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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 012
管理番号 1127779 
審判番号 取消2004-31368 
総通号数 73 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2006-01-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2004-10-18 
確定日 2005-11-28 
事件の表示 上記当事者間の登録第3289864号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第3289864号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第3289864号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成6年9月9日に登録出願、第12類「自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車,自転車並びにそれらの部品及び附属品」を指定商品として、同9年4月25日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べた。
本件商標は、平成15年12月22日に、新日鉱ホールディングス株式会社に権利が移転された旨の登録がなされているが、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれかによって使用された事実は存在せず、また、現在においても使用されていない。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)被請求人は、本件商標を神奈川県高座郡寒川町倉見3番地の日鉱金属加工株式会社を通常使用権者として使用許諾しているものであり、日鉱金属加工株式会社は、本件商標を本件審判請求の予告登録日(平成16年11月4日)以前より、日本国内において商品「自動車部品」について使用をしているものである。
(2)登録商標の使用の事実
(ア)使用に係る商品
本件商標は、以下の証拠に示すとおり、商品「自動車部品」について使用をしている。
(a)乙第1‐1号証には、自動車部品としての自動車用端子に使用される黄銅の条材の写真が示され、乙第1‐2号証及び乙第1‐3号証には、その商品を梱包した写真がそれぞれ示されている。
この乙第1‐2号証及び乙第1‐3号証の木枠には、本件商標が付されている。なお、この木枠に本件商標とともに付されている「日鉱」の文字は、日鉱金属加工の略称であり、また、「倉見」の文字は、工場の名称を示している。
一方、これらの商品の梱包された内側には、例えば、乙第2‐1号証、乙第3‐1号証及び乙第4号証として示した梱包明細票が貼付され、この梱包明細票にも本件商標が付されている。
荷造りされた商品は、梱包明細票の向先にあるとおり、自動車部品の取扱い業者である住友電装株式会社、株式会社デンソー、あるいは日本端子株式会社等に販売され、使用されている。また、この商品は自動車部品として、最適な幅、厚みに調整されており、明らかに自動車部品として取り扱われている。
(b)乙第2‐1号証、乙第3‐1号証及び乙第4号証として示した梱包明細票の品名記号「C2600R」は、乙第5号証として示した日鉱金属加工株式会社のホームページの製品紹介における品種一覧表の「黄銅」の「記号」の欄から70%Cu(銅)、30%Zn(亜鉛)であることがわかり、その「用途例」の欄には、「自動車用端子」と明示されている。なお、上記梱包明細票に記載されたC2600Rの「R」は、「条」を示すものであり、「寸法の0.25×31×L」は、厚さが0.25mm、幅が31mmであり、この形状は、自動車部品として使用される形状であることを示している。
以上により、本件商標が「自動車部品」について、使用をしていることは明らかである。
(イ)商品販売の事実
本件商標が国内で取引されている事実を示すため、通常使用権者である日鉱金属加工株式会社が取引先である住友電装株式会社、株式会社デンソー、及び日本端子株式会社に本件商品を販売したことを示す梱包明細票及び物品受領書を乙第2‐1号証〜乙第4号証として示す。これらの梱包明細票には、その製造年月日が記載され、乙第2‐1号証(住友電装(株)向け)には、2004年5月26日に「自動車部品向けの黄銅条」が製造され、その梱包明細票に対応する乙第2‐2号証の物品受領書(需要家:住友電装(株))には、2004年5月27日の受領印が示されている。
ちなみに、製造番号48548‐00‐02‐02‐08は、上記いずれの書類の記載も同じであり、同じ商品のものであることがわかる。
また、同様に乙第3‐1号証、乙第3‐2号証には、上記と同様に株式会社デンソーの梱包明細票、物品受領書が示され、本件商標が使用をされていることがわかる。これからは製造年月日が2004年(平成16)年5月7日であり、また、需要家「株式会社デンソー」の受領日が、同年6月18日であることが確認できる。
さらに、乙第4号証に示すように、他の需要家である日本端子株式会社に対する商品にも同様の梱包明細票を付しており、本件商標を使用をしていることが明らかである。
これらの三つのケースの場合、いずれも本件取消審判請求の予告登録日(平成16年11月4日)以前の使用といえる。
また、取引先である「住友電装株式会社」」、「株式会社デンソー」及び「日本端子株式会社」が「自動車部品」を取り扱っていることを示すため、3社のホームページを添付する(乙第6号証ないし乙第8号証)。
(3)上記したとおり、本件商標は、商品「自動車部品」について、40年以上も(従来の使用者である日本鉱業株式会社から日鉱金属加工株式会社に金属加工部門を引き継ぐ現在まで)使用をしているものであり、これが「同じ需要家の間」において、他社が使用することになれば、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
ちなみに、請求人の出願に係る商標(国際登録第749685号商標)は、現在、拒絶査定不服審判請求中(審判番号:2003‐65075)であり、商品の区分第12類「自動車部品」を指定商品とし、その商標構成中には、本件商標と同一又は類似の商標を含み、本件商標が引用商標とされている。したがって、本件商標が取消され、請求人の出願に商標権を与えると当該商品について出所の混同を生じ、需要者をして混乱せしめることは必至である。
(4)以上述べたように、提出に係る乙第1‐1号証ないし乙第8号証により、本件商標が本件審判請求の予告登録日以前より、日本国内において、商品「自動車部品」について使用された事実は明白である。

4 当審の判断
被請求人は、乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出するとともに、通常使用権者が本件審判請求の予告登録の日前より、本件商標を日本国内において商品「自動車部品」に使用している旨主張している。
しかして、被請求人の主張及び提出に係る乙第1‐1号証ないし乙第4号証によれば、使用をしているとする商品は、自動車部品としての自動車用端子に使用される「黄銅の条材」(以下「使用商品」という。)と認められ、その使用商品は、通常使用権者により自動車部品等の製造業者である住友電装株式会社、株式会社デンソー及び日本端子株式会社等に販売されていることが認められる。
そして、乙第5号証によれば、使用商品は、銅と亜鉛の合金であり、前記のとおり、その使用商品が自動車部品等の製造業者に販売されることと相まって、使用商品は、自動車部品としての自動車用端子等の最終製品に加工することを目的とした半加工品と見るのが相当であるから、本件商標の指定商品中に含まれるとみられる、完成品としての用途限定された「自動車の部品」の範疇に属する商品とはいい得ないものである。
また、乙第6号証ないし乙第8号証は、通常使用権者の取引先である住友電装株式会社、株式会社デンソー及び日本端子株式会社のホームページを示したにすぎない。
なお、被請求人は、本件商標がその指定商品に使用されていることについて、前記した乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)のほかは、何ら立証するところがない。
してみれば、被請求人及び通常使用権者は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定商品についての本件商標を使用をしていなかったものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別 掲
本件商標



審理終結日 2005-09-29 
結審通知日 2005-10-05 
審決日 2005-10-18 
出願番号 商願平6-91201 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (012)
最終処分 成立  
前審関与審査官 蛭川 一治中束 としえ 
特許庁審判長 大場 義則
特許庁審判官 柳原 雪身
鈴木 新五
登録日 1997-04-25 
登録番号 商標登録第3289864号(T3289864) 
代理人 産形 和央 
代理人 越智 隆夫 
代理人 臼井 伸一 
代理人 加藤 伸晃 
代理人 本宮 照久 
代理人 岡部 正夫 
代理人 藤吉 一夫 

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