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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 117 |
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管理番号 | 1136620 |
審判番号 | 取消2004-31592 |
総通号数 | 78 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2006-06-30 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2004-12-13 |
確定日 | 2006-05-08 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第0744043号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第744043号商標(以下「本件商標」という。)は、「OUI」及び「ウイ」の文字を上下二段に横書きしてなり、昭和40年10月19日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、同42年5月31日に設定登録され、その後、同52年9月5日、同62年7月22日及び平成9年5月20日の3回に亘り商標権の存続期間更新登録がされているものである。 2 請求人の主張 請求人は、「本件商標の指定商品中『被服』についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者及び通常使用権者のいずれによっても、その指定商品中前記商品について使用されていないので、商標法第50条第1項の規定により、その登録が取り消されるべきものである旨主張している。 3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第8号証(枝番を含む。)を提出している。 (1)本件商標は、以下のとおり、その指定商品に属する商品に関し、平成10年より使用許諾先である岸部毛織株式会社及びその系列会社であるケイエスビー株式会社(以下、これらをまとめて「通常使用権者」という。)によって、現在に至るまで継続して使用されている。 (2)被請求人は、本件商標について、通常使用権者に平成10年2月1日から通常使用権を許諾した契約を締結している(乙第1号証)。乙第1号証における「東邦レーヨン株式会社」とは、被請求人の旧社名である。この後も契約は継続されており、通常使用権者から同15年6月13日付け書簡により、同年2月1日から同16年1月31日の1ヶ年を有効期間とする契約更改の申し入れが伝えられ(乙第2号証の1)、被請求人は、2003(平成15)年6月16日付承諾書(乙第2号証の2)及び同年6月18日付請求書(乙第2号証の3)を、2003(平成15)年6月23日付で送付している(乙第2号証の4)。さらに、2004(平成16)年2月1日から2006(平成18)年1月31日の2ヵ年を契約期間とした契約書を平成16年6月15日に締結し、現に有効に契約されている(乙第3号証)。 (3)通常使用権者は、被請求人から本件商標の使用許諾を受けたことに基づき、その指定商品に含まれる商品「寝具類、寝巻き類、下着、靴下、サポーター、マフラーなど」(以下「本商品」という。)の「健康生活総合カタログ」を平成10年10月より発行し、本商品のアイキャッチとして本件商標を使用している。被請求人は、本件商標が現に継続的に使用されている事実として、審判請求前3年に含まれる直近の総合カタログを乙第4ないし第6号証として提出する。 これらのカタログは、通常1万冊程度印刷され消費者宛届けられるものである。発行時期については、それぞれの裏表紙右下に略式表示され数字で表された部分のうち前半の、例えば「TS0306-24」では、2003年[平成15年]6月発行であることを表わしている。 (4)本商品の一つである靴下「マッサージソックス」の包装用台紙を提出する(乙第7号証の1)。台紙の中央上部に本件商標が表示され、その指定商品の一つである本商品の靴下に使用されているものである。商品を入れる状態になるとき、中央から左右を折り曲げて商品「靴下」を間に挟み外袋に入れられ、その状態での写真全体と部分拡大を参考に添える(乙第7号証の2)。この写真から、外袋には右上にラベルシールが貼られているが、中の商品を識別し易くするためのものであり、そこには商品コード、色、商品名が印字されている。ここでの商品コード「41214」は、靴下「マッサージソックス」のものであり、乙第4ないし第6号証においてすべて掲載されており、よって本商品は継続して販売されているものと判断することができる。 (5)さらに、本商品の一つである肌着類について使用される包装袋の大小2種類を提出する(乙第8号証の1及び2)。乙第4ないし第6号証の「健康生活総合カタログ」において、それぞれほぼ半分もの掲載量を占めている紳士・婦人物の肌着類に共通に使用されており、この包装袋にはその他の商標も含め本商品のアイキャッチとして本件商標が表示され、乙第7号証の2のように商品コード等が印字されたラベルシールを貼り付け使用される。 (6)通常使用権者は、乙第4ないし第6号証の総合カタログにおいて、個々の商品の商品名については、「婦人ソフトフィット肌着」、「婦人ストッキング」や「半袖丸首肌着」という様に、質感、機能、形態などの一般名称による表記を行っている。