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審決分類 審判 全部無効 商4条1項16号品質の誤認 無効としない Z41
審判 全部無効 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 無効としない Z41
管理番号 1124549 
審判番号 無効2002-35431 
総通号数 71 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-11-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2002-10-10 
確定日 2005-09-29 
事件の表示 上記当事者間の登録第4571133号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4571133号商標(以下「本件商標」という。)は、「アエロバティックス」の片仮名文字と「日本グランプリ」の文字とを二段に書してなり、平成13年年4月2日に登録出願、第41類「アクロバット飛行の興行の企画・運営又は開催,技芸・スポーツ又は知識の教授,動物の調教,植物の供覧,動物の供覧,図書及び記録の供覧,美術品の展示,庭園の供覧,洞窟の供覧,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の上映・制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,ゴルフの興行の企画・運営又は開催,相撲の興行の企画・運営又は開催,ボクシングの興行の企画・運営又は開催,野球の興行の企画・運営又は開催,サッカーの興行の企画・運営又は開催,競馬の企画・運営又は開催,競輪の企画・運営又は開催,競艇の企画・運営又は開催,小型自動車競走の企画・運営又は開催,当せん金付証票の発売,音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,興行場の座席の手配,映写機及びその附属品の貸与,映写フィルムの貸与,楽器の貸与,スキー用具の貸与,スキンダイビング用具の貸与,テレビジョン受信機の貸与,ラジオ受信機の貸与,図書の貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,絵画の貸与,研究用教材に関する情報の提供及びその仲介,セミナーの企画・運営又は開催,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組等の制作における演出,映像機器・音声機器等の機器であって、放送番組等の制作のために使用されるものの操作,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,ネガフィルムの貸与,ポジフィルムの貸与」を指定役務として、同14年5月24日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張及び弁駁
請求人は、「本件商標の登録は、これを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求める。」と申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第10号証(枝番含む)を提出した。
請求の理由
1.本件商標の識別性について
(1)商標法第3条第1項第3号に掲げる商標が商標登録の要件を欠くとされているのは、商品の品質その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占的使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによると解される(昭和53年(行ツ)第129号、昭和54年4月10日最高裁判決参照)。
したがって、或る登録商標がその登録査定時において,指定役務の質等を表示するものとして既に使用されていて一般の取引者・需要者にもそれが認識されていた場合、若しくは、現実に使用されていなくても当該商標からその指定役務の質等を表す直接的ないし具体的な意味合いを取引者・需要者が直ちに把握、認識するものであった場合には、当該商標の登録は、商標法第3条第1項第3号の規定に違反してなされたものとして無効とされるべきである。
