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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 132 |
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管理番号 | 1134559 |
審判番号 | 取消2005-30371 |
総通号数 | 77 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2006-05-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2005-04-05 |
確定日 | 2006-03-22 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2048345号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第2048345号商標(以下「本件商標」という。)は、「きらめき」の文字を横書きしてなり、昭和61年1月16日に登録出願、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、同63年5月26日に設定登録されたものである。 2 請求人の主張 請求人は、本件商標の指定商品中「加工食料品(他の類に属するものを除く)」について、その登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。 (1)請求の理由 本件商標は、3年以上日本国内において商標権者が、その指定商品中「加工食料品(他の類に属するものを除く)」について使用されたことがない。 また、本日付の本件商標登録原簿(甲第2号証)によれば、本商標権について専用使用権又は通常使用権を設定している形跡も見られないので、これら使用権者による指定商品中「加工食料品(他の類に属するものを除く)」について、本件商標の使用の事実もあり得ないし、商標権者たる被請求人が、「加工食料品(他の類に属するものを除く)」に使用していないことについての正当な理由も存在しないものと確信する。 したがって、本件商標の登録は商標法第50条第1項、同第2項の規定により取消されるべきである。 (2)答弁に対する弁駁 被請求人は、「燦」の漢字と、この漢字の右側上方部分に小さく「きらめき」のひらがなを縦書きに表してなる商標(以下、「使用商標」という)を、通常使用権者が商品「ミニサラミ」等について使用しているとし、乙第1号証ないし乙第3号証を挙げている。そして、この使用商標と本件商標とは「きらめき」の文字の横書、縦書の相違であるから、観念、称呼を同一にするもので、社会通念上同一といい得る商標である、と主張している。 ところで、使用商標が登録商標の構成部分に変更を加えてある場合、それが登録商標の使用に当たるか否かについては、その変更が商標の識別性に影響を及ぼさず、かつ、商標の同一性を損なわないときに、使用商標と当該登録商標とが社会通念上同一の商標であると見るべきである。 そこで、本件についてみれば、本件商標は、横書きした「きらめき」のひらがな文字のみからなる構成である(この文字を縦書きにしても社会通念上同一であることには異存はない)。 他方、使用商標は、乙第2号証(枝番を含む)によれば、「燦」の漢字と、この漢字の右側上方部分に小さく「きらめき」のひらがなを縦書きに表してなるものであることが明らかである。この「燦」の漢字を「きらめき」と読むことが全くないとは言えないものの、これを「さん」と読むのが極く自然である(甲第3号証ないし甲第8号証)。通常において、「きらめき」と読む漢字が「煌」であることは、これら各甲号証により明かであり、これら読み方が商標として採択されていることも多々見られるところであるから(甲第9号証)、「きらめき」といえば「燦」、「燦」といえば「きらめき」と直ちに感受されることはあり得ないというべきである。使用商標は、その態様からしても「燦」の文字が主要構成部分であって、「きらめき」の文字は、「燦」の読みを限定的に特定したものと見るべきであり、その全体が外観において緊密な一体性を有しているものである。 仮に、上記のような構成の使用商標が、本件商標と社会通念上同一の商標であるといえるのであれば、例えば、「煌」の漢字と、この漢字の右側上方部分に小さく「きらめき」のひらがなを縦書きに表してなる商標も、当然にして本件商標と社会通念上同一の商標であるといえ、その範囲が定まらないことになる。 そうすると、使用商標は、「燦」の漢字からなる商標であるか、或いは、使用商標において顕著な構成部分を占める「燦」の漢字を付加した商標であると見るべきであって、明らかに本件商標の同一性を損なうものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標と言うことができない。 3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求める。と答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証(枝番を含む。)を提出した。 被請求人は、本件商標を大阪市高槻市在の丸大食品株式会社に通常使用権の使用許諾をしている。(乙第1号証) 通常使用権の被許諾者である丸大食品株式会社は、ブライダルギフト用のパンフレットの折詰商品中のミニサラミ、カマンベール入りチーズかまぼこ、フィッシュバーガー、フォルゲ(ドライソー)等の商品に商標「きらめき」を縦書きで使用している。 