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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y42
管理番号 1131184 
審判番号 不服2004-8685 
総通号数 75 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-04-27 
確定日 2006-01-26 
事件の表示 商願2003-48939拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「FAQ」の文字と「エフエイキュー」の文字とを二段に書してなり、第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成15年6月12日に登録出願されたものである。
そして、その指定役務については、原審における平成16年1月27日付け及び当審における同年4月27日付けの手続補正書により、第42類「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『パソコンやインターネットの利用者から良く寄せられる質問に対する回答集』の意味を有する『Frequently asked question』の略称として認識されている『FAQ』の文字とその表音と認められる『エフエイキュー』の文字を上下二段に書してなるものであるが、該文字は、インターネットの利用者から寄せられるインターネットのホームページの設計・作成・保守や様々な電子計算機プログラムの設計・作成・保守及びインターネットの操作方法等に関する質問に至るインターネット関連の幅広い質問に対して、同じ質問が殺到すると対応しきれないことから、ユーザーサポートやマニュアル上で、これらの質問等に対する回答を『FAQを参照にする』というように1カ所にまとめてあることが一般的に行われている事実が認められるから、これを本願指定役務中、前記文字に照応するインターネットに関する役務に使用しても単に役務の質・内容を表示するにすぎず、自他役務を識別する標識としての機能を有しないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、上記のとおり「FAQ」の文字と「エフエイキュー」の文字とを二段に書してなるものであるところ、上段の「FAQ」の文字は、「fair average quality」あるいは「frequently asked questions」の略語(第2版略語大辞典 丸善株式会社発行)であって、「標準品、貿易での見本商品の条件」あるいは「よくある質問とそれへの回答を集めた出版物」等の意味を表す文字列と認められるものであり、また、下段の「エフエイキュー」の文字は、上記アルファベットの表音を片仮名で表記したものとたものと認められる。
しかして、「FAQ」あるいは該アルファベットの表音を表してなる「エフエイキュー」の語は、インターネットで生まれた用語であって、情報通信の分野では、「頻繁に尋ねられる質問」の意味を表す略語として親しまれているところであり、通常、ウェブサイトやニュースグループなどで、よくある質問が、それに対する答えとともに、一つのファイルにまとめられ、定期的に配布されたり、自由に参照できるように公開される形をとるものであって、初心者や入門者などにその都度答えを繰り返す代わりに、そのファイルを参照するように促すことで、時間と手間を省く事を目的とし、また、コンピュータ資源を無駄に使わなくて済むので、インターネットを利用するときのエチケットとなっているものである。
さらに、現在では、該語はより広い意味で使用され、頻繁に質問される可能性のある事項と回答があらかじめ記載された、問題集のようなものを指し、学校や企業を含めた各種の案内から新製品の使用マニュアルに至るまで用いられる用語になりつつあり、例えば、「○○○に関してよくある質問」の意味を表す語として「○○○FAQ」のように使用されたり、「FAQコンテンツ」「FAQ検索・管理システム」「FAQ作成」「FAQメンテナンス」「FAQの構築・管理」のように、広く使用されているところである。
そして、そのような状況の下で、FAQを簡単に作成したり管理するためのソフトウェアや、FAQ作成に必要な文書データ分析ソフトウェア等、FAQに関連するソフトウェアが一般に取引されており、少なくとも本願の指定役務と関係の深い電子計算機を取り扱う業界において、商品の品質、役務の質等を記述する語として使用されていることが認められる。
そうとすれば、これをその指定役務に使用した場合、本願商標に接する取引者、需要者は、「よくある質問」のごとき意味合いを容易に把握し、例えば、その役務が「よくある質問とそれへの回答集を作成・管理するための電子計算機用ソフトウェアの貸与」である旨、すなわち提供される役務の質あるいは内容を表示したものと理解するにとどまり、結局、これをもって自他役務の識別標識とは、認識し得なものというのが相当である。
なお、請求人(出願人)は、本願指定役務を「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」に減縮したので、縮減後の指定役務との関係では、自他役務の識別標識として機能し得るものである旨述べている。
しかしながら、「FAQ」「エフエイキュー」の語から認識される意味、内容及び該語が使用されている実態は、前述のとおりであるから、補正後の指定役務との関係で見れば、その役務の提供を受ける者の利用に供する物の内容を表すにとどまるものといわざるを得ず、結局これに接する需要者は、役務の質(内容)を表示したものと理解するにとどまり、それをもって、自他役務の識別標識とは認識し得えないものというべきである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-11-22 
結審通知日 2005-11-29 
審決日 2005-12-13 
出願番号 商願2003-48939(T2003-48939) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Y42)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小田 昌子 
特許庁審判長 柳原 雪身
特許庁審判官 小出 浩子
山本 良廣
商標の称呼 エフエイキュー、エフエイキュウ、ファク 
代理人 堀 弘 

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