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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Y29
審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Y29
審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Y29
審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Y29
審判 全部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Y29
管理番号 1131575 
異議申立番号 異議2003-90643 
総通号数 75 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2006-03-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-10-06 
確定日 2006-01-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第4688590号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4688590号商標の指定商品中「イタリア国パルマ地方産の生ハム以外の商品」についての登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件に係る登録第4688590号商標(以下「本件商標」という。)は、「MAPLE LEAF PARMA」の文字を標準文字により書してなり、平成14年5月24日に登録出願、第29類「イタリア風味の肉製品」を指定商品として、同15年7月4日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立の理由(要点)
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記のとおり、商標権者の商号(略称)及びカナダ国旗、「カエデの葉」を意味する「MAPLE LEAF」と「PARMA」の文字を結合させた構成からなるから、「パルマ」の独立した称呼が生じる。これに対し、登録第4388216号商標(平成11年5月31日登録出願、指定商品第29類「ハム」:以下「引用A商標」という。)は、別掲(1)のとおり、王冠を模した図形の中心部に大きく「PARMA」の文字を書してなり、「パルマ」の称呼が生じる。
また、登録第4584290号商標(平成13年9月20日登録出願、指定商品第29類「イタリア国パルマ地方産の生ハム」:以下「引用B商標」という。)は、別掲(2)のとおり、中心部に大きく「PARMA」の文字を書した王冠の図形と下部に「PROSCIUTTO DI PARMA」の文字を書してなり、王冠図形中及び下部の文字部分から「パルマ」の称呼が生じる。
したがって、本件商標と引用A商標及び引用B商標は「パルマ」の称呼を共通にする類似の商標である。また、本件商標と引用A商標及び引用B商標は、その指定商品も同一又は類似のものである。
(2)商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号について
肉製品、特にハムについて「PARMA」商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)及びその構成員の商標として、世界的に著名である。
したがって、本件商標は、他人である申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標に類似する商標であり、その商品またはこれらに類似する商品に使用するものである。
また、本件商標がその指定商品に使用された場合は、申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがある。
さらに、本件商標は、申立人が長年にわたり築いてきた業務上の信用に只乗りするものである。
(3)商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、「イタリア風味の肉製品」を指定商品とするところ、これを「ハム」などに使用した場合、需要者、取引者は申立人の管理下にあるパルマ産の生ハムと品質の誤認を生じるおそれがある。
(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号、同第16号及び同第19号に違反してされたものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものである。

3 取消理由通知
当審において、商標権者に対して平成16年12月20日付けで要旨次のとおり、本件商標の指定商品中「イタリア国パルマ地方産の生ハム以外の商品」について、取り消すべき旨の取消理由を通知した。
<取消理由>
申立人提出に係る証拠によれば、スペインの「ハモンセラーノ」「中国の金華ハム」と並ぶ世界三大生ハムの一つとして知られるイタリア、パルマ地方産の「パルマ生ハム(Prosciutto di PARMA)」について、パルマ地方が有する特殊な気候、パルメザンチーズの乳奨を混合した飼料により育てられた豚を原料とし、その生産工程の各段階において申立人の品質管理の下に生産され、かつ、申立人の検査に合格した生ハムだけに品質を保証するものとして、別掲(3)のとおりの五つ星の王冠図形内に「PARMA」の文字を現した申立人認定の焼印が押されることや、これと同一態様になる標章及び「パルマハム」の表示をもって、該ハムに関するレシピー等の紹介等が我が国の各紙新聞紙、雑誌に多数取り上げられていること、及び2000年には我が国で「パルマハム・インフォメーションセンター」の設立がされ、販売促進活動が行われているなどの事実が認められる。そうすると、申立人及びその構成員の生産にかかる生ハムについて使用される別掲(3)標章、及び我が国の各紙新聞紙、雑誌等に掲載される「パルマハム」の表示から、食品分野では、本件商標の登録出願ないし査定時には既に我が国の取引者、需要者の間において、単に「PARMA」ないし「パルマ」の文字によっても、パルマ地方産という原産地表示との理解がされ、「パルマ地方産の生ハム」を連想又は想起するものというのが相当である。
してみると、本件商標は、上記のとおり「MAPLE LEAF PARMA」の文字を書してなるところ、構成中の「MAPLE LEAF」の文字部分は「カエデの葉」の意味を有する語としてよく知られているものであって、これと「PARMA」の文字部分とを常に一体不可分に把握しなければならないような事由は見出せず、上述の事情を総合勘案すれば「PARMA」の文字を含む本件商標を、その指定商品中「イタリア国パルマ地方産の生ハム以外の商品」について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、当該商品がパルマ地方産の生ハムであるかのように、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものとしなければならない。

