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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y43
審判 全部申立て  登録を維持 Y43
管理番号 1126343 
異議申立番号 異議2004-90682 
総通号数 72 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2005-12-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2004-11-08 
確定日 2005-10-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第4792073号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4792073号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
登録第4792073号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成15年12月8日に登録出願、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、同16年8月6日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
本件商標は、商標権者によりその指定役務「飲食物の提供」について使用された場合には、登録異議申立人(以下「申立人」という。)が被服について使用する周知・著名な商標「ZARA」(以下「引用商標」という。)との関係で、申立人の提供に係る役務であるかのように、役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
また、本件商標は、引用商標と同一又は類似であって、不正の目的をもって使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断
本件商標は、別掲に示したとおり、毛筆で描いたと思しき図形を大きく表し、その下部に「ZARA」の文字を活字体で小さく書してなるものであるところ、構成中、図形部分は、「ZARA」の文字が表示されていることを併せ考えれば、漢字の「皿」の右肩部に2つの点を配してなるともいい得る構成のものであり、固有の特徴を有する創作性の高い図形ということができ、「ZARA」の文字に較べ、圧倒的に顕著な印象を受けるものと認められる。
そうとすれば、申立人の使用する「ZARA」の文字からなる引用商標が、被服について一定の周知、著名性を獲得していたとしても、本件商標は、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれはないものであり、また、不正の目的をもって使用する商標とも認められないものである。
その理由は、次のとおりである。
申立人「インダストリア・デ・ディセーニョ・テキスティル・エス・エイ(インディテクス・エス・エイ)」(以下「インディテクス」という。)の提出に係る証拠によれば、インディテクスは、スペインのアパレルメーカーであり、スペインをはじめ欧州では27か国、世界では55か国に2200店舗を展開するアパレル業界世界第三位の企業である。
インディテクスの2004年1月期における連結売上高は、45億9890万ユーロ(約6442億5990万円)、純利益4億4650万ユーロ(約625億5019万円)であった。
インディテクスは、5つのブランドを展開しており、その中心的存在は「ZARA(ザラ)」ブランドであり、該ブランドの売上は、申立人の売上げの77%を占めていた。
我が国には、平成9年8月に、ビギ・グループと合弁会社「ザラ・ジャパン」を設立して参入した。平成16年11月現在で東京の銀座7丁目、六本木ヒルズ、新宿、渋谷をはじめ主要都市に大型店を12店舗出店している。 これらの事実は、「日経ビジネス(2005年1月10日発行)」、「激流(2001年11月発行)」、「NEWSWEEK(2001年10月10日発行)」、「ウーマンズ・ウエア・デイリー・ジャパン(2002年9月2日発行)」、「SPRING(2000年6月26日発行)」、「繊研新聞(2004年11月4日発行)」等の雑誌、新聞に、「製造小売りの超常識」、「史上最速のブランド」などの特集が組まれるなどして、申立人のインディテクスあるいは「ZARA(ザラ)」ブランドについて紹介記事が掲載されている。
以上の事実に照らせば、申立人が被服について使用する「ZARA」の文字からなる引用商標は、本件商標の登録出願の時には取引者、需要者の間に広く認識され、一定の著名性を獲得していたものと認められる。
そこで、本件商標と引用商標とを対比すると、本件商標は、上記のとおり図形と「ZARA」の文字とよりなるものであり、構成中の「ZARA」の文字は引用商標と同一の構成文字よりなるものである。
しかしながら、本件商標は、引用商標にはない、圧倒的に顕著な印象を受ける図形を有してなるものであって、該図形は、本件商標の識別力を推し量る上で重要な地位を占めるものということができる。しかも、本件商標は、第43類「飲食物の提供」を指定役務とするものであって、引用商標の使用に係る「被服」とは、事業者、用途、販売場所・提供場所等を異にする、極めて異質の関係にある役務であり、商品であるというべきである。
そうとすれば、本件商標をその指定役務に使用した場合、これに接した取引者、需要者が本件商標より引用商標を直ちに連想、想起するものとは判断することができないから、本件商標は、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれはないものといわなければならない。
また、本件商標は、不正の利益を得る目的、あるいは他人に損害を与える目的など不正の目的をもって使用する商標ともいうことができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反して登録されたものではない。
よって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
本件商標


異議決定日 2005-09-27 
出願番号 商願2003-108655(T2003-108655) 
審決分類 T 1 651・ 222- Y (Y43)
T 1 651・ 271- Y (Y43)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小松 里美 
特許庁審判長 柴田 昭夫
特許庁審判官 岩崎 良子
小川 有三
登録日 2004-08-06 
登録番号 商標登録第4792073号(T4792073) 
権利者 株式会社ツインズプランニング
商標の称呼 ザラ、サラ 
代理人 石川 義雄 
代理人 小出 俊實 
代理人 鈴江 武彦 

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