そうすると、この総合カタログにおいて自他商品の識別機能を果たしているのは、その系列会社の社名及び併記されたひとつのアイキャッチマークとして使用されている本件商標であるとするのが自然である。 (7)以上の事実により、本件商標がその指定商品中「被服」について、本件審判請求の登録前3年以前より現在に至るまで継続して使用されていることは明白であるから、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものではない。 4 当審の判断 被請求人は、本件商標がその指定商品中の「被服」について通常使用権者によって本件審判請求の登録前3年以前より現在に至るまで使用されているとして、証拠を提出しているので、この点について検討する。 (1)乙第4ないし第6号証は、いずれも「健康生活」と題するケイエスビー株式会社の取扱いに係る商品の総合カタログと認められるところ、これらのカタログによれば、以下の事実が認められる。 (ア)各カタログの表紙の下部左角又は下部中央及び裏表紙の中央に赤色で表された「KSB」の標章の上段に「Oui」の文字が描かれ、その綴りの「O」の文字の中に小さく「ウイ」の文字が書されている。さらに、「Oui」の文字に続けて赤色の「!」の記号が付されている。そして、裏表紙には、これら表示の下段に「ケイエスビー株式会社」の文字が住所と共に記載されている。 (イ)この「Oui」及び「ウイ」の文字から構成された部分(以下「使用商標」という。)は、「!」の記号と共にまとまりよく一体に表されているばかりでなく、上記「KSB」の文字部分と外観上分離して看取され、それ自体が商品の自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというべきであり、また、上記総合カタログに掲載された商品全般についての識別標識としての機能を果たしているものとみるのが相当である。 (ウ)使用商標は、「!」の記号が付されているとはいえ、「Oui」及び「ウイ」の文字からなるものであるばかりでなく、その欧文字部分の一部が小文字になっている点において本件商標と相違するのみであるから、本件商標と社会通念上同一のものといい得るものである。 (エ)上記総合カタログには、本件取消請求に係る被服の範疇に属する肌着、タンクトップ、ショーツ、パンティストッキング、タイツ、ソックス、パジャマ等の商品が掲載されている。 (オ)各カタログの裏表紙の右下角には「TS0306-24」、「TS0312-10」又は「TS0407-02」の記号・数字が記載されていることが認められる。そして、一般にカタログ、パンフレットには、その余り目立たない角に発行年月日が記号化されて掲載されるのが通例であることから、上記記号・数字も各カタログが2003年6月、2003年12月又は2004年7月に発行されたことを示すものとみて差し支えない。 (2)乙第7号証の1及び2は、商品「マッサージソックス」の包装台紙及びその全体を撮影した写真と認められるところ、これによれば、以下の事実が認められる。 (ア)該包装台紙の右上に「KSB」の標章と共に上記使用商標と同一の商標が表示されている。該包装台紙には、商品説明が掲載され、「ケイエスビー株式会社」の文字が住所と共に記載されている。 (イ)包装用袋には「41214 白 紳士マッサージソックス」と表示したシールが貼付されている。 (ウ)この「41214 白」の数字は、商品コードと認められ、上記(1)の各カタログ(乙第4号証の43頁、乙第5号証の47頁、乙第6号証の52頁)に掲載された商品「紳士マッサージソックス」の商品コードと一致している。 (3)乙第8号証の1及び2は、肌着用の包装袋と認められるところ、商品の特長について説明した箇所の下部に上記使用商標と同一の商標が明示され、最下部に「製造元 岸部毛織株式会社」及び「総発売元 ケイエスビー株式会社」と記載されていることが認められる。 (4)乙第1ないし第3号証(枝番を含む。)及び上記(1)の商品カタログ中に記載された会社概要によれば、被請求人と岸部毛織株式会社とは本件商標について通常使用権の許諾契約を締結していること、岸部毛織株式会社とケイエスビー株式会社とは関連会社であることが認められる。 (5)以上によれば、本件商標と社会通念上同一といい得る商標が、本件審判請求の登録日(平成17年1月6日)前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品「被服」に包含される商品について、通常使用権者によって使用されていたものと認められる。 一方、請求人は、上記3の答弁に対し、弁駁していない。 したがって、本件商標の登録は、指定商品中「被服」について、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-12-01 |
結審通知日 | 2005-12-06 |
審決日 | 2005-12-20 |
出願番号 | 商願昭40-48850 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(117)
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最終処分 | 不成立 |
特許庁審判長 |
田辺 秀三 |
特許庁審判官 |
高野 義三 久我 敬史 |
登録日 | 1967-05-31 |
登録番号 | 商標登録第744043号(T744043) |
商標の称呼 | ウイ、オオユウアイ |
代理人 | 三原 秀子 |
代理人 | 広瀬 文彦 |