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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Z18
管理番号 1129230 
審判番号 取消2004-31152 
総通号数 74 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-02-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2004-09-07 
確定日 2005-12-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第4391476号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4391476号商標(以下「本件商標」という。)は、「PRIDE」の欧文字と「プライド」の片仮名文字とを二段に併記してなり、平成10年12月4日に登録出願、第18類「かばん類,袋物」を指定商品として、同12年6月16日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を取り消す。と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証(枝番含む。以下、枝番全てを引用する場合はその枝番を省略する。)を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)被請求人は、答弁書において本件商標を1999年以来、自らが製造・販売しているアパレルファッショングッズに使用していると述べ、自己が開設するウェブサイトのアドレスを提示しているが、請求人が答弁書に掲げられたウェブサイトを確認したところ、本件商標が今般の取消請求に係る指定商品に使用されている事実を確認できなかった(甲第1号証の1)。
甲第1号証は、被請求人のウェブサイトに、平成16年7月21日にアクセスした際の画面を示すものであるが、被請求人が本件商標と類似する標章を、女性及び男性向けの「ジャケット、ボトム、ニット、ブラウス」の4種について使用している事実が確認できるのみであって、「かばん類,袋物」について使用している事実は確認できない。
また、平成16年12月15日に再び同ウェブサイトヘアクセスしてみたが、やはり、女性及び男性向けの「ジャケット、ボトム、ニット、ブラウス」の4種について、本件商標が指定商品について使用されている事実は確認できなかった(甲第2号証)。
(2)以上のとおり、請求人は、自己のウェブサイトにて本件商標を指定商品について使用していると主張するものの、実際には同ウェブサイトでは本件商標が指定商品について使用されている事実は確認できず、したがって、請求人は、本件商標と類似する標章を「洋服」について使用してはいるものの、本件取消請求に係る指定商品「かばん類,袋物」について使用していないものと判断するのが相当である。
(3)被請求人提出の「登録商標の使用説明書(1)」について
当該使用説明書(1)では、「2004 SUMMER COLLECTION」と題する商品のカタログの写しが添付されており、その中には「Bag」との記載があり、一見バッグについて本件商標が使用されているようにみられる。
しかし、当該カタログ上に掲載されている他の記載は「Blouse」「Camisole」「Pants」が主であることに照らせば、当該カタログは「被服」に関するカタログであってバッグを販売するものではなく、前掲の記載も実際には対応する商品が存在しないか、あるいは、たまたま参考的に他ブランドにかかる商品が記載されていたかのいずれかにすぎないものと判断するのが相当である。
また、当該使用説明書(1)は、添付のカタログが現実に流通に供せられたことをなんら証明するものではなく、したがって、単なる内部資料にすぎない可能性も否定できない。
なお、被請求人が開設するウェブサイトを確認したところ、被請求人は「LUPUY」、「PISARO」との2つのブランド名をもってバッグを販売している事実は確認できたが(甲第3号証)、本件商標の下にバッグを販売している事実は見当たらない。
このような事情からみて、当該使用説明書(1)をもって、本件商標がその指定商品について使用されていると認定することはできない。
(4)被請求人提出の「登録商標の使用説明書(2)」について
当該使用説明書(2)では、「2004 SPRING SUMMER COLLECTION」と題する商品のカタログの写しが添付されており、その中にはバッグの写真が掲載され、一見バッグについて本件商標が使用されているようにもみられる。
しかし、同カタログは、その写真よりみて「被服」に関するカタログであって、実際には対応する商品が存在しないか、あるいは、他ブランドにかかる商品を参考的に紹介する趣旨で記載されていたかのいずれかにすぎないものと判断するのが相当である。
また、当該使用説明書(2)は、添付のカタログが現実に流通に供せられたことをなんら証明するものではなく、したがって、単なる内部資料にすぎない可能性も否定できない。