(2)これを本件商標についてみるに、本件商標は、上記構成のとおりであるところ、その構成中上段の「アエロバティツクス」の文字は、「曲芸飛行、曲芸飛行術」の意味を有する英語「aerobatics」(甲第2号証)の読みを片仮名文字で表したものということができ、当該「aerobatics」は、「アエロバイオロジー(aerobiology)」、「アエロフロート(Aeroflot)」等の外来語の例(甲第3号証)に倣えば、「アエロバテイックス」と発音されるといい得るものである。
また、構成中下段の「日本グランプリ」の文字は、その後半の「グランプリ」(grand prix)の文字が「モータースポーツでは、各国で行われる競技の頂点になる国際イベント」の意味を有する外来語(甲第4号証)としても広く一般に親しまれているものであるから、これに接する取引者・需要者に、全体としては「日本で行われる競技の頂点になる国際イベント」の意味合いを表示したものとして容易に把握、理解されると認められるものである。
(3)ところで、「アエロバテイツクス(aerobatics)」の文字は、前述したように、「曲芸飛行、曲芸飛行術」を意味する英語であるばかりでなく、その意味合いと同様のものとして、具体的には、「専用の小型飛行機を用い、設定された空域の中で、規定演技若しくは自由演技のプログラムでする航空競技」(以下、「曲技飛行」という。)を称するものとして普通に使用されているのが実情である。
即ち、この「アエロバテイックス」は,1960年にチェコスロバキアで初の世界アエロバティックス選手権(各国ナショナルチームが参加)が開催されたのを皮切りに、それ以来、2年おきに17回の同選手権、1993年から1995年にかけて15回のワールドカップが開催され、1996年からはワールドカップに代わって国際航空連盟(FAI)公認の最高峰ランクの大会となる「FAI World Grand Prix of Aerobatics」(以下「FWGPA」という。)が世界各国で開催されてきている(甲第5証)。
なお、「アエロバテイックス」の大会は、国際航空連盟(Federation Aeronautique Internationale=FAI)の国際アエロバテイックス飛行委員会(CIVA)の管理の下に運営されている(国際航空連盟とは、1905年に設立された非政府・非営利の国際団体であり、1985年には国際オリンピック競技委員会の傘下団体になっている連盟であって、その加盟国は、世界95カ国にも及び、そのうちの50カ国でアエロバティックスのほか、気球・滑空機・模型航空・落下傘などの航空競技が行われている。)。
そして、我が国における「アエロバテイックス」は、兵庫県「但馬空港」におけるワールドカップ(1995年)開催を始めとして、1996(平成8)年10月の同空港におけるワールド・グランプリ大会(FWGPA IN TAJIMA),さらには,1997(平成9)年8月の北海道豊頃町「とよころ飛行場」における「FWGPA OfficiaI Exhibition」開催が実行され、以後も合わせると、およそ10回程度のア工ロバテイックの大会が開催されている。
但馬空港における「アエロバティックス」のワールド・グランプリ大会「FWGPA IN TAJIMA」は、1996(平成8)年10月25〜27日の3日間開催され、約23,500人の観客を動員する盛大なものであり、また、1997(平成9)年8月9日、10日の2日間開催された「FWGPA Official Exhibition」も、相当数の観客を動員する盛大なものであった。そして、この大会の様子については、「月刊 AUTO SPIRITS」「月刊モデルアート」等の各種雑誌や、「朝日新聞」「毎日新聞」「スポーツニッポン」「日刊スポーツ」「北海道新聞」「十勝毎日新聞」等の各新聞にも取り上げられた(甲第6号証及び同第7号証)。
さらに、請求人において「アエロバテイックス」をキーワードとしてインターネットで検索した結果、約764件のホームページが見つかった。そして、そのホームページにおいても、「アエロバテイックス(aerobatics)」は「曲技飛行」を意味するものである旨の紹介がなされている(甲第8号証の1ないし6)。
そうとすると、「アエロバテイックス」の文字は、遅くとも本件商標の登録査定時には既に「曲技飛行」を意味する語として普通に使用されていて、それがこの種業界の取引者・需要者の間に広く認識されるに至っていたものといわなければならない。
