• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 111
管理番号 1129132 
審判番号 取消2004-30827 
総通号数 74 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-02-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2004-06-28 
確定日 2005-12-12 
事件の表示 上記当事者間における登録第2707347号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第2707347号商標の指定商品中「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く)を除く),交流発電機,直流発電機,配電用又は制御用の機械器具,回転変流器,調相機,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く),電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」についての登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2707347号商標(以下「本件商標」という。)は、「ビバトン」の片仮名文字により構成されてなり、平成1年2月2日登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具、電気材料」を指定商品として、平成7年5月31日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条の規定により、結論同旨の審決を求める。と申し立てその理由を要旨次のように述べている。
本件商標は、取消請求に係る商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていないため、それらの指定商品について取消を免れない
なお、被請求人は、”ビバトン”商標を「家庭用電気マッサージ器」について使用していたことがあるようであるが、「家庭用電気マッサージ器」は取消請求に係る商品には該当しないものである。

3 被請求人の主張
被請求人は「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする、との審判を求める。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む)を提出している。
(1)本件商標は、商標権者が全額出資する株式会社ベステック(乙第1号証、乙第2号証:以下「ベステック社」という。)にその使用を許諾し、通常使用権者として現在、使用中の商標である。
本件商標のベステック社の商品カタログを示す(乙第3号証)。これはベステック社が製造元とするエアーマッサージ器(波動空気圧治療器)ビバトンのカタログであり、指定商品とする電気機械器具の民生用電気機械器具に属する商品である。
(2)乙第3号証は、その第1面上段に「ビバトン」と表示し、「VIVATON」(注.ビバトンと呼称同一)の表示とともに、商品である「波動空気圧治療器・ビバトン」の名称として使用してある。第2面(第1面の裏側)、第4面(第3面の裏側)にも同様に「ビバトン」の表示が使用されている。
売上伝票(納品書:乙第4号証の1ないし5)は、いずれもベステック社が、「ビバトン」を顧客に平成14年度において販売した事実を示す資料である。例えば、乙第4号証の1は、平成14年9月30日付けの書類であり、品名欄に「ビバトン」の表示があり、数量、単価、金額などが記載されており、摘要欄に納入先(販売先・顧客)が記載されている。
また、乙第4号証の2は、平成14年9月30日付けの書類であり、品名欄に「ビバトン」の表示があり、数量、単価、金額などが記載されており、摘要欄に納入先(販売先・顧客)が記載されている。
以下、乙第4号証の3ないし5の資料も同様である。
(3)修理伝票(乙第5号証の1ないし8)は、いずれもベステック社が、「ビバトン」を顧客に販売した後、平成14年度、平成15年度において修理した事実を示す資料である。例えば、乙第5号証の3は、平成15年1月9日で、修理完了日が平成15年1月17日付けの書類であり、製品名欄に「ビバトン」の表示があり、故障状況、修理箇所、修理明細などが記載されており、顧客名などが記載されているものであり、担当者印が押印されている。
また、例えば、乙第5号証の4は、修理受付月日は平成15年1月30日で、修理完了日が平成15年3月14日付けの書類であり、製品名欄に「ビバトン」の表示があり、故障状況、修理箇所、修理明細などが記載されており、顧客名などが記載されているものであり、担当者印が押印されている。
以下、乙第5号証の1、同2,同5ないし8の資料も同様である。
このように該当商品の販売後のアフターサービスにおいて、「ビバトン」の商標が使用されていることは明らかである。
(4)以上のように「ビバトン」が、その指定商品に使用されていることは明らかであり、取消請求に係る商品である「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,配電用又は制御用の機械器具.回転変流器,調相機,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機(その部品を除く。),電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具」はその類に属するものである。
(5)被請求人は、将来においてそれらの商品を製造・販売することは、事業の展開に応じて必要かつ可能であり、仮に請求人において、その際、「VIVATON」の商標を使用することは、つとに商標権を得て、この分野においてそれを先駆的に使用して来た権利者の名称を使用することにより消費者を混乱させ、さらに蓄積された被請求人の信用を冒すやも知れず、またいたずらにその名称を利用することは、不正競業的色彩の強い行為であって許さるべきではない。勿論出願によってそれを獲得しようとしても、類似商標として排斥されることは必然である。さらに同一の商標の使用として、商標権の侵害問題に発展することも考えられ、いたずらに社会に波風をもたらすものである。

4 当審の判断
(1)被請求人は、「前記第3.被請求人の主張」で述べているように、「ベステック社の商品カタログ(乙第3号証)は、同社が製造元とするエアーマッサージ器(波動空気圧治療器)VIVATON・ビバトンのカタログであり、指定商品とする電気機械器具の民生用電気機械器具に属する商品である。」旨を答弁しており、乙号各証によれば、ベステック社は商標権者が100%の出資をしている会社であり、本件商標の通常使用権者として本件商標を使用していたことは認められるが、その使用に係る商品は、提出された商品カタログの仕様及び使用説明等からすると該「エアーマッサージ器(波動空気圧治療器)」は「医療用機械器具」に属する余地のある商品であるとも認められるが、いずれにしても本件取消審判の取消請求に係る商品は前記のとおりであって、その商品中には「民生用電気機械器具」又は「医療用機械器具」はなく、他に、被請求人は、商標権者等が本件商標を取消請求に係る商品について使用したことを立証する証拠は何ら提出されていない。
してみれば、被請求人の乙号各証をもってしては、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが本件商標を取消請求に係る商品について、請求の登録前3年以内に日本国内で使用していたものとは認められず、かつ、使用をしていないことについて正当な理由があったとも認められない。
(2)なお、本件商標の使用についての必要かつ可能であること及び請求人が「VIVATON」商標を使用することは、不正競業的色彩の強い行為であって許さるべきではない旨を縷々述べる被請求人の主張は独自の見解に基づき主観論を述べるに止まり、内心的事情といわざるを得ないであって、採用することができない。その他、被請求人の主張は、いずれも妥当性に欠けるものであって、採用することはできない。このほか、上述認定を左右するに足りる証拠はない。
(3)したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「結論掲記の商品」についての登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-10-17 
結審通知日 2005-10-21 
審決日 2005-11-01 
出願番号 商願平1-11282 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (111)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山内 周二土屋 良弘田中 照雄 
特許庁審判長 田辺 秀三
特許庁審判官 高野 義三
佐藤 達夫
登録日 1995-05-31 
登録番号 商標登録第2707347号(T2707347) 
商標の称呼 ビバトン 
代理人 松永 善蔵 
代理人 廣江 武典 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