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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Y0942 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Y0942 |
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管理番号 | 1127744 |
審判番号 | 不服2004-3015 |
総通号数 | 73 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2006-01-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-02-16 |
確定日 | 2005-12-02 |
事件の表示 | 商願2003-27886拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「PCワクチン」の文字(標準文字による商標)を書してなり、第9類及び第42類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成15年4月7日に登録出願、その後、指定商品及び指定役務については、当審における同16年2月16日付けの手続補正書により、第9類「電子計算機用プログラム」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、『PCワクチン』の文字を標準文字で表してなるところ、その指定商品・役務との関係では、構成中の『PC』の文字が『パーソナルコンピュータ』を意味する略語として普通に使用されているものであり、『ワクチン』についても、コンピュータウィルスが話題となっている現在、これに対抗してコンピュータウィルスを除去し、感染前の状態に回復するためのアプリケーションソフトを『ワクチンソフト』と称していることから、前半の『PC』の文字とも相まって、全体として、このコンピュータウィルス対策ソフトの意味を直ちに理解させるものと認められる。そうすると、これを本願指定商品・役務中『電子計算機用プログラム,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守』に使用した場合は、該商品・役務がコンピュータウィルス対策ソフトを内容とするものであるという商品の品質又は役務の質を表したにすぎないものとして認識される商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の商品・役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、上記したとおり「PCワクチン」の文字よりなるところ、その構成中の前半部の「PC」の欧文字2字は、「パーソナルコンピューター(Personalcomputer)」の略称を表し、近年の著しいパーソナルコンピューター技術の進展の中では、「PCカード(米国のPCMCIAと日本電子工業振興協会(JEIDA、現在は電子情報技術産業協会=JEITA)が共同で制定したパソコン用カード型周辺機器の規格)」、「PCカメラ(映した映像をパソコンに取り込んだり、取り込んだ映像をネット上でリアルタイムに配信するために使うカメラ)」、「PCサーバー(サーバー用に設計されたパソコンのこと)」、「PCグリーンラベル制度(電子情報技術産業協会(JEITA)が作成した制度。環境に関する基準を満たしたパソコンに、JEITAの審査に合格した企業が自主的にそのラベル(マーク)を表示できるもの)」(いずれも日経BP社発行「日経パソコン用語事典2004年版」より)のように、多様化するパーソナルコンピューターの環境に対応した複合語となることの多い語であり、また、後半部の「ワクチン」の文字(語)は、「コンピュータウィルスへの感染の有無をチェックし、感染したファイルからウィルスを除去する機能を備えたソフトウェアの俗称」を意味する語であることが我が国のパーソナルコンピューターに関する各種用語事典にも記載されているものであるから、「PCワクチン」の文字よりなる本願商標は、「PC」と「ワクチン」とを組み合わせた造語であるとしても、取引者・需要者にとって「PCワクチン」の語自体から、「パーソナルコンピューター用のコンピュータウィルスへの感染の有無をチェックし、感染したファイルからウィルスを除去する機能を備えたソフトウェア」又は「パーソナルコンピューター用のコンピュータウィルスへの感染の有無をチェックし、感染したファイルからウィルスを除去する機能を備えたソフトウェアに関係する役務」であると理解、認識することは容易というべきである。 そうすると、本願商標をその指定商品・役務に使用した場合、取引者・需要者であれば、原審で説示したように、「該商品・役務がコンピュータウィルス対策ソフトを内容とするものである」という商品の品質又は役務の質を表わすものとして、これを、直接的に「PCワクチン」と表現したものである、と理解、認識することになるのは至極自然なことというべきである。 してみれば、「PCワクチン」の文字よりなる本願商標をその指定商品・役務中「パーソナルコンピューター用のコンピュータウィルスへの感染の有無をチェックし、感染したファイルからウィルスを除去する機能を備えたソフトウェア,パーソナルコンピューター用のコンピュータウィルスへの感染の有無をチェックし、感染したファイルからウィルスを除去する機能を備えたソフトウェアの設計・作成又は保守」に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、前記したように、その商品の品質又はその役務の質を表わしたものと理解するにとどまり、それをもって自他商品・役務の識別標識とは認識し得ないものというべきであり、また、前記商品・役務以外の商品・役務に使用するときは、その商品の品質又はその役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことができない。 なお、請求人は、過去の登録例を挙げて述べるところがあるが、それらは、本件とは事案を異にするものであるから、採用することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-09-15 |
結審通知日 | 2005-09-30 |
審決日 | 2005-10-12 |
出願番号 | 商願2003-27886(T2003-27886) |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(Y0942)
T 1 8・ 272- Z (Y0942) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 今田 三男 |
特許庁審判長 |
柳原 雪身 |
特許庁審判官 |
山本 良廣 半田 正人 |
商標の称呼 | ピイシイワクチン、ワクチン |