(4)加えて、特許庁における審査例をみると、「WORLD GRAND PRIX OF AEROBATICS」の文字よりなる出願商標(商願平8-42568)に対しては、「この商標登録出願に係る商標は、『アクロバット飛行の世界グランプリ』の意を看取するものであるから、これをその指定役務に使用しても、上記決定戦を認識するに止まり、単に役務の内容を表示するにすぎないものと認める。」旨の理由をもって拒絶査定がなされ、また、「AEROBATICS」の文字よりなる請求人出願に係る商標(商願2001-82175)に対しては、「この商標登録出願に係る商標は、『アクロバット飛行』を意味する英語を普通に用いられる方法で表示してなるから、これを本願の指定役務中『アクロバット飛行競技大会の企画・運営又は開催』について使用するときは、単に役務の質を表示するにすぎないものと認める。」旨の拒絶理由通知がなされている事実が認められる(甲第9号証の1及び2)。
(5)以上を総合すれば、「アエロバティックス」と「日本グランプリ」の文字を表してなる本件商標をその指定役務中「アクロバット飛行の興行の企画・運営又は開催」に使用するときは,これに接する取引者・需要者は、その興行が「日本で行われる『曲技飛行』競技の頂点になる国際イベント」であることを表示したものとして理解するに止まり、自他役務を識別するための標識とは認識し得ないものと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標は、これをその指定役務中「アクロバット飛行の興行の企画・運営又は開催」に使用するときは、単に役務の質を表示するにすぎないものであり、また、前記役務以外の役務に使用するときは、「曲技飛行」に関連する役務であるかのように、その役務の質について誤認を生じさせるおそれがあったものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきものである。
2.被請求人の答弁に対する弁駁
(1)「AEROBATICS」及び「国際航空連盟(FAI)」についての被請求人の主張は認めることが出来るが、「FWGPA」については、事実に反するので反論する。
「FWGPA」は、「FAI WORLD GRAND PRIX OF AEROBATICS」(国際航空連盟公認のアエロバティックス世界グランプリ)の頭文字をとったものであるが、それは請求人が初めて採択したものであり、以降、1996年当初から、同人が提供する「航空ショー」の標章として使用してきたものである。したがって、「FWGPA」は、前記「アエロバティックス世界グランプリ」の略称であっても、被請求人がいうように請求人以外の特定の組織や団体の名称又は略称を表すものではない。
(2)請求人について
被請求人が、請求人について述べるところは、被請求人の独断と偏見によるものである。
被請求人は、「請求人が、ジャン・ルイ・モネ氏が創作したFAIの標章であるウイングマーク(以下「ウイングマーク」という。)を、自己の意匠として意匠登録し、「FWGPA」の商標登録を受けてしまった。」旨主張するが、「ウイングマーク」及び「FWGPA」のいずれもの標章も、請求人が創出し、使用するものであるから、請求人の意匠登録(登録第1005786号)及び登録商標(登録第4479729号)は、正当な権利者によって所有されたものである。
また、被請求人は、請求人に係る当該無効審判事件(無効2002-35285)、損害賠償等請求事件(平成14(ワ)20610号)がある旨述べるが、それぞれの裁判事件は、東京地方裁判所及び東京高等裁判所において未だ継続中である。
(3)本件商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
被請求人は、「請求人が、「アエロバテイツクス(aerobatics)」の文字が英和辞典に掲載されていることもって「アエロバテイツクス」が我が国で普通に使用されていると主張するのは筋違いである。」旨の主張するが、「アエロバテイツクス(aerobatics)」の文字が「広辞苑」、「国語辞典」、「情報・知識imidas1998」(乙第26号証)に掲載されていないとしても、本件商標の登録査定時において、これが「曲芸飛行、曲芸飛行術」、具体的には「専用の小型飛行機を用い、設定された空域の中で、規定演技若しくは自由演技のプログラムをする航空競技」を称するものとして、この種業界において普通に使用されていることは、甲第5号証ないし甲第9号証をもって立証される。
