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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y25
審判 全部申立て  登録を維持 Y25
審判 全部申立て  登録を維持 Y25
管理番号 1129438 
異議申立番号 異議2005-90030 
総通号数 74 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2006-02-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2005-01-19 
確定日 2005-12-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第4811538号商標の登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4811538号商標の登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4811538号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成16年1月14日に登録出願され、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),靴合わせくぎ,靴くぎ,靴の引き手,靴びょう,靴保護金具,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」を指定商品として、同年10月22日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1721541号商標は、別掲(2)のとおりの構成からなり、昭和51年8月25日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同59年10月31日に設定登録され、その後、平成7年5月30日及び同16年8月10日の2回に亘り商標権存続期間の更新登録がされ、さらに、同17年1月5日に指定商品を第16類「紙製幼児用おしめ」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」とする書換登録がされているものである。同じく登録第2457576号商標は、別掲(3)のとおりの構成からなり、平成1年8月31日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同4年9月30日に設定登録され、その後、同14年10月1日に商標権存続期間の更新登録がされ、さらに、同16年6月9日に指定商品を第9類「家庭用テレビゲームおもちゃ,携帯用液晶画面ゲームおもちゃ用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,スロットマシン,ウェイトベルト,ウェットスーツ,浮袋,運動用保護ヘルメット,エアタンク,水泳用浮き板,レギュレーター,メトロノーム,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,レコード」、第15類「楽器,演奏補助品,音さ」、第20類「スリーピングバッグ」、第25類「仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。),乗馬靴」、第27類「体操用マット」及び第28類「おもちゃ,人形,歌がるた,トランプ,花札,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具」とする書換登録がされているものである。以下、これらをまとめて「引用商標」という。

3 登録異議申立て理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は商標法第4条第1項第15号、同第11号及び同第7号に違反してなされたものであるとして、その理由の要点を次のように述べ、取り消されるべきであると、申し立てた。
(1)商標法第4条第1項第15号について
申立人の創作に係るアニメキャラクター「ワイリーコヨーテ/Wile E.Coyote」(以下「ワイリーコヨーテ」という。)は、キャラクター名としてはもとより、商品表示、商標としても世界中でよく知られ周知になっている。日本でもワイリーコヨーテは広く知られ、本件商標の指定商品「被服」等を始め広範な商品やサービスについて継続的に使用されているため、ワイリーコヨーテ及び商標「Wile E.Coyote図形」は、我が国の需要者・取引者の間に広く知られるに至っており、既に周知・著名の域に達している。したがって、これと類似する本件商標が、その指定商品に使用された場合には、これに接する需要者はワイリーコヨーテを想起し、申立人又は同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤認し、商品の出所について混同するおそれがある。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標とその要部を共通にする類似の商標であり、本件商標の先願登録商標である引用商標とその指定商品において抵触するものである。
(3)商標法第4条第1項第7号について
本件商標は、申立人が著作権を有する著名なキャラクター「Wile E.Coyote図形」に類似するものであるから、このような商標に登録及び使用を許容することは、我が国における法秩序を乱し、公序良俗を害するおそれがある。

