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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z36
管理番号 1134469 
審判番号 取消2005-30490 
総通号数 77 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-05-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2005-04-25 
確定日 2006-03-17 
事件の表示 上記当事者間の登録第4337368号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4337368号商標の指定役務中第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」についての登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4337368号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成10年6月22日登録出願、第35類、第36類、第41類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同11年11月19日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。
1 請求の理由
請求人の調査によれば、本件商標は、その指定役務中第36類「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」(以下「取消対象指定役務」という。)について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないこと、及び本件商標を使用していないことについて何ら正当な理由が存する事実もないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
また、本件商標は、商標登録原簿(甲第1号証)に明らかなように、平成17年4月22日現在、他人に専用使用権を設定若しくは通常使用権を許諾した形跡の記載もない。
2 答弁に対する弁駁
乙第1号証ないし乙第15号証を精査してみても、取消対象指定役務について、現実の使用を立証するものは見当たらず、また被請求人が答弁書で自認するように、「学校法人である以上、建物の管理等の取消対象指定役務を直接業務内容とするものではない」から、被請求人が、取消対象指定役務について本件商標を使用していないのは明らかである。
提出された証拠を個別に検討すると、本件審判請求の取消対象指定役務のうち、「建物の貸借の代理又は媒介、建物の売買、建物の売買の代理又は媒介、建物又は土地の鑑定評価、土地の貸借の代理又は媒介、土地の売買、土地の売買の代理又は媒介、建物又は土地の情報の提供」については、使用を立証する証拠は全く見当たらない。
被請求人は、「土地及び建物の貸与」の役務について、長野県佐久市春日所在の旅館「かすが荘」など、被請求人の所有する土地、建物、施設を第三者に貸与している事実(乙第9号証及び乙第11号証ないし乙第14号証)を挙げるが、その具体的内容を見ると、財団法人保健衛生協会への貸与については、当該団体の本部が被請求人自身の構内にあり、かつ、その代表者が被請求人の理事長と同一人である(甲第3号証)ことから、第三者との通常の賃貸契約とはいえず、また株式会社ツアープランナーオブジャパン、株式会社三越への貸与は、学園施設内において学生の厚生のために設けたと思われる旅行代理店や売店に係る施設貸与契約であり、その他の契約も、被請求人の遊休土地を駐車場等に貸し出す程度の内容を推認させるにすぎず、商標法の定める「業としての役務」の実施の実体がないことは明白である。
これらの契約に関し、被請求人が「これらの土地建物等の貸借契約においては、その契約書に被請求人や聖徳学園グループの前記シンボルマークをいちいち提示したり、掲げたりすることはないのが一般である」と自認しているとおり、本件商標を使用していないのであるから、本件商標の使用を示す証拠になり得ず、使用実績がないことは明らかである。
また、被請求人は、「土地及び建物の管理」の役務について、旅館「かすが荘」の管理を直接行ない、その広告が本件商標付きでインターネット上に掲載されていること(乙第10号証)を根拠に、本件商標は使用実績があると主張する。
しかしながら、自己の施設を自分で管理することは、商標法第2条第1項第2号に規定する「業としての役務」に当たらないのは明白であり、「土地及び建物の管理」を実施しているとはいえない。
仮に、被請求人自身が旅館業を行っているとしても、それは「ホテルの事業の管理、宿泊施設の提供等」(第35類又は第43類)に当たり、本件審判請求の取消対象指定役務とは無関係である。
さらに、被請求人は、本件商標の使用の証拠として、乙第7号証及び乙第8号証を挙げるが、それらは、公開講座の案内及び研究会機関紙に本件商標が付されていることを示すものにすぎず、本件審判請求の取消対象指定役務について付されたことを立証するものではないから、本件商標の使用の事実を示す証拠にはなり得ない。
以上に触れた証拠以外の証拠(乙第1号証ないし乙第6号証及び乙第15号証)は、本件審判請求の取消対象役務の使用事実の立証とは無関係であるから、ここで論ずるまでもない。
以上のとおり、被請求人は、「ホテルの事業の管理」、「宿泊施設の提供」など、本件審判請求の取消対象指定役務と無関係な役務についての立証資料を提出するのみで、なんら本件審判請求の取消対象指定役務について、本件商標の使用事実の立証を行っていない。