また、被請求人は、「グランプリ」(grand prix)が曲芸飛行では用いられないと主張するが、我が国において、「各種競技の頂点になる国際イベント」を意味する語として広く一般に使用されていることは顕著な事実である。
したがって、「アエロバティックス」と「日本グランプリ」の文字を表してなる本件商標を、その指定役務中「アクロバット飛行の興行の企画・運営又は開催」に使用するときは,これに接する取引者・需要者は、その興行が「日本で行われる『曲技飛行』競技の頂点になる国際イベント」であることを表示したものとして理解するに止まるものであるから、当該国際イベントが主催者などの変更により、「ツインリンクもてぎ」のみでなく、「但馬空港(兵庫県)」、「とよころ飛行場(北海道豊頃町)」やその他の飛行場でも開催され得るものであることを考慮すれば、一私企業たる被請求人が自己の登録商標として独占するのが妥当でないことは明らかである。
(4)本件商標の周知性
被請求人は、乙第6号証及び乙第28号証ないし同第43号証をもって、本件商標は、同人が主催する曲芸飛行大会に使用する周知性を獲得しているものである旨主張する。
しかしながら、各乙号証(大会カタログ、チラシ、新聞記事等)に使用されている標章は、例えば「ツインリンクもてぎ」若しくはそのロゴマークや「FAI WORLD GRAND PRIX OF AEROBATICS」の文字若しくはそのロゴマークが自他役務の識別標識、即ち、商標として使用されているというべきであって、「アエロバティックス日本グランプリ」の文字は、その使用態様からみれば単に「日本における曲芸飛行の国際イベント」であることの意味合い(提供する役務の内容)を表示したものとして把握・認識されるにすぎないから、これら乙各号証をもってしては、該「アエロバティックス日本グランプリ」の文字が、その意味合いを超えて、被請求人主催の曲芸飛行大会に使用する商標として周知性を獲得するに至っているものということは到底できない。
また、被請求人はインターネットホームページの検索結果(乙第44号証及び乙第45号証)を挙げ、縷々述べているが、これらの乙各号証によっても、「エアロバティックス」及び「アエロバティックス」の文字いずれもが「曲芸飛行」を意味する語として普通に使用されているといい得るものであり、「エアロバティックス日本グランプリ」及び「アエロバティックス日本グランプリ」の文字も同時に使用されているところから、単に「日本における曲芸飛行の国際イベント」を意味する語として理解されるにすぎないものであって、それ以上のもの(例えば周知性を獲得するに至っているもの)としては、把握、認識されていないということができる。

第3 被請求人の答弁
被請求人は「結論同旨の審決を求める。審判費用は請求人の負担とする。」と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第45号証(枝番含む)を提出した。
1.「AEROBATICS」について
「AEROBATICS」は「アクロバット飛行、曲芸飛行、高等飛行(術)」を意味する英語である。この曲芸飛行は1913年にアメリカのリンカーン・ビーチらが初めて飛行機で宙返りに挑戦したことにより始まったと言われ、最初に世界的規模の曲芸飛行大会が開催されたのは1960年のチェコスロバキアで開催された世界大会であった。その後も曲芸飛行大会は世界各地で開催され、高度で緻密な技術による演技と美的完壁さを追求する芸術性を備えたスポーツとして普及してきた。
2.国際航空連盟(FAI)について
航空スポーツの普及を目的として1905年に設立された非政府、非営利の国際団体として国際航空連盟(FAI)がある。本部はパリにあり、現在加盟国は95カ国にのぼる。FAIには様々な競技があり、気球競技、グラ
イダー競技、ラジコン競技、曲芸飛行競技等があり、このうち曲芸飛行のことを「AEROBATICS」と言う。
3.FWGPAについて
「FWGPA」は、「FAI WORLD GRAND PRIX OF AEROBATICS」の略である(以下「FWGPA」という。)。「FAI」は「FWGPA」に曲芸飛行大会の実施を委託している。
自分で航空法等の規制のクリアーやその他の業務をおこない、自分で飛行機やパイロットを調達すれば、FWGPAと無関係に曲芸飛行大会を開催できるが、その場合は「FAI」「FWGPA」の名称やウイングマークを使用できない。これに対して、FWGPAに依頼すれば、FWGPAが飛行機やパイロットの手配、航空法等の規制のクリアーといった業務をおこない、さらに「FAI」「FWGPA」の名称やウイングマークを使用して曲芸飛行を実施してくれる。
