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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Z09
管理番号 1124705 
異議申立番号 異議2003-90366 
総通号数 71 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2005-11-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-06-25 
確定日 2005-09-20 
異議申立件数
事件の表示 登録第4658854号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4658854号商標の登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4658854号商標(以下「本件商標」という。)は、平成13年12月28日に登録出願され、「CMP-Designer」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類「化学的機械研磨を用いて製造される半導体集積回路の設計に使用する電子計算機用プログラムを記憶させた記録媒体」を指定商品として、平成15年4月4日に設定登録されたものである。

2 引用商標1
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4413640号商標(以下「引用商標1」という。)は、「CMP」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年5月17日に登録出願、第9類「電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成12年9月1日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由(要旨)
本件商標からは、「シーエムピーデザイナー」の称呼のほか「シーエムピー」の称呼をも生ずる。これに対し、引用商標1は「シーエムピー」の称呼を生ずるものであるから、両商標は称呼を共通にする類似の商標である。
また、引用商標1は実際に使用されているため、本件商標が使用されると現実に出所の混同を生ずる可能性が極めて高い。
さらに、本件商標と引用商標1は、その指定商品も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。

4 職権による取消理由通知の要旨
当審における平成16年6月9日付け取消理由通知は、要旨下記のとおりである。

本件商標及びその指定商品は、前記「1」のとおりである。
他方、商標法第43条の9第1項の規定に基づき、職権による審理の結果、当合議体が引用する商願2001ー107013(ただし、審判2002-23720として現在審判に係属中である。以下「引用商標2」という。)は、「DESIGNER」及び「デザイナー」の各文字を上下二段に書してなり、平成13年11月30日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,電気通信機械器具,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD-ROM,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク及び磁気テープ,その他の電子応用機械 器具及びその部品,ロケット手袋,消防艇,消防車,自動車用シガーライター,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,磁心,抵抗線,電極」を指定商品とするものである。
そこで、本件商標と引用商標2との類否について検討するに、本件商標は、大文字のみからなる「CMP」の文字部分と大文字と小文字からなる「Designer」の文字部分とをハイフン(-)を介して「CMP-Designer」と書してなるところ、両文字は、ハイフン(-)を介して左右に配されていることから、視覚上分離して看取し得るばかりか、両語が結びついて一般に親しまれた熟語的意味合いを有するともいえず、両語の観念的な結び付きも強固とはいえない。加えて、「CMP」の文字は、本件商標の指定商品との関係において、「化学的機械研磨」を意味する「Chemical Mechanical Polishing」の略称として、この種業界で普通に用いられており、商品の品質を表す記述的な部分といわなければならない。
そして、本件商標を常に一体不可分のものとしてのみ把握、理解しなければならないと認めるに足りる証拠は、商標権者提出の証拠を検討するも見出すことができない。
してみれば、本件商標に接する取引者、需要者は、本件商標を適宜分離抽出して、称呼することが十分あり得るものであって、本件商標からは、書された文字に相応して「シーエムピーデザイナー」の称呼のほか、「Designer」の文字に相応して「デザイナー」の称呼、「設計家、デザイナー」の観念をも生ずると認められる。
これに対し、引用商標2は、その構成文字に相応して「デザイナー」(設計家、デザイナー)の称呼、観念を生ずること明らかである。
してみれば、本件商標と引用商標2とは、「デザイナー」(設計家、デザイナー)の称呼、観念を共通にする類似の商標といわざるを得ない。
また、本件商標の指定商品は、引用商標2の指定商品に包含されるものである。
したがって、本件商標は、商標法第8条第1項の規定に該当するにもかかわらず登録されたものである。