加えて、甲第1号証及び甲第2号証に示すように、実際に被請求人の開設するウェブサイトでは「かばん類」を本件商標の下に製造・販売している事実は一切確認できず、かつ、同ウェブサイトでは甲第3号証に示すように「LUPUY」、「PISARO」との別ブランド名にてバッグが取り扱われており、本件商標の下にバッグを販売している事実は見当たらない。
このような事情からみて、当該使用説明書(2)をもって、本件商標がその指定商品について使用されていると判断することは到底できない。
(5)被請求人提出の「登録商標の使用説明書(3)」について
当該使用説明書(3)の添付書類は、「2004ー2005 AUTUMN & WINTER COLLECTION」と題されたカタログである。
しかし、ここでの使用態様も、やはりモデルが所持しているバッグを参考的に掲載しているにすぎず、本件商標の下にバッグを販売しているものとは認め難く、単に同社の取扱う「PISARO」ブランドのバッグを参考的に掲載したにすぎないものと考えられる。
このような事情からみて、当該使用説明書(3)をもって本件商標が指定商品について使用されていると判断することはできない。
(6)被請求人提出の「登録商標の使用説明書(4)ないし(9)」について
当該使用説明書(4)ないし(9)の添付書類は、発注ブックと推察される。
しかし、これらの発注書には出荷先コード、地区、出荷先の店名などの欄に一切の記載はなく、したがって、当該発注書が現実に流通に供せられたものかが疑わしいものであり、単なる内部資料として作成された可能性も否定できない。
また、発注ブックの表紙と商品が掲載されたページとの一致性も認められないところであり、商品が掲載されているページが被請求人の取扱う別のブランドの商品に関する発注ブックと差し替えられている可能性も否定できない。
さらに、これらの発注ブックと関連する取引伝票類も提出されていない。
このような事情からみて、当該使用説明書(4)ないし(9)をもって本件商標が指定商品について使用されていると判断することはできない。
(7)被請求人提出の「登録商標の使用説明書の補充資料」について
この補充資料では、「登録商標の使用説明書(9)」に記載された商品と称してバッグの写真が提示されている。
しかし、「登録商標の使用説明書(9)」自体が、その表紙と商品が掲載されたページとの一致性が定かでなく、他ブランドに係る商品の発注書と差し替えられている可能性が否定できないものである。
また、写真の背景には他の商品が写っておらず、被請求人の社内の一室で撮影されたにすぎないともみられるものであり、少なくとも実際の店舗での販売状態を示すものとはいい得ない。
このような事情からみて、当該「登録商標の使用説明書の補充資料」になんらの証拠力も認めることはできない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、登録商標の使用説明書(1)ないし(9)及び登録商標の使用説明書の補充資料を提出した。
答弁の理由
本件商標は、「アパレル・ファッショングッズ(かばん類、袋物)」を製造・販売している被請求人が、1999年以来使用しているものである。
そして、本件審判の請求の登録前3年以内においても、証拠として提出する「登録商標の使用説明書(1)ないし(9)」のとおり、カタログ・受注ブックに本件商標を使用している。また、被請求人の各店舗(フランチャイズ専門店、百貨店)において、前記カタログ等に記載の商品を販売している。
参考までに、被請求人のインターネット上のホームページのアドレスは、「http://www.king-group.co.jp」である。
したがって、請求人の主張は根拠がなく理由がない。

第4 当審の判断
1 登録商標の使用説明書(1)ないし(3)、(7)及び(8)によれば、以下の事実が認められる。
(1)登録商標の使用説明書(1)について
当該使用説明書(1)のカタログの表紙下部中央に、「2004 SUMMER COLLECTION」の文字と「PRIDE」の文字が表示されており、また、これに続く第3頁目上部に「Bag」の商品名と「税込 ¥16,800 本体¥16,000」の価格が表示されている。
(2)登録商標の使用説明書(2)について
当該使用説明書(2)のカタログの表紙下部中央に、「2004 SPRING & SUMMER COLLECTION」の文字と表紙中部中央に、「PRIDE」の文字が表示されており、また、表紙に続く第2頁目には、「バッグ」の写真及びその下部に「Bag―左 1431-80701 #38Bag―中 1431-80702 #38 Bag―右 1431-80703 #38」が表示されている。
(3)登録商標の使用説明書(3)について
当該使用説明書(3)のカタログの表紙上部中央に、「PRIDE」の文字と下部中央に、「2004ー2005 AUTUMN & WINTER COLLECTION」の文字が表示されており、また、表紙に続く第2頁目下部には、「Bag 1443-80703 col.89 ¥29,400(本体¥28,000)」及び第3頁目下部には、「Bag 1443-80701 col.82 ¥30,450(本体¥29,000)」が表示されている。