4.請求人について
(1)被請求人は、98年以降、FWGPAと契約してFWGPAに曲芸飛行の実施を委託している(乙第7号証ないし乙第11号証)。そして、FWGPAのジャン・ルイ・モネ氏がFWGPAの日本での業務はFWGPAの日本部局が行うというので、被請求人はFWGPAの日本部局(FWGPA-J)とも覚書を締結している(乙第12号証ないし乙第14号証)。
請求人は、このFWGPA-Jの一員であった。FWGPA-Jの当初の構成は請求人と塙正典氏、川崎亜雄氏であり、98年は被請求人の委託を受けてこの三名が大会開催のための国内業務をおこなっている。その対価として、被請求人はFWGPAに対して4500万円を支払っている。99年は請求人と塙正典氏がやはり被請求人の委託を受けて大会開催のための国内業務をおこない、その対価として、被請求人は3000万円並びに上限1500万円分の事業商権を支払っている。ところが、その後、ジャン・ルイ・モネ氏から、請求人は独立のエージェンシーになったこと、FWGPA-Jは塙正典氏であることの連絡を受けたので(乙第20号証、訳文付き)、2000年は塙正典氏との間で契約を結んでいる(乙第14号証)。
以上のとおり、請求人は、被請求人から委託を受けて、被請求人が主催し
た「‘98アエロバテイックス日本グランプリ」「‘99アエロバテイック
スHONDAグランプリ」を実施するための契約業務をおこなった者であり、その対価としてそれぞれ4500万円、3000万円及び上限1500万円の事業商権の支払を受けた。
(2)しかしながら、請求人は、ジャン・ルイ・モネ氏が創作したFAIの標章であるウイングマークを自己の意匠として意匠登録してしまい(意匠登録第1005786号、乙第21号証)、さらに「FWGPA」の商標登録を受けた。(商標登録第4425181号、乙第22号証)
(3)また、スイス国のジャン・ルイ・モネ氏の会社であるエフダブリュージーピーエー オペレーティング サービシズ エス、エイ、の保有するウイングマークの商標(商標登録第4479729号、乙第23号証)に対する無効審判(無効2002-35285号)を提起して敗れた。
(4)さらに、「FWGPA」「アエロバテイックス」「AEROBATICS」の名称並びにウイングマークは請求人が企画、開催する曲技飛行競技会を示す表示として広く知られているとして、被請求人に対して、損害賠償等請求の訴えを提起し(東京地裁平成14年(ワ)20610号、訴状を添付、乙第24号証)、現在敗訴確実の状況にある(今年中に判決言渡し予定)。
(5)請求人の最近の言動に鑑みて、FAIは、2002年12日、「World Grand Prix of Aerobatics」のロゴがFAIからジャン・ルイ・モネ氏に譲渡されたこと、FAIと請求人はまったくの無関係であること、請求人が登録または出願した商標あるいは意匠はFAIと全く無関係であること等を関係各位に通知している(乙第25号証、訳文付き)。
5.日本における曲芸飛行大会
1995年に兵庫県但馬空港で最初の曲芸飛行大会が開催された。この大会は「BREITLING WORLD CUP OF AEROBATICS I995」という大会名称で、ブライトリング社が主催者となり開催された(乙第1号証)。その後、現在に至るまで、我が国においては、年に一回のペースで曲芸飛行大会が開催されている。
6.本件商標の商標法第3条第1項第3号該当性
「AEROBATICS」の発音を片仮名表記すると、一般的には「エアロバティックス」である。請求人自身、上記東京地裁平成14年(ワ)20
610号事件で、「敢えて『アエロバティックス』としたのは着眼であった」と述べている。また、複数の辞書を引いても、「エアロバティックス」も「アエロバティックス」も掲載されていない(乙第26号証の1ないし3)。両者ともに主要な辞書には掲載されていないことを考慮すれば、少なくとも「エアロバティックス」、「アエロバティックス」ともに普通に使用されていないことは容易に推認できる。
請求人は「AEROBATICS」の文字が英和辞典に掲載されていることをもって「アエロバティックス」が曲芸飛行を称するものとして普通に使用されていると主張するが、「アエロバティックス」が国語辞典に掲載されているならまだしも、「AEROBATICS」が英和辞典に掲載されているから「アエロバティックス」が我が国では普通に使用されていると主張するのは筋違いである。