したがって、被請求人の答弁書は意味を持たず、本件商標は、請求どおり取り消されるべきものである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第15号証(枝番を含む)を提出した。
1 本件商標を指定役務について使用している事実
(1)被請求人のシンボルマークについて
被請求人は、昭和8年4月10日に設立された学校法人であり、首都圏(東京・千葉・茨城)において、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、専門学校、大学、大学院等を運営しており(「リクナビ:学校法人東京聖徳学園」)(乙第1号証)、幼稚園から大学院までを擁した総合学園(以下「聖徳学園グループ」という。)である。
被請求人は、「聖徳学園の沿革」と題する資料(乙第2号証)からも明らかなように、昭和8年4月の聖徳家政学院、新井宿幼稚園の創立に始まり、子女教育、女子教育に当たってきたものであるが、昭和63年4月には旧厚生省より、専攻科保育専攻第一部、家政学科食物栄養専攻生活福祉コースに対して、介護福祉士の授与資格の指定を受けている。
被請求人は、平成10年に新しいシンボルマークを採用することとなり、日本を代表する世界的にも著名なグラフィックデザイナー永井一正氏に依頼してデザインされたのが本件商標のマークである。
このシンボルマークは、「S」を人に見立てて、「聖徳学園グループ」の理念である聖徳太子の十7条憲法による「和の精神」(礼節、知育、勤労)の「和」、連帯感、人間づくりを象徴しており、また、[未来・地球=青]と、[人=赤]の調和を象徴する赤みがかったブルー「ヒューマンブルー」が施されていることから、この「ヒューマンブルー」をスクールカラーとして設定した(乙第3号証)。
このロゴタイプは、デザイナー必携の書とされている「ロゴ スタイルブック」(株式会社ワークスコーポレーション発行)(乙第4号証)にも掲載されている。
被請求人は、前記新シンボルマークを採用後、聖徳学園グループの全ての封筒、書簡用紙、電車内広告を含む全ての広告宣伝媒体等にこのシンボルマークを大々的に使用し(乙第5号証)、過去5年間だけでも部門別印刷製本費/広告費は総計で約56億円を投じており(乙第6号証)、現今においてはこのシンボルマークを見れば被請求人を想起する程度に周知著名となっているのである。
また、「聖徳大学」では平成4年度からは「聖徳大学オープン・アカデミー(SOA)」として各種の分野の一般向け公開講座も開いており(乙第2号証)、以後も継続している(乙第7号証及び乙第8号証)が、これらの案内文書には前記シンボルマークが必ず付されている。
本件商標は、このシンボルマークを黒色表示して登録出願したものである。
(2)被請求人と取消対象指定役務との関係について
被請求人は、学校法人である以上、本件審判請求の取消対象指定役務として記載されている「建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介,建物又は土地の情報の提供」の役務を直接業務内容とするものではない。
しかし、被請求人は、同人の保有する土地、建物、施設等の有効利用を図るために、事実上、土地・建物等の賃貸の役務を行っており、例えば、長野県北佐久郡望月町大字春日字萱久保口(現長野県佐久市春日)所在の土地及び該土地に建築されている建物「かすが荘」は財団法人保健衛生協会に貸与している(乙第9号証)が、この施設の管理は被請求人が直接行っている。この「かすが荘」はインターネット上にも掲載されており、標題部には被請求人の前記シンボルマークが付されている(乙第10号証)。
また、前記財団法人保健衛生協会には、三田校舎の一部を貸与したり(乙第11号証)、聖徳大学クリスタルホールを株式会社ツアープランナーオブジャパンに賃貸し(乙第12号証)、あるいは株式会社三越には聖徳大学クリスタルホールの一部を賃貸している(乙第13号証)。
その他にも多数の土地建物等に関して賃貸しており、これらをリストアップしたものが「土地建物等に関する契約書類等(写)」(乙第14号証)である。
これらの土地建物等の貸借契約においては、その契約書に被請求人や聖徳学園グループの前記シンボルマーク等をいちいち提示したり掲げたりすることはないのが一般であるが、前記のように、被請求人(聖徳学園グループ)=前記シンボルマークの関係として一般に認識されるものである。
よって、前記シンボルマークである本件商標は、本件審判請求の取消対象指定役務に現実に使用されているものと解すべきである。
2 請求人の商標登録出願について
請求人は、取消対象指定役務を包含している役務の区分(第36類、第42類及び第43類)について、被請求人の前記シンボルマークとその構成が極めて近似した商標(以下「請求人商標」という。)を登録出願をしており、この登録出願に対して本件商標を引用されて拒絶理由通知を受けたため、請求人は本件審判請求に及んだものである(乙第15号証)。
請求人商標の構成は、被請求人の前記シンボルマークとは、図形形状、デザイン構成及びブルーを基調とする色彩まで近似しており、そのデザイン構成は著作物的にも酷似したものとなっている。
このことは、本件審判請求事件とはカテゴリーの異なる問題ではあるが、本件商標は前記のように取消対象指定役務について事実上現実に使用しているにかかわらず、誤って取り消されて請求人商標が登録され使用された場合には、被請求人のシンボルマークの著名性から、その役務について被請求人と何らかの関連を有するかの如き誤認混同が生じるおそれがあるのである。
3 以上のように、本件商標は、継続して3年以上日本国内において被請求人が取消対象指定役務に現実に使用しているものであるから、商標法第50条第1項の規定の適用はなく、本件審判請求は理由がない。

