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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない Y42
管理番号 1134628 
審判番号 不服2004-10132 
総通号数 77 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-05-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-05-13 
確定日 2006-03-31 
事件の表示 商願2003- 66143拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,後掲(1)のとおりの構成よりなり,第42類に属する願書記載の役務を指定役務として,平成15年8月5日に登録出願,その後,指定役務については,原審における同15年7月23日受付の手続補正書により,第42類「原子力の分野における安全の確保のための調査・試験・検査・分析・研究及び技術情報の提供」に補正されたものである。

2 引用商標
(1)原査定において,本願の拒絶の理由に引用した登録第4011841号商標(以下「引用商標1」という。)は,後掲(2)のとおりの構成よりなり,平成4年9月30日に登録出願,第42類「原子炉を用いた各種原子炉用燃料・材料の放射線照射,原子力に関する知的財産権の使用又は実施の許諾,原子力に関する技術情報の提供,核原料物質及び核燃料物質の貸与,放射能の安全管理をするための環境の調査」を指定役務として,同9年6月13日に設定登録されたものである。
(2)同じく,登録第4011842号商標(以下「引用商標2」という。)は,後掲(3)のとおりの構成よりなり,平成4年9月30日に登録出願,第42類「原子炉及び核原料・核燃料に関する調査・研究・開発・試験・検査・測定・技術協力,核原料物質ウラン鉱石等の探鉱,放射性廃棄物の処分」を指定役務として,同9年6月13日に設定登録されたものである。
以下,これらを総称して「引用各商標」という。

3 当審の判断
本願商標は,後掲(1)のとおり,橙色に塗りつぶした円を中心として,原子核の周囲に電子軌道を描くように,一部をやや太くした3個の青色の長円形を配置してなるものである。
他方,引用商標1は,後掲(2)のとおり,黒色で塗りつぶした円を中心として,原子核の周囲に電子軌道を描くように3個の黒色の長円形を配置し,その3個の長円形の上にそれぞれ一つの小さな塗りつぶし円を有しているものである。また,引用商標2は,後掲(3)のとおり,引用商標1と同一の図形をやや暗い青色にしたものである。
そこで,本願商標と引用各商標を比較するに,それぞれの指定役務の内容とも相まって,いずれも原子核を中心に3個の電子軌道を長円形で表した原子模型を想起させるものである。
請求人は,本願商標と引用各商標とは異なる印象を与えるものである旨述べるところがあるが,両図形を子細に観察すれば,本願商標が橙色と青色の2色であり,長円形の軌道がやや太くなっているのに対し,引用各商標の色彩が本願商標とは異なる黒色及び暗青色1色であり,長円形の軌道上に小さな円を有している点において,若干の差異があるとしても,これらの差異は,両図形の主要な構成要素である,原子核を中心にその周囲に電子軌道を描くようにに円及び3個の長円形を配置した態様の共通性の中に埋没し,看者の印象に強く影響を与えるものとは認め難いものである。
そうとすれば,両図形の外観上の差異は,微差にすぎず,着想,構図等もその構成の軌を一つにするものであるから,本願商標と引用各商標とは,外観において互いに相紛れるおそれのある類似する商標といわなければならない。
また,請求人は,引用各商標の商標権者である核燃料サイクル開発機構とは業務範囲が違うため,本願商標と引用各商標とは,類似関係を生じない旨述べるところがあるが,商標法第4条第1項第11号における役務の類否を判断するに際しては,例えば,イ)提供の手段,目的,場所が一致するかどうか,ロ)提供に関連する物品が一致するかどうか,ハ)需要者の範囲が一致するかどうか,ニ)業種が同じかどうか,ホ)当該役務に関連する業務や事業者を規制する法律が同じかどうか,ヘ)同一の事業者が提供するものであるかどうか等を総合的に考慮して具体的に判断すべきものである。
そして,本願商標の指定役務と引用各商標の指定役務は,いずれも,原子力に関する調査・検査・情報の提供等を目的,対象とするもであって,原子力,放射能等に関連する特別な技術を必要とし,原子力の専門家を主な需要者とし,原子力に関する安全検査と核燃料の開発という密接な関連性を有する業種であることから,その役務の業種・提供の目的・需要者等を共通にする場合が多く互いに類似する役務と認められるものである。
したがって,本願商標と引用各商標とは,外観上類似する商標であり,かつ,本願商標の指定役務は,引用各商標の指定役務と同一又は類似する役務を含むものであるから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当であって,取り消すべき限りでない。
なお,請求人は,本願商標が民間の第三者に使用されるおそれがあり独立行政法人の権威が損なわれるおそれがある旨事情を述べるところがあるが,既に商標権が設定されている場合に,これと抵触する商標について登録することはできないものであるから,採用することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 (1)本願商標

(色彩については、原本を参照されたい。)

(2)引用商標1(登録第4011841号商標)


(3)引用商標2(登録第4011842号商標)

(色彩については、原本を参照されたい。)

審理終結日 2006-01-26 
結審通知日 2006-02-01 
審決日 2006-02-16 
出願番号 商願2003-66143(T2003-66143) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (Y42)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐藤 松江 
特許庁審判長 柳原 雪身
特許庁審判官 鈴木 雅也
山本 良廣
代理人 飯塚 信市 

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