次に、「GRAND PRIX」を英和辞典で引くと、「1.Paris郊外の競馬場で行われる明け4歳馬のレース。2.国際馬術連盟公認の馬術競技大会で最も権威のある種日。3.世界各地で行われる国際的な長距離自動車レース」の意が掲載されているとおり(乙第27号証)、「GRAND
PRIX」「グランプリ」は主として競馬レースや自動車レースで用いられる語であり、曲芸飛行では用いられない。したがい、本件商標をその指定役務中の「アクロバット飛行の興行の企画・運営又は開催」に使用しても、決して請求人が主張するような「日本で行われる曲技飛行競技の頂点になる国際イベント」を認識させるものではなく、本件商標は商標法3条1項3号に該当しない。
7.我が国における本件商標の周知性
(1)被請求人による本件商標の使用
別紙1の表のとおり、被請求人は1998年から現在に至るまで毎年曲芸
飛行大会を開催し本件商標を大会名称に使用している。その具体的内容は以下のとおりである。
a)平成10年(1998年)「‘98アエロバティックス日本グランプリ」
被請求人が初めて主催した曲芸飛行大会であり、大会名称としての本件商標がそのプログラムカタログの表紙に大きく表示された(乙第2号証)。また、自動車レース場で曲芸飛行大会が開催されるのは世界初ということもあ
り、朝日新聞朝刊(乙第28号証の2)や毎日新聞北海道朝刊(乙第28号
証の4)では、本大会が被請求人が運営管理するレース場「ツインリンクも
てぎ」で開催されることを報じた。大会の観客動員数は、3日間の合計で3万5600人にものぼり(乙第15号証)、大会は成功裏に終わった。なお、本大会終了後、予想以上の反響があったため、大会の模様がビデオ販売されるに至った(乙第29号証の1及び2)。
b)平成11年(1999年)「‘99アエロバティックスHONDAグランプリ」
前年度の大会が予想を大きく上回る成功を収めたため、引き続き曲芸飛行大会を開催した。この年も大会名称には本件商標が使用され(乙第3号証)、前年と同様大々的に宣伝された。なお、乙第3号証として提出されたプログラムカタログには「アエロバティックス日本グランプリ」ではなく、「アエロバティックスHONDAグランプリ」と表記されているが、これは被請求人の親会社である本田技研工業株式会社が大会特別協賛となったためであ
り、前年同様被請求人がそのレース場に於いて曲芸飛行大会を催行したこと
や被請求人がホンダ系列会社であることは周知であることを考慮すれば、大
会名称が若干変更されても、この年の大会は前年の大会と一連のものと認識
される。本大会に訪れた観客が運営するウェブサイトでも「99アエロバテ
ィックス日本グランプリ」と表記されているものが多数あり(乙第30号証
の1ないし3)、被請求人が運営管理するレース場「ツインリンクもてぎ」が紹介されているウェブサイトにおいても、「99アエロバティックス日本グランプリ」が表記されている(乙第31号証)。また、本大会はNHK・BS-1でも50分にわたる特別番組として「大空の舞踏会『アエロバティックス日本グランプリ』」と題して放映された(乙第32号証)。さらに、産経新聞東京夕刊でも本大会が開催されることを報じ、その大会名称を「99アエロバティックス日本グランプリ」と題している(乙第28号証の4)。大会の観客動員数は、合計で3万5450人にものぼり(乙第16号証)、この年も大会は成功裏に終わった。なお、昨年同様、本大会の模様を映像に収めたビデオが販売された(乙第33号証の1及び2)。
c)平成12年(2000年)「アエロバティックスHONDAグランプリ2000」
この年も引き続き曲芸飛行大会が開催された。この年の大会名称は、前年と同一でありプログラムカタログにはそれが大きく表示されている(乙第4
号証)。前年と同様に大会名称が本件商標とは若干変更されているが、本大
会に訪れた観客等が運営するウェブサイトにおいては「アエロバティックス
日本グランプリ2000」と表記されているものが多数であり(乙第34号
証の1ないし4)、朝日新聞朝刊ではツインリンクもてぎで「アエロバテイックス日本グランプリ」の記者発表があったことを報じている(乙第28号証の1)。また、この年は宣伝広告にも従来以上に力を注ぎ、朝日新聞に「アエロバティックス日本グランプリ」と表記した広告を掲載したり(乙第28号証の2)、ゲストに著名芸能人を招いたりした(乙第35号証)。大会の観客動員数は、合計で4万6300人にものぼった(乙第17号証)。過去2年と比較して、観客数が約1.3倍にもなったことからも被請求人の大会名称はより周知になったと言える。
