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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 128
管理番号 1131458 
審判番号 取消2005-30038 
総通号数 75 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-03-31 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2005-01-13 
確定日 2006-02-06 
事件の表示 上記当事者間の登録第981626号の1商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第981626号の1商標の指定商品中「第25類 運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く)及び第28類 運動用具」についての登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第981626号の1商標(以下「本件商標」という。)は、「PULSER」の文字を横書きしてなり、昭和45年9月7日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同47年9月22日に設定登録されたものである。
そして、当該商標権は、昭和55年4月21日に分割移転登録がされた結果、指定商品は、第24類「おもちや、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く)レコ-ドこれらの部品及び附属品、但し、楽器、演奏補助品、蓄音機、レコ-ド、これらの部品および附属品を除く」となったものである。
さらに、平成16年5月12日に指定商品を第25類「仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」及び第28類「おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具」とする書換登録がされているものである。
また、昭和58年1月27日、平成5年2月25日及び同14年9月10日の3回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされているものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品中第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」及び第28類「運動用具」について使用をしていないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中の上記商品についての登録を取り消すべきものである旨主張している。

3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第5号証を提出している。
(1)被請求人は、本件商標に関し2003年3月6日付けの商標権通常使用許諾契約書において、オーストリア国所在のアトミツク・オーストリア・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング(以下「アトミツク社」という。)に対し、「運動用具」の概念に含まれる商品「スキー及びスキー靴」について本件商標の使用を許諾している(乙第1号証)。
そして、通常使用権者であるアトミツク社は「スキー板」について本件商標と社会通念上同一と認められる「pulser」を使用しており、被請求人はその一端を証するため乙第2ないし第5号証を提出する。以下、これら乙各号証に対し簡単に説明を加える。
(2)乙第1号証は、被請求人と通常使用権者であるアトミツク社との間で締結された2003年3月6日付け商標権通常使用許諾契約書の写しであり、本件商標に関しその指定商品中「スキー及びスキー靴」について通常使用権が許諾されていることが明らかである。
乙第2号証は、アトミツク社製造のスキー板「M:11 PULS ti」の商品写真であり、矢印が示す箇所に「pulser」の表示がある。
乙第3号証は、アトミツク社製造のスキー板「M:10 PULS ti」の商品写真であり、矢印が示す箇所に「pulser」の表示がある。
乙第4号証は、アトミツク社のホームページからの抜粋写しであり、現行のホームページに乙第2及び第3号証で示した商品が掲載されていることから、乙第2及び第3号証の商品が現在実際に製造されていること、及び本件商標と社会通念上同一の範囲に属する商標「pulser」が使用されていることが分かる。
乙第5号証は、アトミツク社の商品パンフレットの写しであり、5頁目の矢印の箇所より、乙第5号証のパンフレットが2004〜2005年モデルの商品パンフレットであることが分かる。スキー商品は通常秋に一般消費者に向けてその冬の新商品を発表するものである。そのため、乙第5号証が2004年の秋に発行されたもの、すなわち、本件審判請求の登録前3年以内に発行されているものであることが分かる。
そして、乙第5号証の9頁目に乙第2号証で示した「M:11 PULS ti」の商品が掲載されていることから、少なくとも2004年秋には「M:11 PULS ti」が製造され、商標「pulser」が使用されていたことが分かる。
(3)以上の乙各号証により、本件商標と社会通念上同一と認められる商標「pulser」が、日本国内において、本件審判請求の登録前3年以内に「運動用具」の概念に含まれる「スキー板」について、通常使用権者である「アトミツク社」により実際に使用されていることが証明される。