4 当審の判断
(1)本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するか否かについて
(ア)申立人は、ワイリーコヨーテが我が国の需要者・取引者の間に広く知られていると主張し、証拠を提出しているので、先ずこの点について検討する。
申立人の提出に係る証拠によれば、ワイリーコヨーテは、申立人の創作に係るアニメーション映画「ルーニー・テューンズ(LOONEY TUNES)」に登場するキャラクターの一つであること、テレビ24時間放送のアニメ専門チャンネルである「カートゥーンネットワーク」における番組「バックス・バニーショー」に、「バックス・バニー」、「ダフィー・ダック」、「ロード・ランナー」等の他のアニメキャラクターと共に登場しており、該番組は我が国においても視聴が可能であること、上記「ルーニー・テューンズ」に登場する他のキャラクターと共に、ぬいぐるみ、おもちゃ、フィギュア、Tシャツ、タンクトップ、ジーンズ、ノート、カード、マグカップ等の種々の商品にライセンスされ、商品が販売されていることが認められる。
しかしながら、ワイリーコヨーテは、映画やテレビ番組の中の一群の登場キャラクターの一つにすぎず、上記「ルーニー・テューンズ」の他のキャラクターと共に登場しているものであるばかりでなく、上記映画やテレビ番組にしても、その上映規模、観客動員数、放送規模、視聴者数等も明らかでない。ましてワイリーコヨーテ自体を主人公とするものでもないし、その名称が映画やテレビ番組で単独のタイトルになっているものでもない。
そうしてみると、ワイリーコヨーテが種々の商品にライセンスされているとしても、他のキャラクターと常に一緒で、ワイーリーコヨーテのみが特別に目立つ存在ではないし、そもそも申立人の一群のキャラクターがライセンスされた商品自体でさえ、その宣伝、広告、売上高、市場占有率等が一切不明であることから、その知名度が需要者間にどの程度浸透しているのか不明といわざるを得ない。
そうすると、ワイリーコヨーテがキャラクターないしは商標として、本件商標の登録出願時及び査定時において、我が国の需要者・取引者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
(イ)次に、本件商標とワイリーコヨーテの図形との類似性について検討する。
確かに、アニメは動画であり、瞬間瞬間に表情を変え、定点で固定されたものでないため、視聴者の方でもキャラクターをある種のイメージとして一定の範囲で捉えていることは、申立人の主張のとおりである。そうすると、引用商標の構成体様は、ワイリーコヨーテの変化する一瞬間を捉えたものであって、代表的な姿態ともいえるものであるから、取り敢えず引用商標をもって本件商標と対比することにする。
本件商標は、イヌ科の動物と思しきものの頭部のみを描いた図形であって、特定の称呼及び観念を生じないのに対し、引用商標の図形は、イヌ科の動物といえてもいずれもやや擬人化した如き動物の全体像を描いたものであり、両者は外観上明らかに異なるものである。
もっとも、キャラクターがある種のイメージとして捉えられ、特徴を有するその一部分からでも全体像やキャラクターの名称が直ちに連想・想起され、そのキャラクターの称呼・観念が生ずる程度に広く認識されているような場合には、該キャラクターとその一部に近似した図形とが類似するものとの印象を与えることもあり得る。
しかしながら、本件商標のイヌ科の動物と思しき頭部の構成要素、すなわち耳、目、鼻及び口ほか顔全体の描写方法とワイリーコヨーテの頭部とを比較してもその構成要素である耳及び目等の描写方法は相違し、その受ける印象は異なるものであって、かつ、ワイリーコヨーテは、上記(ア)のとおり、その需要者・取引者の間に広く認識されているとはいい難いものであり、本件商標から直ちにキャラクターとしてのワイリーコヨーテないしは引用商標を連想・想起するものとは到底いえない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、全体から受ける印象が全く異なり、明らかに区別し得る非類似の商標というべきである。
さらに、申立人が甲第12号証として掲げる様々な表情・姿態のワイリーコヨーテの図形をみても、いずれも本件商標とは別異のものであって、類似した印象を与える点は見出せない。
(ウ)以上からすれば、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者・取引者がワイリーコヨーテないし引用商標を連想・想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(2)本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かについて
上記(1)(イ)のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、両者の指定商品の類否について検討するまでもなく、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(3)本件商標が商標法第4条第1項第7号に該当するか否かについて
申立人がワイリーコヨーテについて著作権を有するとしても、そのことのみによって本件商標が公序良俗を害するものとはいえないばかりでなく、上記(1)のとおり、ワイリーコヨーテは需要者・取引者間に広く認識されているものでもないし、本件商標からワイリーコヨーテを連想・想起することもなく、商品の出所の混同を生ずるおそれもないものであり、他に本件商標を出願し登録することが我が国における法秩序を乱すことになるとすべき理由も見出せない。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第7号に該当するものではない。
(4)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号、同第11号及び同第7号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 (1)本件商標


(色彩については原本参照)

(2)引用商標




(3)引用商標


異議決定日 2005-12-08 
出願番号 商願2004-6719(T2004-6719) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (Y25)
T 1 651・ 26- Y (Y25)
T 1 651・ 271- Y (Y25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 保坂 金彦 
特許庁審判長 田辺 秀三
特許庁審判官 久我 敬史
高野 義三
登録日 2004-10-22 
登録番号 商標登録第4811538号(T4811538) 
権利者 株式会社タオエンタープライズ
代理人 橋本 千賀子 
代理人 村木 清司 
代理人 松原 伸之 
代理人 高部 育子 
代理人 松嶋 さやか 
代理人 中山 健一 

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