この年を含めて被請求人が3年連続で大会を開催したこともあり、毎年-
回、我が国で開催される世界的規模の曲芸飛行大会は、被請求人が主催者として定着し、本大会は被請求人が催行するものとして周知に至るのみならず、その周知性が流行性に裏付けられるものではなく安定した人気に裏付けら
れるものとなった。
d)平成13年(2001年)「2001 AEROBATICS JAPAN GRAND PRIX」
恒例の如く、この年も曲芸飛行大会が開催された。大会名称は「AERO
BATICS JAPANGRANDPRIX」とされ、同時に「アエロバティックス日本グランプリ」が併記された。すなわち、被請求人の大会名称である本件商標と全く同一の商標が使用された。この年のプログラムカタログにもその表紙に「AEROBATICS JAPAN GRAND PR
IX」と大きく表示され、その下に多少小さくはあるが「アエロバティックス日本グランプリ」と併記されている(乙第5号証)。カタログ内の記載に
おいてもこのように両者を併記する形をとっている(乙第36号証)。また、大会会場の入場ゲート上部には「2001 アエロバティックス日本グランプリ」と大きく書された看板が設けられ(乙第37号証)、朝日新聞の広告においても「‘01アエロバティックス日本グランプリ」と表記された(乙第28号証の2)。さらに、マスコミにも大きく取り上げられ、とちぎテレビではゴールデンタイムに本大会の模様が約1時間放映され(乙第38号証の1及び2)、朝日新聞朝刊ではツインリンクもてぎで本大会の決勝があったこと(乙第39号証、乙第28号証の2)、毎日新聞地方版(乙第28号証の2)や下野新聞(乙第40号証)でも本大会が開催されたことを報じており、何れの記事にも本大会名称は「アエロバティックス日本グランプリ」と表記されている。大会の観客動員数は、合計で5万3000人にものぼった(乙第18号証)。観客動員数が大幅に増加した前年の観客動員数を更に上回る結果となり、本大会の周知度はさらに増した。なお、被請求人はこれまでの営業活動により本大会名称には多大な業務上の信用が化体していると考え、本件商標を平成13年4月2日付で商標登録出願した。その後、翌14年4月15日に登録査定がなされた。
e)平成14年(2002年)「AEROBATICS JAPAN GRAND PRIX」
当然にこの年も被請求人主催による曲芸飛行大会が開催された。大会名称は「AERO BATICS JAPAN GRAND PRIX」であり前年とほぼ同じである。また、同時に「アエロバテイックス日本グランプリ」が併記された。すなわち、被請求人の大会名称である本件商標と同一の商標が使用された。この年のプログラムカタログにもその表紙に「AEROBATICS JAPAN GRAND PRIX」と上下5段に大きく表示され、その上方に多少小さくはあるが「アエロバティックス日本グランプリ」と併記されている(乙第6号証)。また、「アエロバティックス日本グランプリ」と表示したチラシ広告もある(乙第41号証)。マスコミにも大きく取り上げられ、スカイパーフェクトTVでは、複数回にわたり2時間の特別番組が組まれ(乙第42号証の1及び2)、MXテレビでもその大会模様が放映された(乙第43号証)。その他にも朝日新聞朝刊では本大会が開催されることが報じられた(乙第28号証の1)。大会の観客動員数は、合計で4万8700人にものぼった(乙第19号証)。
昨年に比べてやや観客動員数は落ちたが本大会は以前人気が高く大会名称である被請求人の本件商標は日本国内において周知性を獲得していることは確実である。
(2)インターネットによる検索
上記4.で述べた如く、「AEROBATICS」は「エアロバテイックス」又は「アエロバティックス」と片仮名表記することができるが、インターネットの「Yahoo JAPAN」で「エアロバティックス」を検索してみると223件がヒットし(乙第44号証)、「アエロバティックス」を検索してみると1010件がヒットした(乙第45号証)。これより、一見すると、「エアロバティックス」よりも「アエロバティックス」のほうが一般的に使用されているように感じられるが、「エアロバティックス」の検索結果をみると、その内容のほとんどが「AEROBATICS」の本来の意味である「曲芸飛行」の一般的意味として使われているのに対し(乙第44号証)、「アエロバティックス」の検索結果をみると、その内容のほとんどが、被請求人が主催する曲芸飛行大会「アエロバティックス日本グランプリ」の記述となっている(乙第45号証)。