(4)登録商標の使用説明書(7)について
当該使用説明書(7)の受注ブックの表紙上部中央に、「Autumn/Winter Collection 2004/05」の文字と「PRIDE」の文字、その左下部に「OSAKA 3/2(TUE)〜5(FRI) KING OSAKA BRANCH」及び「TOKYO 3/9(TUE)〜12(FRI) KING TOKYO HEADOFFICE」の表示が認められ、また、これに続く第2頁目には、「GOODS 頁行14-027-01 品番 1443-80701 BAG」と商品見本図と他3例が掲載されている。
(5)登録商標の使用説明書(8)について
当該使用説明書(8)の受注ブックの表紙上部中央に、「2004 WINTER COLLECTION」の文字と「PRIDE」の文字、その左下部に「OSAKA 5/11tue 12wed 13thu」及び「TOKYO 5/18tue 19wed 20thu」の表示が認められ、また、これに続く第2頁目には、「GOODS 1845-80067 BAG」と商品見本図と他2例が掲載されている。
2 使用商標について
上記1の「Bag(バッグ)」に使用されている商標「PRIDE」は、「プライド」の称呼と「誇り、自尊心」の観念を生ずるものであって、本件商標より生ずるものと認められる「プライド」の称呼と「誇り、自尊心」の観念とを同じくするものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標の使用といえるものである。
3 使用時期について
本件審判の請求の登録は、平成16(2004)年9月24日であるところ、上記1の(4)登録商標の使用説明書(7)についての「Autumn/Winter Collection 2004/05」とその左下部に「OSAKA 3/2(TUE)〜5(FRI) KING OSAKA BRANCH」及び「TOKYO 3/9(TUE)〜12(FRI) KING TOKYO HEADOFFICE」の表示からは、ファッション関係商品等が紹介される場合、その季節の相当前に行われることが一般的であることからして、2004年3月2日(火)から2004年3月5日(金)及び2004年3月9日(火)から2004年3月12日(金)と推認し得るものである。
同様に、(5)登録商標の使用説明書(8)についての「2004 WINTER COLLECTION」とその左下部に「OSAKA 5/11tue 12wed 13thu」及び「TOKYO 5/18tue 19wed 20thu」の表示からは、ファッション関係商品等が紹介される場合、その季節の相当前に行われることが一般的であることからして、2004年5月11日(火)から2004年5月13日(木)及び2004年5月18日(火)から2004年5月20日(木)と推認し得るものである。
したがって、商標権者である被請求人が、本件審判の請求の登録日(平成16(2004)年9月24日)前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたというべきである。
4 使用商品について
上記1の「BAG(バッグ)」は、本件商標の指定商品「かばん類」の範疇に属すること明らかである。
5 上記1ないし4を総合すれば、商標権者である被請求人が、本件審判の請求の登録日(平成16(2004)年9月24日)前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を本件取消請求に係る指定商品中の「かばん類」について使用していたことを証明したというべきである。
6 請求人は、被請求人のウェブサイトを実際に確認したが本件商標がその指定商品について使用されている事実が確認できなかったし、また、登録商標の使用説明書(4)ないし(9)については、単なる内部資料にすぎず、真正に作成されたものかが疑わしい旨主張する。
しかし、ウェブサイトで本件商標がその指定商品について使用されている事実が確認できなかったことのみでは前記判断を覆すことはできないし、また、単なる内部資料にすぎず、真正に作成されたものか否か疑わしいとする点についてもこれを認めるに足る証拠は見いだせないから、請求人の主張は採用できない。
7 したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-10-17 
結審通知日 2005-10-20 
審決日 2005-11-01 
出願番号 商願平10-104348 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Z18)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 中村 謙三
井岡 賢一
登録日 2000-06-16 
登録番号 商標登録第4391476号(T4391476) 
商標の称呼 プライド 
代理人 森下 賢樹 
代理人 矢野 寿一郎 

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