4 当審の判断
(1)被請求人は、本件商標が通常使用権者によって使用されている旨主張し、証拠を提出しているので、乙各号証について検討する。
(ア)乙第1号証は、被請求人とアトミツク社間の商標権通常使用権許諾契約書の写しと認められ、これによれば、本件商標についてアトミツク社が通常使用権者の地位にあることが認められる。
(イ)乙第2及び第3号証は、商品「スキー板」の写真と認められるところ、被請求人は、これらがそれぞれアトミツク社製造のスキー板「M:11 PULS ti」及び「M:10 PULS ti」の商品写真であり、矢印が示す箇所に「pulser」の表示がある旨述べている。
しかしながら、被請求人が指摘する箇所に表示された文字は、極めて不鮮明であり、容易に判読し難いものである。注意深く観察すると、「titanium pulser」の如き文字が表示されていることがかろうじて判る程度であって、他に「pulser」の文字が単独で顕著に表示されている箇所は見当たらない。しかも、後述のとおり、「titanium pulser」の表音と認められる「チタニウムパルサー」の文字は商品「スキー板」の構造、機能等を表示したものとして理解し認識されるものである。
そして、該スキー板には、目に付きやすい箇所に「ATOMIC」及び「metron」の文字が顕著に表示されている。
そうすると、これに接する取引者・需要者は、顕著に表された「ATOMIC」や「metron」の文字部分を自他商品の識別標識として理解し認識することはあっても、上記「titanium pulser」中の「pulser」の文字部分をもって商品の識別標識と認識するとみるのは不自然というべきである。
(ウ)乙第4号証は、アトミツク社のインターネットホームページの写しと認められ、該ホームページには、乙第2及び第3号証として掲げるスキー板が掲載されていることが認められる。
しかしながら、スキー板自体に表示された文字は、乙第2及び第3号証以上に不鮮明であり、判読することはできない。加えて、商品の説明として、「『チタニウムパルサー』の採用により操作性とパワー伝達性を両立。」、「・・・・従来の『ベータ4+パルサー構造』へと再設計。」、「さらに優れた衝撃吸収性を発揮する『チタニウムパルサー』が、雪上を縦横無尽に・・・」等の記述がされている。
そうすると、かかる記述に接する取引者・需要者は、「チタニウムパルサー」ないしは「パルサー」の文字をスキー板に採用された部材、スキー板の構造等を表示したものと考えるのが自然であって、これを商品の出所表示・自他商品の識別標識として理解するとはいえない。
(エ)乙第5号証は、アトミツク社の商品パンフレットの写しであり、その9頁目に乙第2号証に掲げるスキー板が掲載されていることが認められる。
しかしながら、乙第4号証同様、スキー板自体に表示された文字は不鮮明であって、「ATOMIC」の文字以外には判読できない。加えて、乙第4号証同様、商品の説明として、「『チタニウムパルサー』の採用により操作性とパワー伝達性を両立。」、「・・・それぞれ独立して機能する4本のパルサーをスキー上で一体化。」、「なおパルサーには、マイルドなスキーフレックスにあわせた通常のプラスチックタイプと、剛性を強化してエッジグリップ力をさらに高める『チタニウムパルサー』があります。」等の記述がされ、さらに、スキー板の部分拡大図中に引出線を用い、スキー板に組み込まれた「パルサー」の位置が示されている。
その他、該パンフレット中に「パルサー」又は「pulser」の表示が示されている箇所は見当たらない。
そうすると、該パンフレット(乙第5号証:9頁目)に接する取引者・需要者は、乙第4号証同様、「パルサー」の文字をスキー板に採用された部材、スキー板の構造等を表示したものと考えるのが自然であって、これを商品の出所表示・自他商品の識別標識として理解するとはいえない。
(2)以上のとおりであるから、乙各号証によっては、本件商標が商品「スキー板」の商標として使用されているものということはできない。
その他、本件取消請求に係る商品について、本件商標が使用されていることを認めるに足る証拠はない。
(3)したがって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、本件商標を請求に係る指定商品について使用していなかったものというべきであり、また、その使用していないことについて正当な理由があるものとも認められないから、本件商標は、商標法第50条の規定に基づき、請求に係る指定商品についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-12-01 
結審通知日 2005-12-07 
審決日 2005-12-20 
出願番号 商願昭45-95489 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (128)
最終処分 成立  
特許庁審判長 田辺 秀三
特許庁審判官 高野 義三
久我 敬史
登録日 1972-09-22 
登録番号 商標登録第981626号の1(T981626-1) 
商標の称呼 パルサー、プルサー 
代理人 水野 勝文 
代理人 田中 克郎 
代理人 大賀 眞司 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 岸田 正行 

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