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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Z09
審判 査定不服 観念類似 登録しない Z09
審判 査定不服 外観類似 登録しない Z09
管理番号 1132884 
審判番号 不服2002-2791 
総通号数 76 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-02-19 
確定日 2006-02-28 
事件の表示 商願2000- 79926拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「sPAC」の文字を横書きした構成よりなり、第9類「チップセット」を指定商品として、平成12年7月18日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第2716070号商標(以下「引用商標」という。)は、「スパック」の片仮名文字を横書きしてなり、平成元年7月27日登録出願、第11類「電気機械器具その他本類に属する商品」を指定商品として、平成8年9月30日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
本願商標は、その構成前記のとおり「sPAC」の欧文字よりなるところ、その構成文字中の語頭「s」は小文字により、他の文字は大文字により構成されてなるとはいえ、同様の書体、同じ間隔により一連に書されたと看取されるものであり、外観上一体に強く結合しているとみることができるものである。そして、かかる構成文字全体からは、特定の意味合いを理解させ得る語とは認められないものであり、読みが特定されない欧文字の造語にあっては、一般的に英語風の読みに倣って読まれ、称呼されるとみるのが自然であるから、本願商標は、「スパック」の称呼を生ずる造語よりなるものとみるのが相当である。
これに対し、引用商標は、前記とおり、「スパック」の片仮名文字を書してなり、これよりは「スパック」の称呼が生ずること明らかであり、特定の観念を生ずることのない造語と認められるものである。
してみると、本願商標と引用商標とは、「スパック」の称呼を共通にするものであるから、外観において相違し、観念上比較すべくもないとしても、その称呼において相紛らわしい類似する商標とみるのが相当である。
そして、引用商標の指定商品中には本願商標の指定商品と同一又は類似の商品が含まれているものである。
請求人は、概略、「(1)本願商標の構成中の「s」の文字と「PAC」の大きさの差異は顕著であり、全体として4文字と少ない文字を以て構成されていることに鑑みると、文字の大きさの差異が商標全体の印象に与える影響は大きい。(2)本願商標にあっては、需要者・取引者をして「s」の文字は、他の文字「PAC」と分離独立する態様で表されていると容易に看取し得るものであり、このような場合にあっては「s」の文字を「ス」と称呼するより「エス」と称呼するのが一般的である。(3)本願商標は「エスパック」のみの称呼をもって取り引きに資され、それ以外の称呼をもって取り引きに資されるとは考えられない。(4)「エスパック」の称呼は、本願商標の構成態様から極めて自然に認識し得る称呼であり、かつ、その称呼も一気一連に淀みなく称呼できることからすると、本願商標より「エスパック」以外の称呼をも生ずるとするのは妥当ではない。(5)第40類において「ステック」なる登録商標が存在するにもかかわらず、「STEC」なる商標の登録が認められている。」旨主張している。
しかし、我が国においては、外国語のうちでは英語の普及率が圧倒的に高く、商業広告でも、英語が使用される頻度が他の外国語が使用される頻度よりも非常に高いという実情からすると、外国語と思われる商標に接した者は、一般には、自己の有する英語の知識に従って、これを英語風に読もうとするものと解される。そして、例えば、「spark」は「スパーク」のように、「sparkling」は「スパークリング」のように、「spat」は「スパッツ」のように、「spanner」は「スパナー」のように、「spanish」は「スパニッシュ」のように、「sparring」は「スパーリング」のように、「sparta」は「スパルタ」のように、「span」は「スパン」のように、「spa」は「スパ」のように発音されるなど、「spa」から始まる語で「スパ」と発音される語が英語に珍しくない。
そうとすれば、上述した「spark」等の発音などからして、本願商標は、「スパック」と称呼される場合も決して少なくないというべきであって、本願商標から「エスパック」の称呼が生ずることは否定することができないとしても、それが「スパック」の称呼よりも普通の称呼であるということはできないし、また、一般の取引者、需要者が「エスパック」と称呼して「スパック」とは称呼しないほどに当然の称呼であるということもできないものである。
そうである以上、本願商標は、その文字構成から「エスパック」の称呼の生じる余地があるとしても、そのことをもって、「スパック」の称呼が生じないということはできないものである。また、本願商標の商標法4条1項11号該当性は、本件における引用商標との類否判断により決せられるべきものであって、対比される商標の具体的な構成等を異にする他の登録例は、上述の判断を左右するものではないから、請求人の主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第4条1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-09-26 
結審通知日 2005-09-28 
審決日 2005-10-18 
出願番号 商願2000-79926(T2000-79926) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Z09)
T 1 8・ 261- Z (Z09)
T 1 8・ 263- Z (Z09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岡田 美加海老名 友子 
特許庁審判長 田辺 秀三
特許庁審判官 大橋 信彦
高野 義三
商標の称呼 エスパック、スパック 
代理人 藤野 育男 
代理人 朝日 伸光 
代理人 高橋 誠一郎 
代理人 吉澤 弘司 
代理人 産形 和央 
代理人 加藤 伸晃 
代理人 本宮 照久 
代理人 越智 隆夫 
代理人 岡部 正夫 
代理人 高梨 憲通 
代理人 臼井 伸一 

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