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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y141825
審判 全部申立て  登録を維持 Y141825
審判 全部申立て  登録を維持 Y141825
審判 全部申立て  登録を維持 Y141825
管理番号 1136675 
異議申立番号 異議2005-90289 
総通号数 78 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2006-06-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2005-06-10 
確定日 2006-05-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第4845981号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4845981号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4845981号商標(以下「本件商標」という。)は、平成16年10月4日に登録出願、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第14類「貴金属,キーホルダー,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製針箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製宝石箱,貴金属製の花瓶及び水盤,記念カップ,記念たて,身飾品,貴金属製のがま口及び財布,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,貴金属製コンパクト,貴金属製靴飾り,時計,貴金属製喫煙用具」、第18類「かばん金具,がま口口金,皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄,乗馬用具,皮革」、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同17年3月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申し立ての理由の要点
(1)本件商標は、平成5年7月16日に登録出願、別掲(2)のとおりの構成よりなり、第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,かばん金具,がま口口金」を指定商品として、同8年6月28日に設定登録された登録第3173206号商標(以下「引用商標」という。)と「エンゼル(天使)」の観念において類似する商標であり、また、それぞれの指定商品も同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)申立人「コンテス アクセサリーズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コムパニー」(以下「申立人」という。)は、創立75年の歴史をもつドイツ法人であり、その製造・販売に係るハンドバッグは、世界的に販売されているものである。そして、申立人は、我が国において、子会社「コンテス・ジャパン株式会社」を創設し、2003年には銀座直営店をオープンさせ、上野松阪屋、日本橋三越等著名な百貨店において、申立人の製造にかかる商品が、全国的に販売されている。
また、申立人は、1993年に引用商標「エンゼルマーク」を創作し、「かばん(ハンドバック)」、「キーホルダー」等の商標として、世界的に使用している。
乙第5号証は、申立人のインボイスの抜粋であるが、引用商標「エンゼルマーク」を使用したハンドバックが世界的に販売されていることを示すものであり、引用商標が使用された「ハンドバック」が、「エンゼルバッグ(angel bags)」と称されていることが明らかである。
なお、甲第4号証のとおり、引用商標は、ドイツ国で商標登録され、我が国はもとより世界的に登録、保護されているものである。
以上のとおり、引用商標は、本件商標の出願日以前より、ハンドバッグの口金等にも立体的に使用しており、「コンテス社」を指称する商標として世界的に周知となっている。
そして、本件商標と引用商標は、細部において相違点はあるものの、共に「エンゼル(天使)」の上半身からなる商標であって、「エンゼル(天使)」の観念を生ずるものであり、かつ、「かばん類」をその指定商品とするものである。
してみれば、本件商標は、商標権者がその指定商品に使用した場合には、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(3)また、引用商標は、1993年よりコンテス社によって使用され、世界的に「エンゼルマーク」として、取引者・需要者の間に広く認識されている商標である。
そして、上記したとおり、本件商標と引用商標がその観念において類似するから、このような商標を登録しようとする行為は、引用商標の信用に不当にフリーライドしようとするものである。
さらに、商標権者によるかかる行為は、国際信義、ひいては公序良俗に反するものであり、かつ、不正の目的をもって使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反して登録されたものである。
よって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、共に「天使」と思しき図よりなるが、これを構成する各部、例えば頭部、顔の表情、背中の羽根等の表現方法において明らかな差異を有し、全体として印象が異なるものである。加えて、本件商標が図形のみからなるのに対し、引用商標は図形の上部を囲むように扇状に「WHEN ANGELS TRAVEL」の欧文字をまとまりよく表したものであって、外観上一体のものとみるのが相当である。
してみると、本件商標と引用商標とは、外観上別異のものであって、これを時と処を違えてみたときに彼此相紛らわしいものということはできない。 また、仮にそれぞれの図形部分より「エンジェル」の称呼、「天使」の観念が生ずる場合があるとしても、前記外観上の差異を凌ぐものではない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものということはできない。
(2)申立人は、引用商標が、「エンゼルマーク」として、本件商標の登録出願前より、取引者・需要者の間に広く認識されている商標である旨主張しているが、申立人の提出に係る甲各号証によっては、引用商標が「エンゼルマーク」として著名性を認めるに足らない。
加えて、本件商標と引用商標は、十分に識別し得る商標であること上記したとおりである。
してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
(3)本件商標と引用商標が、非類似の商標であることは上記したとおりである。
さらに、本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字又は図形からなるものでなく、これをその指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものでもない。加えて、本件商標は、不正の目的をもって使用する商標とはいえないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反して登録されたものではない。
(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号同第7号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではない。
よって、本件商標は商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)


(2)

異議決定日 2006-04-19 
出願番号 商願2004-90584(T2004-90584) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (Y141825)
T 1 651・ 222- Y (Y141825)
T 1 651・ 271- Y (Y141825)
T 1 651・ 263- Y (Y141825)
最終処分 維持  
前審関与審査官 佐藤 松江 
特許庁審判長 柴田 昭夫
特許庁審判官 岩崎 良子
小川 有三
登録日 2005-03-11 
登録番号 商標登録第4845981号(T4845981) 
権利者 株式会社イ-ストボーイ
代理人 熊倉 禎男 
代理人 大島 厚 
代理人 中村 稔 
代理人 松尾 和子 
代理人 林 信之 
代理人 井滝 裕敬 

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