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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) Y16
管理番号 1124689 
異議申立番号 異議2003-90454 
総通号数 71 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2005-11-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-08-01 
確定日 2005-09-23 
異議申立件数
事件の表示 登録第4668851号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4668851号商標の登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件登録第4668851号商標(以下「本件商標」という。)は、平成14年9月24日に登録出願され、別掲に示すとおり、「エンベデッド・ユニックス」「Embedded」「UNIX」の各文字を三段に書してなり、第16類「雑誌,その他の定期刊行物」を指定商品として、平成15年5月2日に設定登録されたものである。

第2 登録異議申立の理由の要旨
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の2件の登録商標を引用している。
(ア)登録第2495776号商標(以下「引用商標1」という。)は、「UNIX」の欧文字を横書きしてなり、昭和59年5月18日に登録出願、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年1月29日に設定登録され、現に有効に存続するものである。
(イ)登録第2702681号商標(以下「引用商標2」という。)は、「UNIX」の欧文字を横書きしてなり、平成1年12月26日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同7年1月31日に設定登録され、現に有効に存続するものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、引用商標1と類似する商標であって、同一又は類似の商品を指定するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する商標である。
(3)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、日本国内において著名な商標である引用商標2と商品の出所混同を生ずるおそれのある商標であるから、商標法第4条第1項第15号に該当する商標である。
(4)商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、オペレーティングシステムとして著名な引用商標2を含むものであるから、商標法第4条第1項第16号に該当する商標である。

第3 当審における取消理由の通知
当審における平成17年5月18日付け取消理由通知の要旨は、下記のとおりである。

(1)本件商標は、前記「第1」で記載したとおりである。
(2)登録異議申立人の提出に係る甲号各証によれば、以下の事実が認められる。
(ア)甲第5号証(「わかりやすいコンピュータ用語辞典」株式会社ナツメ社発行)によれば、「UNIX」は、「AT&Tのベル研究所で1969年に開発されたOS(オペレーティング・システム)。マルチ・ユーザ/マルチ・タスクを特徴とし、移植性が高いことから、ワークステーション用のOSとして広く利用されている。もともとはAT&Tの社内用として開発されたもので、ソースコードや技術情報が無料で公開されたために、大学や研究所の間に急速に広まった。方言の多いOSとして知られ、AT&Tによるバージョンのほか、バークレー版が特に有力で、近年、仕様の統一化が試みられている。」と記載されていること。
(イ)甲第6号証(「英和商品名事典」株式会社研究社発行)によれぼ、「UNIX」は、「1969年に米国NewYork州のAT&TのBellLaboratoriesが開発したコンビユーターソフトで、ミニコン・マイコン用のマルチユーザー・マルチタスク対応のオペレーティングシステム(OS)」と記載されていること。
(ウ)甲第7号証(「情報通信活用事典」株式会社産業調査会事典出版センター)によれば、「もともとUNIXは、1969年に米AT&T社のBell研究所で開発されたOSである。C言語で書かれたソースコードが公表れたことから、大学や研究所を中心に注目を集めるようるこなった。現在ではサーバなどで広く使われている。操作には専門的な知識が要求されることから一般ユーザーには広まらなかったが、その高度なネットワーク機能は、インターネットの基盤にもなっている。」と記載されていること。
(エ)甲第8号証(「デジタル用語事典2001-2002年版」株式会社日経BP社)によれば、「UNIX」は、「1970年代のはじめ、米AT&Tベル研究所の研究員であったケン・トンプソンとデニス・リッチ一によって作られたOS。「ユニックス」と読む。当初は米デジタル イクイップメント社のミニコンピュータ「PDF-1」向けに開発されたが、その後アセンブラからC言語に書き直されたバージョンは、様々なコンピュータに移植された。そのバリエーションとして有名なのは、AT&T社内で作られたSystem Vやカリフォルニア大学バークレイ校で開発されたBSD(Berkley Software Distribution)など。その後、米IBMのAIX、米サン・マイクロシステムズのSolaris、米コンパック・コンピュータのDIGITAL UNIX、米ヒューレット・パッカードのHP-UXなどの商用UNIXが次々と生まれていった。最近では処理能力の向上したパソコン用のUNIX(PC-UNIX)も登場してきている。」と記載されていること。
(オ)その他、「マイクロコンピュータハンドブック」(甲第9号証)、「コンピュータソフトウェア事典」(甲第10号証)、「情報・通信マイクロコンピータ辞典」(甲第11号証)、「コンピュータの事典」(甲第12号証)、「新版/電気電子用語事典」(甲第13号証)、「共立/総合コンピュータ辞典」(甲第14号証)、「日経パソコン新語辞典2001年度版」においても「UNIX」についての記載があること。
(3)以上のことより、申立人が引用する「アメリカン テレフォン テレグラム カムパニー」の所有に係る登録商標「UNIX」(以下「引用商標」という。)は、ベル研究所が1969年に開発したOS(オペレーティング・システム)を指す語として、遅くとも本件商標の出願日である平成14年9月24日の時点において、わが国の取引者、需要者、特に、情報通信関連の業界において広く知られていたものと認めることができる。
(4)一方、本件商標は、別掲に示すとおり、「エンベデッド・ユニックス」「Embedded」「UNIX」と三段に表してなるなるところ、これをその指定商品について使用する場合、これに接する取引者・需要者は、前記事情、及び、コンピュータ関連を取り扱った雑誌が数多く出版されている実情を合わせ考えれば、本件商標を構成する極めて顕著に書された「UNIX」の文字部分より引用商標「UNIX」を容易に連想・想起し、該商品が恰も「アメリカン テレフォン テレグラム カムパニー(AT&T社)」あるいは同人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
(5)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

第4 商標権者の意見
商標権者は、前記「第3」の取消理由について、指定した期間内に意見を述べていない。

第5 当審の判断
当合議体は、上記「第3」の取消理由を通知し、期間を指定して意見を提出する機会を与えたが、商標権者からは何らの応答もない。
そして、前記取消理由は妥当なものと認められるので、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 【別掲】
本件商標(登録第4668851号商標)


異議決定日 2005-08-08 
出願番号 商願2002-80840(T2002-80840) 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (Y16)
最終処分 取消  
前審関与審査官 鈴木 修 
特許庁審判長 佐藤 正雄
特許庁審判官 宮川 久成
山本 良廣
登録日 2003-05-02 
登録番号 商標登録第4668851号(T4668851) 
権利者 シーキュー出版株式会社
商標の称呼 エンベデッドユニックス、エンベデッド、ユニックス 
代理人 鈴江 武彦 
代理人 小出 俊實 
代理人 石川 義雄 

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