審判 全部申立て 登録を取消(一部取消、一部維持) Y1825 |
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管理番号 | 1136700 |
異議申立番号 | 異議2005-90052 |
総通号数 | 78 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2006-06-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2005-01-31 |
確定日 | 2006-04-10 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4813364号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4813364号商標の指定商品中「第25類 被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4813364号商標(以下「本件商標」という。)は、平成15年11月4日登録出願、「ヴィンテージ クロコ」の片仮名文字を標準文字で書してなり、第18類「皮革,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,愛玩動物用被服類」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用被服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同16年10月29日に設定登録されたものである。 2 登録異議の申立ての理由 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、以下の(ア)ないし(ウ)の登録商標と類似し、指定商品も抵触する。 (ア)登録第571612号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和34年4月27日に登録出願、商標登録原簿に記載のとおりの区分及び商品を指定商品として、昭和36年5月1日に設定登録され、、その後、3回にわたり、商標権の存続期間の更新登録がされ、指定商品については、平成14年6月12日に、第9類「事故防護用手袋」、第10類「医療用手袋」、第14類「ネクタイピン,宝石ブローチ」、第21類「家事用手袋」、第24類「布製身の回り品」、第25類「洋服,オーバーコート,レインコート,股引き,きゃはん,帽子,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,シャツ,じゅばん,ずぼん下,手袋,靴下,カラー,カフス,ネクタイ,えり巻き,ガーター,巻ゲートル」及び第26類「腕止め,衣服用ブローチ」とする指定商品の書換登録がされたものである。 (イ)登録第1444230号商標(以下「引用B商標」という。)は、「クロコ」の文字を書してなり、昭和44年11月6日登録出願、商標登録原簿に記載のとおりの区分及び商品を指定して、同55年11月28日に設定登録され、その後、2回にわたり、商標権の存続期間の更新登録され、指定商品については、同12年12月27日に、第5類「失禁用おしめ」、第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」、第10類「医療用手袋」、第16類「紙製幼児用おしめ」、第17類「絶縁手袋」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第21類「家事用手袋」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする指定商品の書換登録がされたものである。 (ウ)登録第3212557号商標(以下「引用C商標」という。)は、「CROCO」の文字を書してなり、平成5年5月27日登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」を指定商品として、同8年10月31日に設定登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第10号について 本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の業務に係る商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く知られている「クロコダイル」ブランドの「クロコ」の文字に、「価値ある年代物」の意の品質表示として広く一般に用いられている「ヴィンテージ」の文字を冠してなるにすぎない類似商標であって、申立人の取り扱いに係る商品「被服、装身具、かばん類と同一又は類似する商品に使用するものである。 (3)商標法第4条第1項第15号について 本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、取引者、需要者の間に広く知られている「クロコダイル」ブランドに、「価値ある年代物」の意の品質表示として広く一般に用いられている「ヴィンテージ」の文字を冠して「ヴィンテージ クロコ」と称するものであり、指定商品も重複し、極めて密接なファッション関連商品に使用するものであるところ、「ヴィンテージ」は、独自の商品の出所表示機能を有さず、「クロコダイル」ブランドとして、つとに著名な「クロコダイル」の出所表示力を目的として、さらに「価値ある年代物」であるこの品質優良語を冠した商標にすぎず、「クロコダイル」ブランドが永年にわたり獲得したグッドウィルの流用を正当化するためのもの、そうでなくとも、該商標権を希釈化させるものであって、帰するところ申立人の業務に係る「クロコダイル」ブランドを顧客に想起させ、自己の商品の購買力を増すために資するものであるから、申立人の業務に係る著名な「クロコダイル」ブランドと混同を生ずる蓋然性が極めて高いものである。 (4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第11号及び同第15号に該当し、その登録は取り消されるべきである。 3 当審が通知した取消理由及び商標権者の意見 当審は、本件商標は、引用B商標及び引用C商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品中、結論掲記の商品は、引用B商標及び引用C商標と同一又は類似の商品に使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである旨、取消理由を通知した。 当審の取消理由通知に対し、相当な期間を指定して意見書を提出する期間を与えたが、商標権者からは、何らの応答もない。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号について 本件商標は、「ヴィンテージ クロコ」の文字を書してなるところ、構成中の「ヴィンテージ」の文字は、「年代物」等の意を表す商品の品質等を表示するものとして認識されるにとどまり、自他商品識別標識としての機能を有しないか、極めて乏しいものとして把握されると見るのが相当である。 他方、本件商標の構成中、「クロコ」の文字は、特定の語義を有しない造語と見るのが相当というべきであるから、該文字部分も独立して自他商品識別標識としての機能を発揮するものと認められる。 そうとすると、本件商標は、構成文字全体より、「ヴィンテージクロコ」の称呼を生ずるほか、「クロコ」の文字部分より、単に、「クロコ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。 一方、引用B商標は、「クロコ」の文字よりなり、引用C商標は、「CROCO」の文字よりなるものであるから、それぞれの構成文字に相応して、ともに「クロコ」の称呼を生ずるものである。 そうとすると、本件商標と引用B商標及び引用C商標とは、「クロコ」の称呼を共通にする類似の商標である。 また、本件商標の指定商品中「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト」と引用B商標及び引用C商標の指定商品は、同一または類似するものである。 したがって、本件商標は、結論掲記の商品について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。また、結論掲記の商品以外の商品については、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第10号及び第15号について 請求人は、引用A商標は、本件商標と類似するものであり、被服等の商品に使用し、「クロコダイル」ブランドとして取引者、需要者の間に広く認識されているものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する旨主張している。 引用A商標は、別掲のとおり、「Crocodile」の文字とワニの図形よりなるものであるところ、「Crocodile」の文字は、「ワニ」の意味を有するばかりでなく、まとまりよく一体的に表してなるものであって、引用A商標が「クロコ」と略称され、広く知られてるというような格別の事情も申立人の提出に係る甲各号証からは認めることができないから、引用A商標は、その構成中の「Croco」の文字部分が独立して認識されるものではなく、「Crocodile」の文字に相応する「クロコダイル」の称呼のみを生ずるというのが相当である。 そうとすると、本件商標より生ずる「ヴィンテージクロコ」及び「クロコ」の称呼と引用A商標より生ずる「クロコダイル」の称呼は、音数、音構成に顕著な差異を有し、明確に区別し得るものである。 その他、本件商標と引用A商標を類似とすべき理由は、見いだせない。 してみれば、本件商標と引用A商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標と認められる。 加えて、本件商標と引用A商標とは、上記のとおり、十分に区別し得る別異の商標であるから、引用A商標が被服等に使用され、取引者、需要者の間に広く知られていることが認められるとしても、本件商標をその指定商品に使用した場合、その商品が申立人又は申立人と関係がある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるとはいえないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当しない。 (3)結び 以上のとおり、本件商標の指定商品中、結論掲記の商品についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであるから、同法第43条の3第2項により、その登録を取り消すべきであり、本件登録異議の申立てに係るその余の商品については、その登録を取り消すべき理由がないから、同法第43条の3第4項により、登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
(別掲) |
異議決定日 | 2006-02-20 |
出願番号 | 商願2003-97412(T2003-97412) |
審決分類 |
T
1
651・
252-
ZC
(Y1825)
T 1 651・ 262- ZC (Y1825) T 1 651・ 271- ZC (Y1825) |
最終処分 | 一部取消 |
前審関与審査官 | 田口 善久 |
特許庁審判長 |
大場 義則 |
特許庁審判官 |
柳原 雪身 内山 進 |
登録日 | 2004-10-29 |
登録番号 | 商標登録第4813364号(T4813364) |
権利者 | 山本 佳右 |
商標の称呼 | ビンテージクロコ、ビンテージ |
代理人 | 徳岡 修二 |
代理人 | 村田 紀子 |
代理人 | 武石 靖彦 |
代理人 | 重本 博充 |
代理人 | 大角 菜穂子 |