このパンフレットは、2004年の7月15日、8月15日、9月15日、10月15日に凸版印刷株式会社から納品され、仙台、山形、福島、郡山、会津若松、水戸、新潟、佐渡、長岡、塩尻、伊那等の店舗、結婚式場に配布したものである。(乙第2号証の1ないし乙第2号証の4、乙第3号証) そして、これらの商品は、仙台、山形、福島、郡山、会津若松、水戸、新潟、佐渡、長岡、塩尻、伊那等の店舗、結婚式場に販売されているものである。(乙第3号証) 折詰商品中のミニサラミ、カマンベール入りチーズかまぼこ、フィッシュバーガー、フォルゲ(ドライソー)等の商品に使用されている商標「きらめき」は縦書きとなっているが、「きらめき」の文字を横書きしてなる本件商標とは、観念、称呼を同一にするもので、社会通念上同一といい得る商標である。 そして、折詰商品中のミニサラミ、カマンベール入りチーズかまぼこ、フィッシュバーガー、フォルゲ(ドライソー)等の商品は、本件審判の請求に係る本件商標の指定商品中の「加工食料品」の範疇に属する商品である。 そうしてみると、本件商標は、本件審判の請求の登録の日前3年以内に日本国内において、通常使用権者が本件審判の請求に係る指定商品に属する商品について、登録商標の使用をしていたこと明白である。 したがって、本件商標は、商標法第50条第1項、同第2項により取り消されるべきでない。 4 当審の判断 被請求人は、乙第1号証ないし乙第3号証(枝番を含む。)を提出し、被請求人より許諾を受けた丸大食品株式会社が、本件審判の請求に係る指定商品に属する商品について、本件商標の使用をしていた旨主張している。 そこで、被請求人の提出に係る前記証拠についてみるに、乙第2号証の1ないし乙第2号証の4のパンフレット及び納品伝票によれば、通常使用権者と認められる丸大食品株式会社(以下「通常使用権者」という。)がブライダルギフト用のパンフレットの折詰商品中のミニサラミ、カマンベール入りチーズかまぼこ(以下「使用商品」という。)等の商品に「燦」の漢字と、その漢字の右側上方部分に小さく「きらめき」の平仮名文字を縦書きに表してなる商標(以下「使用商標」という。)を使用していることが認められる。 そして、その使用商標は、前記のとおりの構成よりなるものであって、その使用商標中の平仮名文字の「きらめき」は、漢字の「燦」に比較して小さく表され、また、「燦」が通常「サン」と読まれるとしても、「燦」を「きらめき」と読まないとまではいい得ないものであるから、「きらめき」の文字が「燦」の読みを特定したものと認められることを考慮すれば、平仮名文字の「きらめき」は、本件商標と社会通念上同一の商標といわざるを得ない。 また、その使用商品は、請求に係る商品である「加工食料品(他の類に属するものを除く)」の範疇に属する商品と認められる。 さらに、前記パンフレットは、2004年7月15日、2004年8月15日、2004年9月15日及び2004年10月15日に、凸版印刷株式会社から通常使用権者へ納品され、通常使用権者は、そのパンフレットを仙台、山形、福島等の店舗、結婚式場に配布し、それに基づき使用商品を販売していることが認められるから、本件審判の請求の登録前3年以内に使用商品を使用していたものと認めざるを得ない。 してみれば、本件商標は、被請求人が提出した証拠を総合勘案すれば、通常使用権者により、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を、継続して本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る商品中使用商品について使用していたものといわなければならない。 なお、請求人は、使用商標は、「燦」の漢字からなる商標であるか、或いは、使用商標において顕著な構成部分を占める「燦」の漢字を付加した商標であると見るべきであって、明らかに本件商標の同一性を損なうものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標と言うことができない旨主張しているが、本件については前記認定のとおり、平仮名文字の「きらめき」が本件商標と社会通念上同一の商標といわざるを得ないから、この点に関する請求人の主張は採用することができない。 したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「加工食料品(他の類に属するものを除く)」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきではない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-01-23 |
結審通知日 | 2006-01-27 |
審決日 | 2006-02-08 |
出願番号 | 商願昭61-1932 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(132)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 佐久 菊男 |
特許庁審判長 |
柴田 昭夫 |
特許庁審判官 |
小川 有三 岩崎 良子 |
登録日 | 1988-05-26 |
登録番号 | 商標登録第2048345号(T2048345) |
商標の称呼 | キラメキ |
代理人 | 戸村 隆 |
代理人 | 矢崎 和彦 |
代理人 | 吉武 賢次 |
代理人 | 小泉 勝義 |