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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y16 |
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管理番号 | 1126037 |
審判番号 | 不服2004-19916 |
総通号数 | 72 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-12-22 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-09-27 |
確定日 | 2005-10-17 |
事件の表示 | 商願2003- 89111拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「ROYCE’」の欧文字を上段に、「ロイズ」の片仮名文字を下段に横書きしてなり、第16類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成15年10月10日に登録出願されたものである。 その後、その指定商品については、原審において、平成16年4月7日付提出の手続補正書をもって、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤,封ろう,電気式鉛筆削り,装飾塗工用ブラシ,紙製包装容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,型紙,裁縫用チャコ,紙製のぼり,紙製旗,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札,印刷したくじ(おもちゃを除く。),紙類,文房具類,印刷物,書画,写真,写真立て」と補正されたものである。 2 引用商標 原査定において、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、引用した登録商標は、次の3件である。 (1)「Lloyd’s」(「d」文字の右上に「,」(アポストロフィ)記号を配している。)の欧文字を横書きし、平成7年12月12日登録出願、第16類「保険および保険経理関連の書籍,雑誌,新聞および証券紙」を指定商品として、同11年7月23日設定登録され、現に有効に存続している登録第4298249号商標(以下「引用商標1」という。)。 (2)別掲に示したとおりの構成よりなり、平成7年12月12日登録出願、第16類「保険および保険経理関連の書籍,雑誌,新聞および証券紙」を指定商品として、同11年7月23日設定登録され、現に有効に存続している登録第4298250号商標(以下「引用商標2」という。)。 (3)「Lloyd’s of London」(「d」文字の右上に「,」(アポストロフィ)記号を配している。)の欧文字を横書きし、平成7年12月12日登録出願、第16類「保険および保険経理関連の書籍,雑誌,新聞および証券紙」を指定商品として、同11年7月23日設定登録され、現に有効に存続している登録第4298251号商標(以下「引用商標3」という。)。 3 請求人の主張 請求人は、審判の請求理由において、要旨次のように述べている。 (1)引用商標1が、第16類で審判請求書(審判番号 平成10年審判第10536号)で「英語の正しい知識を具えた者ならば『Lloyds』を『ロイズ』と発音することはあっても、『Lloyd’s』を『ロイズ』と発音することは絶対に無いのである。なぜならば『Lloyds』(ロイズ)は『ロイド家または社(集合を表す)』を意味するものであり、一方『Lloyds(ロイドズ)』はロイドの(所属を表す)を意味するものであり、両発音はその意味が全く異なるのである。・・・」と主張して、商標「ROIS」(登録番号第2578080号,第2454801号)及び「ROYSE」(登録番号第2618346号)と類似しないことが認められ登録にいたっており、このことを考え合わせると、称呼上、本願商標は「ロイズ」であり引用1ないし3商標は「ロイドズ」である以上、明らかに異なるものであり、非類似であるとするのが妥当と思われる。 (2)第16類指定商品「印刷物」では、引用商標1と本件請求人の登録商標である「ROYCE’/ロイズ」(登録番号第4502179号)は共存しており、引用2商標及び引用3商標も同じ範疇に属して共存できるものと思われる。 (3)従って、本願商標と引用商標は、称呼、観念、外観のいずれからみても非類似である。 4 当審の判断 本願商標は、前記に示したとおりの構成よりなるところ、構成中の「ロイズ」の文字部分より「ロイズ」の称呼を生ずる事明らかである。 他方、引用商標1は、「Lloyd’s」の文字よりなるところ、「Lloyd’s(ロイズ)」は、ロンドンの個人保険業者による団体の名称を表すものとして、例えば「imidas2005」、「コンサイスカタカナ語辞典 第2版」、及び「広辞苑 第5版」などに掲載されていることから、我が国において周知なものといえ、「Lloyd’s」の文字より構成される引用商標1にあっては「ロイズ」の称呼を生ずるというべきである また、別掲に示したとおりの構成よりる引用商標2からは、構成中大きく上段に表された「LLOYD’S」の文字部分より生ずる称呼をもって、取引に当たる場合も少なくないものといえ、該文字部分より、「ロイズ」の称呼を生ずるものである。 そして、引用商標3は、「Lloyd’s of London」の文字よりなるところ、商標全体から生ずる「ロイズオブロンドン」の称呼は、やや冗長といえ、簡易迅速を尊ぶ商取引の場にあっては、注意をもっとも引き易い語頭の「Lioyd’s」の文字部分に看者が着目し、これより生ずる称呼をもって取引に当たる場合も少なくないものといえ、該文字部分より、引用商標1と同様に「ロイズ」の称呼をも無理なく生ずるというを相当とする。 してみれば、本願商標と引用商標1ないし3とは、「ロイズ」の称呼を同じくするものである。 そして、本願商標と上記各引用商標は、いずれも造語商標とみられるものであり、観念の相違により容易に識別できるという事情にはない。 そうとすれば、本願商標と引用商標1ないし3とは、外観においての相違を勘案しても、「ロイズ」の称呼を同じくする類似する商標というを相当とし、かつ、本願商標の指定商品中には、各引用商標の指定商品と、同一又は類似する商品が含まれている。 したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であり、これを取り消すことはできない。 なお、請求人は、上記3のように主張しているが、3(1)の審決は、職権により調査したところ、登録第2618346号商標を引用し、審査において拒絶されたものであるが、審判請求後、その指定商品が補正され、類似する商品が審決時において存在しないことから、3(1)の主張が採用され、登録されたとは認めがたいものであり、また、他の2件の登録商標は、欧文字を図案化した態様であって、本件と事案を同じくするとは言い難いものである。 そして、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標(引用商標)との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、上記のとおり本願商標と各引用商標とが類似するものである以上、請求人の3(2)及び(3)の主張は、採用することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
(別掲)引用商標2(登録第4298250号商標) |
審理終結日 | 2005-08-23 |
結審通知日 | 2005-08-24 |
審決日 | 2005-09-07 |
出願番号 | 商願2003-89111(T2003-89111) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
Z
(Y16)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 飯山 茂 |
特許庁審判長 |
佐藤 正雄 |
特許庁審判官 |
宮川 久成 中束 としえ |
商標の称呼 | ロイズ、ロイス |
代理人 | 清水 定信 |