• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y09141825
審判 全部申立て  登録を維持 Y09141825
管理番号 1131509 
異議申立番号 異議2005-90053 
総通号数 75 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2006-03-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2005-01-31 
確定日 2006-01-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第4813997号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4813997号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4813997号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第9類、第14類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年1月23日に登録出願、同年10月29日に設定登録されたものである。

2 本件登録異議申立ての理由
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の登録商標を引用し、本件商標と引用商標とは、ともにローマ字「V」と「A」を図案化したものと容易に認識され、ともに「ブイエイ」「ブイトエイ」「ブイアンドエイ」の称呼を生じ、ともに「『ブイ』と『エイ』」若しくは「ブイアンドエイ」の観念を生ずるので、外観上の類似性について論じるまでもなく、称呼・観念上類似する商標であるから、結局、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものである旨述べた。

申立人の引用登録第4488046号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、第3類、第4類、第8類、第9類、第11類、第14類、第16類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類、第27類、第28類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年11月2日に登録出願、同13年7月6日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、英国ロンドンに所在する「V&A(ブイアンドエイ)」の愛称で親しまれている「ヴィクトリア&アルバート ミュージアム」を表示する著名なシンボルマークであるとともに、該ミュージアムに許諾された商品に使用されている著名な商標である。当該「V&A ミュージアム」は、装飾美術の分野では、世界一の規模を誇る英国の国立美術館であり、ロンドンのサウス・ケンジントンに位置し、ヴィクトリア女王とその夫君アルバート公の名を冠するこの美術館は、1851年にロンドンで行われた第一回万国博覧会を機に、近代デザインの思想を促進、浸透させるという意図のもとに、1852年に創立された産業博物館が基となっている。その後、1857年にサウス・ケンジントン博物館と名称を変え、1899年のその創設に果たしたアルバート公の功績を称えて、現在の「ヴィクトリア&アルバート ミュージアム」(すなわち「V&A ミュージアム」)へと改称された。同館には、約500万点もの様々な美術品や工芸品が所蔵されており、その中で、特に、ウイリアムス・モリス・コレクションは、世界的に有名である(甲第3号証ないし甲第16号証)。「V&A ミュージアム」は、1996年より「V&A」のロゴを採用し、全世界的に引用商標を使用している(甲第19号証等)。
申立人である「ブイ アンド エー エンタープライジズ リミテッド」(V&A ENTERPRISES LTD.)は、「ヴィクトリア&アルバート ミュージアム(ブイアンドエイ ミュージアム)」の100%出資の事業部門専門の子会社である。申立人は、ブイアンドエイ ミュージアムの500万点を超える所蔵品の補修、進行活動の資金提供を目的として、1988年に設立されたものである(甲第16号証)。
してみれば、商標権者が、引用商標と類似する本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該商品が「V&A ミュージアム」に関連し、申立人又は申立人からライセンスを受けた者によって製造販売された商品であるかのごとく、商品の出所について、誤認、混同を生じることは疑いない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するというべきである。

3 当審の判断
(1)本件商標は、別掲(1)に示すとおり、アルファベットの「V」と「A」とおぼしき文字の先端部分が上下に交叉したモノグラムを描いてなるものである。
申立人は、本件商標から、「ブイエイ」、「ブイトエイ」、「ブイアンドエイ」の称呼を生ずる旨述べている。
しかしながら、本件商標は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなるところ、当該商標が世間一般において、申立人主張のような称呼をもって、取引に資されているという格別の事情があればともかく、一般的に見て、かかる構成の商標に接する取引者・需要者は、これを一種のモノグラムよりなる図形と容易に看取し、それが全体で不可分一体のものであると認識し、取引に資すると見るのが相当であるから、本件商標より申立人主張のような称呼を生ずるとは、到底認め難いところであり、また、本件商標より特定の観念を生ずるとすべき格別の事情も認められず、申立人においては、その主張を証する書面を何ら提出していない。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、その称呼及び観念について、比較し得ないものであり、また、それぞれの構成より見て、外観上も判然と区別し得るものである。
してみると、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点から見ても、十分に区別し得るものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。
(2)申立人提出に係る甲第3号証ないし甲第75号証によれば、引用商標が申立人の業務に係る商品「アクセサリー、かばん類、被服、靴」等を表示する商標として、本件商標の登録出願前より、その取引者・需要者の間において、相当程度に広く認識されている事実は、認め得るとしても、本件商標と引用商標とは、上記のとおり、その称呼、観念及び外観のいずれの点よりしても、十分に区別し得る商標である。
そうすると、商標権者が本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について、誤認・混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではない。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(1)本件商標

(2)引用商標

異議決定日 2005-12-20 
出願番号 商願2004-5289(T2004-5289) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (Y09141825)
T 1 651・ 271- Y (Y09141825)
最終処分 維持  
前審関与審査官 佐藤 松江 
特許庁審判長 大場 義則
特許庁審判官 鈴木 新五
柳原 雪身
登録日 2004-10-29 
登録番号 商標登録第4813997号(T4813997) 
権利者 株式会社ビギ
商標の称呼 ブイエイ 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 大島 厚 
代理人 井滝 裕敬 
代理人 松尾 和子 
代理人 佐々木 功 
代理人 川村 恭子 
代理人 中村 稔 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