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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服200265061 | 審決 | 商標 |
不服200225215 | 審決 | 商標 |
不服20032956 | 審決 | 商標 |
不服200265040 | 審決 | 商標 |
不服20035262 | 審決 | 商標 |
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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y03 |
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管理番号 | 1130960 |
審判番号 | 不服2003-17098 |
総通号数 | 75 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2006-03-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-09-04 |
確定日 | 2006-01-10 |
事件の表示 | 商願2002-46969拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤 染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,つけづめ,つけまつ毛」を指定商品とし、2002年2月12日フランス国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成14年6月6日に立体商標として登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、その指定商品との関係よりすれば、その商品の形状(容器)の一形態を表したものと容易に認識される立体的形状よりなるところ、指定商品中の化粧品を取り扱う業界においては、特に収納容器の形状に特徴を持たせたものを採択し、販売していることが一般に行われているものであって、その形状の特徴は、商品の収納容器の美感を効果的に見せるものの範囲と理解され、商品の形状に特徴を持たせたことによって自他識別力を有するものとは認められないので、これをその指定商品中の例えば『化粧品』等について使用しても、単に商品の形状そのものを普通に用いられる方法をもって表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)立体商標は、商品若しくは商品の包装(収納容器を含む。)又は役務の提供の用に供する物(以下「商品等」という。)の形状も含むものであるが、商品等の形状は、本来それ自体の持つ機能を効果的に発揮させたり、あるいはその商品等の形状の持つ美感を追求する等の目的で選択されるものであり、本来的(第一義的)には商品・役務の出所を表示し、自他商品・役務を識別する標識として採択されるものではない。 そして、商品等の形状に特徴的な変更、装飾等が施されていても、それは、前示したように、商品等の機能、又は美感をより発揮させるために施されたものであって、本来的には、自他商品を識別するための標識として採択されるのではなく、全体としてみた場合、商品等の機能、美感を発揮させるために必要な形状を有している場合には、これに接する取引者、需要者は当該商品等の形状を表示したものであると認識するに止まり、このような商品等の機能又は美感に関わる形状は、多少特異なものであっても、未だ、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示するものの域を出ないと解するのが相当である。 (2)また、商品等の形状は、同種の商品等にあっては、その機能を果たすためには原則的に同様の形状にならざるを得ないものであるから、取引上何人もこれを使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであって、一私人に独占を認めるのは妥当でないというべきである。 そうとすれば、商品等の機能又は美感とは関係のない特異な形状である場合はともかくとして、商品等の形状と認識されるものからなる立体的形状をもって構成される商標については、使用をされた結果、当該形状に係る商標が単に出所を表示するのみならず、取引者、需要者間において当該形状をもって同種の商品等と明らかに識別されていると認識することができるに至っている場合を除き、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標として商標法第3条第1項第3号に該当し、商標登録を受けることができないものと解すべきである。 (3)これを本願についてみれば、本願商標は、別掲のとおりの構成よりなるものであるところ、縦長の立体的な全体形状は、液体等を収納する容器そのものを表したものである。そして、容器の中央より、やや上の部分をくの字状に曲げた形状は、商品の機能(持ち易さ)又は美観を効果的に高めるための範囲内のものにすぎないというべきである。してみると、本願商標は、これをその指定商品中の例えば「化粧品」に使用しても、取引者・需要者は、全体として化粧品の包装(収納容器)の形状を表示するにすぎないものと理解するに止まり、自他商品の識別標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。 (4)なお、請求人は、「本願商標は、女性の後姿を表した特異な立体的形状からなるものであり、商品(商品の包装を含む。)の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ではない。」旨主張している。 しかしながら、「化粧品」等を取り扱う業界においては、その取り扱う商品が液体(又は液状)のものが多いこと、加えて、人の身体の魅力を増す目的に使用される商品の性質上、ある程度特徴をもたせた形状の容器を採択し、商品「化粧品」を製造・販売している実情にあることは認め得るとしても、本願商標は、前記したとおり、包装容器としての立体的形状にくの字状の工夫等を施した特徴は、商品の機能(滑らない)や美感(見た目の美しさ)を効果的に際立たせるための範囲内のものというべきであって、液体又は液状の「化粧品」を収納する容器の機能等から予測し難いような特異な形状、特徴を備えているものとは認められず、取引者、需要者に、化粧品等の収納容器として一般的に採用し得る機能又は美観であるとの印象を与えるにすぎないものである。 (5)してみれば、本願商標は、前示(3)で述べたとおり、上記特徴を持たせたことをもって、自他商品の識別機能を有するものとは認めることはできず、商品等の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわざるを得ない。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本願商標) |
審理終結日 | 2005-08-02 |
結審通知日 | 2005-08-08 |
審決日 | 2005-08-26 |
出願番号 | 商願2002-46969(T2002-46969) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(Y03)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 大島 康浩、泉田 智宏 |
特許庁審判長 |
田辺 秀三 |
特許庁審判官 |
佐藤 達夫 高野 義三 |
代理人 | 足立 泉 |
代理人 | 青木 博通 |
代理人 | 中田 和博 |
代理人 | 柳生 征男 |
代理人 | 谷口 登 |