5 当審の判断
先ず、はじめに、申立人の主張について検討するに、本件商標は、前記「1」のとおり、「CMP-Designer」の欧文字を標準文字で表してなるところ、「CMP」と「Designer」の各文字は、ハイフン(-)を介して左右に配されていることから、視覚上「CMP」と「Designer」とは分離して看取し得るばかりか、両文字が一体となって一般に親しまれた熟語等を形成するとも認められない上、両語の結び付きも強固とはいえない。
そして、「CMP」の語は、その指定商品との関係において、「化学的機械研磨」を指す技術用語の一つである「Chemical Mechanical Polishing」の略称であって、半導体業界で技術用語として普通に使用されていることが、次の事実より認められるから、該語は商品の品質を表す記述的な部分といわなければならない。
(1)商標権者提出の証拠より
(ア)株式会社工業調査会から1998年7月に発行された書籍「半導体平坦化CMP技術ー超LSI製造のキープロセス」の紹介文(平成15年12月19日付け意見書に添付の乙第2号証)によれば、「CMP(Chemical Mechanical Polishing)技術が大きな注目を浴びている。本技術はSi基板の鏡面出しの一手法(超精密ポリシング)として古くから実用化されてきたが、ここにきて、超LSI用リソグラフィの微細化限界を克服するための平坦化技術として可能性を秘めていることが明らかになり急浮上してきたものである。」との表記があること。
(イ)「CMP-Designerの製品カタログ」(平成16年7月22日付け意見書に添付の乙第8号証)によれば、「CMPモデルによる高精度な膜厚解析と最適なダミーパターン設計環境」の小見出しの下、「多重配線工程の平坦化では、CMP(Chemical Mechanical Polishing)プロセスが用いられています。しかしながら、CMP後の膜厚は、レイアウトパターンの密度分布に依存した膜厚分布が生じ、パターン露光時の焦点深度の低下、容量バラツキが問題になっています。」との記載、及び、製品の特徴として「チップレベルのCMP膜厚分布を高速・高精度に解析」「層間膜CMP、Cu配線、STIプロセスに対応」との記載があること。
(2)職権調査に基づく日刊新聞記事より
(ア)2003年9月17日付けで、「荏原、半導体研磨装置で攻勢ー年内100台受注狙う」の見出しの下、「荏原は化学的機械研磨(CMP)の新製品の立ち上がりが好調なため、・・・」「CMPは半導体製造工程でウエハーを平たん化する装置。」との記載があること。
(イ)2003年11月28日付けで、「東邦エンジ、半導体製造装置に進出ーCMPパッド溝加工装置を投入」の見出しの下、「第1弾として、半導体ウエハーを研磨するCMP(化学的機械研磨)パッドの溝加工装置を開発した。300ミリメートルウエハー用大径CMPパッドの加工ができるもの
で、・・・」との記載があること。
(ウ)2003年12月10日付けで、「産総研、ダブルゲートMOSFETを開発ー4端子駆動実現」の見出しの下、「また分離した二つの多結晶シリコンゲートを微細CMP(化学的機械的研磨)技術で形成した。」との記載があること。
してみれば、申立人は、本件商標から「CMP」の文字部分が自他商品識別機能を果たすことことを前提に、本件商標と引用商標1とは「シーエムピー」の称呼を共通にする類似の商標であるとする異議申立の理由は、その前提において失当であり採用できない。
つぎに、職権による取消の理由で引用した引用商標2は、登録審決がされたものの登録料未納のため平成17年5月31日付けで出願却下処分が確定したので、当該取消の理由は解消した。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2005-09-01 
出願番号 商願2001-116518(T2001-116518) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (Z09)
最終処分 維持  
特許庁審判長 佐藤 正雄
特許庁審判官 山本 良廣
宮川 久成
登録日 2003-04-04 
登録番号 商標登録第4658854号(T4658854) 
権利者 株式会社半導体先端テクノロジーズ
商標の称呼 シイエムピイデザイナー、シイエムピイ、デザイナー 
代理人 高田 守 
代理人 中村 稔 
代理人 大島 厚 
代理人 松尾 和子 
代理人 谷田 拓男 
代理人 高橋 英樹 
代理人 熊倉 禎男 

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