第4 当審の判断
1 使用の事実について
乙第1号証ないし乙第15号証(枝番を含む)を検討しても、本件審判請求の取消対象指定役務のうち、「建物の貸借の代理又は媒介、建物の売買、建物の売買の代理又は媒介、建物又は土地の鑑定評価、土地の貸借の代理又は媒介、土地の売買、土地の売買の代理又は媒介、建物又は土地の情報の提供」については、実際に使用していたことを立証する証拠は全く見当たらない。
また、「土地及び建物の貸与」の役務については、被請求人は、長野県佐久市春日所在の旅館「かすが荘」など、被請求人の所有する土地、建物、施設を第三者に貸与している事実(乙第9号証及び乙第11号証ないし乙第14号証)を挙げるが、その具体的内容を見ると、財団法人保健衛生協会への貸与については、当該団体の本部が被請求人自身の構内にあり、かつその代表者が被請求人の理事長と同一人である(甲第3号証)ことから、第三者との通常の賃貸契約とはいえず、また株式会社ツアープランナーオブジャパン、株式会社三越への貸与は、学園施設内において学生の厚生のために設けたと思われる旅行代理店や売店に係る施設貸与契約であり、その他の契約も、被請求人の遊休土地を駐車場等に貸し出す程度の内容を推認させるにすぎず、商標法の定める「業として役務を提供」しているとは認め難いものである。
被請求人は、自身が学校法人である以上、本件審判請求の取消対象指定役務を直接業務内容とするものでないと答弁し、上記の契約に関しても、被請求人が「これらの土地建物等の貸借契約においては、その契約書に被請求人や聖徳学園グループの前記シンボルマークをいちいち提示したり、掲げたりすることはないのが一般である」と本件商標を使用していないことを自認しており、本件商標の使用を示す証拠とはなり得ないものである。
また、「土地及び建物の管理」の役務については、被請求人は、旅館「かすが荘」の管理を直接行ない、その広告が本件商標付きでインターネット上に掲載されていること(乙第10号証)を根拠に、本件商標は使用実績がある旨を主張している。
しかしながら、自己の施設を自分で管理することは、商標法第2条第1項第2号に規定する「業として役務(土地及び建物の管理)を提供」しているとは認められないものであり、仮に、被請求人自身が旅館業を行っているとしても、それは「ホテルの事業の管理、宿泊施設の提供等」(第35類又は第43類)に当たり、本件審判請求の取消対象指定役務とは無関係のものである。
さらに、被請求人は、本件商標の使用の証拠として、乙第7号証及び乙第8号証を挙げるが、それらは、公開講座の案内及び研究会機関紙に本件商標が付されていることを示すにすぎず、本件審判請求の取消対象指定役務について、本件商標の使用の事実を示す証拠とは認められない。
また、以上で述べた証拠以外の証拠(乙第1号証ないし乙第6号証及び乙第15号証)は、本件審判請求の取消対象指定役務に係る本件商標の使用事実を立証する証拠とは無関係なものである。
以上のとおり、被請求人は、「ホテルの事業の管理」、「宿泊施設の提供」など、本件審判請求の取消対象指定役務とは無関係な役務についての使用事実を立証するための資料を提出するのみで、なんら本件審判請求の取消対象指定役務に係る使用事実の立証を行っていない。
2 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについて、登録商標が商取引の実際において使用されていたことを(又は、使用をしていないことについて正当な理由があることを)証明しない限り、その登録の取消を免れない。
しかして、被請求人は、前記のとおり答弁し、上記の乙各号証を提出したのみであり、かつ、提出に係る上記の乙各号証は、いずれも前述のとおり不十分なものであって、本件審判請求の取消対象指定役務に係る役務が実際に使用されていたことを把握できないものであるから、これらの証拠をもっては、被請求人により本件審判請求の取消対象指定役務に係る役務ついて、本件商標が使用されたことを確認することができない。他に、上記の認定・判断を覆す証拠は見当たらない。
3 してみれば、被請求人(商標権者)は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の指定役務中取消対象指定役務に係る役務ついて、本件商標を使用していた事実を証明していない。
また、被請求人は、本件商標を取消対象指定役務に係る役務について使用をしていなかったことについて、正当な理由があることを明らかにしていない。
4 まとめ
以上のとおりであるあるから、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定役務中「結論掲記の指定役務」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
















本件商標




審理終結日 2006-01-12 
結審通知日 2006-01-18 
審決日 2006-02-03 
出願番号 商願平10-52121 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Z36)
最終処分 成立 
前審関与審査官 田中 幸一 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 中村 謙三
井岡 賢一
登録日 1999-11-19 
登録番号 商標登録第4337368号(T4337368) 
代理人 志賀 正武 
代理人 瀧野 秀雄 
代理人 高柴 忠夫 
代理人 高橋 詔男 
代理人 渡邊 隆 
代理人 垣内 勇 
代理人 今井 貴子 
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