4 当審の判断
(1)取り消すべき商品について
商標権者は、上記3の取消理由通知書に対し、所定の期間を経過するも、何ら意見を述べるところがない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「イタリア国パルマ地方産の生ハム以外の商品」について、さきの取消理由により、商標法第4条第1項第16号に違反してされたものというべきであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。
(2)その余の指定商品について
(ア)商標法第4条第1項第11号の該当性
本件商標は、上記のとおり「カエデの葉」の意味合いを理解する「MAPLE LEAF」の文字と「イタリア国パルマ地方」を理解させる「PARMA」とを結合して一連に書してなるところ、構成中後半の「PARMA」の文字部分は、イタリア国の地名を表したものと理解させるに止まり、これ以上に独立して自他商品識別標識として機能するような格別の事情は認められない。
してみれば、本件商標からは、単に「パルマ」の称呼を生じるものといえないから、これを前提に本件商標と引用A商標及び引用B商標との類似を述べる申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用A商標及び引用B商標とは、共にその構成中に「PARMA」の文字を有するとしても、その他の構成要素(五つ星の王冠図形、MAPLE LEAFの文字)の相違において、外観、称呼及び観念のいずれにおいても類似しない別異の商標といわなければならない。
(イ)商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号の該当性
申立人の業務に係る商品「イタリア国パルマ地方産の生ハム」に使用される標章、すなわち、別掲のとおり、顕著に描かれた王冠を模した図形内に普通に用いられる書体で「PARMA」の文字を配してなる標章については、その周知・著名性を認め得るとしても、申立人提出に係る証拠によって、その構成中の「PARMA」の文字自体がイタリア国の一地名と理解される以上に、これが独立して特定業者の取扱に係る商品の出所標識として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものとは俄に認め難いものである。
そうすると、本件商標と申立人使用に係る標章とは、その構成中に「PARMA」の文字を有するとしても、商標法第4条第1項第11号について上述したことと同様に、その他の構成要素の相違において別異の商標と判断できるから、本件商標をその指定商品中「イタリア国パルマ地方産の生ハム」に使用した場合、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものといわざるを得ない。
さらに、商標権者が本件商標を採択・使用することについて、不正の目的があったとすべき証左も見出せず、その事実は認められない。
(ウ)商標法第4条第1項第16号の該当性
本件商標は、構成中に「PARMA」の文字を有するとしても、その指定商品中の「イタリア国パルマ地方産の生ハム」について使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれはない。
(エ)以上のとおり、本件商標の登録は、本件登録異議の申立てに係る指定商品中「イタリア国パルマ地方産の生ハム」については、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号、同第16号及び同第19号のいずれにも違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。
別掲 <別掲>
(1)引用A商標



(2)引用B商標



(3)申立人の保証標章




異議決定日 2005-08-25 
出願番号 商願2002-42835(T2002-42835) 
審決分類 T 1 651・ 272- ZC (Y29)
T 1 651・ 25- ZC (Y29)
T 1 651・ 222- ZC (Y29)
T 1 651・ 271- ZC (Y29)
T 1 651・ 26- ZC (Y29)
最終処分 一部取消  
特許庁審判長 田辺 秀三
特許庁審判官 高野 義三
佐藤 達夫
登録日 2003-07-04 
登録番号 商標登録第4688590号(T4688590) 
権利者 メイプル・リーフ・フーズ・インコーポレーテッド
商標の称呼 メープルリーフパルマ、メープルリーフパーマ、メープルリーフ 
代理人 鈴江 武彦 
代理人 小出 俊實 
代理人 石川 義雄 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 松尾 和子 
代理人 大島 厚 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 中村 稔 

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