すなわち、「エアロバティックス」は「曲芸飛行」を意味し、「アエロバティックス」は被請求人が主催する曲芸飛行大会を意味するものとして、両者が使い分けられていると言え、なおかつ、後者の「アエロバティックス」のほうが前者の「エアロバティックス」より多く使用されているのだから、「アエロバティックス」は被請求人が主催する曲芸飛行大会の大会名称として広く知られているということができる。また、請求人は「アエロバテイックス」は広く知られているため普通に使用されていると主張し、その根拠として「アエロバテイックス」をインターネット上で検索すると多数ヒットすることを証拠として提出しているが(甲第8号証の1)、これらの証拠に現われている「アエロバティックス」の殆どは被請求人が主催する曲芸飛行大会の大会名称を指している。
8.まとめ
以上のとおり、本件商標は被請求人が毎年催行している我が国唯一の世界的規模の曲芸飛行大会の名称として人々の周知を得ており、本件商標に接し
た多くの人々がこれを被請求人が催行している曲芸飛行大会であると認識す
るから、本件商標は、その指定役務中の「アクロバット飛行の興行の企画・運営又は開催」に使用しても商標法第3条第1項第3号には該当せず、前記指定役務以外の指定役務に使用しても同法第4条第1項第16号に該当することはない。

第4 当審の判断
請求人は、本件請求の理由及び弁駁において1.本件商標は「日本で行われる『曲技飛行』競技の頂点になる国際イベント」であることを表示したにすぎないものであり、自他役務を識別するための標識とは認識し得ないものである、2.乙各号証をもってしては、「アエロバティックス日本グランプリ」の文字が、その意味合いを超えて、被請求人主催の曲芸飛行大会に使用する商標として周知性を獲得するに至っているものということはできない旨主張しているので、この点について判断する。
1 本件商標の識別性について
本件商標は前記のとおり「アエロバティックス」の片仮名文字と「日本グランプリ」の文字とを二段に書した構成よりなるものである。
そして、請求人の提出に係る「NEW SHOGAKUKAN Random House ENGLISH-JAPANEASE DICTIONARY ランダムハウス英和大辞典 第2版 株式会社小学館発行 2000年1月10日発行」(甲第2号証)によれば、英語「aerobatics」は「(複数扱いで)曲芸飛行、(単数扱いで)曲芸飛行術」の意味を有し、発音記号によれば、「エアロバティック」と発音され、また、英語の辞書において難易度を示すために用いられている星印が付されていないことからも、該「aerobatics」は難易度が高く、一般に広く知られた英語とは言い難いものと認められる。
そうとすれば、「アエロバティックス」の片仮名文字よりは、直ちに「aerobatics」の英語を想起し得ないといわなければならない。
一方、構成中の「日本グランプリ」の文字部分は、「グランプリ」がフランス語の「GRAND PRIX」の由来する外来語(甲第4号証)であり、「大賞、最高賞、モータースポーツでは、各国で行われる競技の頂点になる国際イベント」等の意味を有する語として、我が国においても一般に知られていることから、「日本国で行われる競技の頂点になる国際イベント」の意味合いを容易に認識できるものといわなければならない。
してみれば、前記「アエロバティックス」及び「日本グランプリ」を組み合わせてなる本件商標よりは、全体として「日本国で行われる何らかの競技の頂点になる国際イベント」程度の意味合いを理解する場合があるとしても、直ちに請求人が主張する意味合いを想起し、役務の内容を具体的に表示するものということはできない。
したがって、請求人の前記1.の主張は理由がないものといわなければならない。
2 本件商標の周知性について
被請求人の提出した乙各号証より、(1)ないし(10)の事実が認められる。
(1)岐阜県但馬空港において、「但馬空港フェスティバル ’95」と同時開催された「ブライトリング・ワールドカップ」のパンフレット(乙第1号証)には、●主催:ブライトリングS.A/日刊スポーツ、「●エアロバティック世界選手権 ブライトリング・ワールドカップ1995年度 最終戦」及び「●グライダーエアロバティック」の文字が表示されていること。
(2)「’98 TWIN RING MOTEGI OFFICIAL PROGRAMME」(乙第2号証)には、「FAI WORLD GRAND PRIX OF AEROBATICS」、「’98 アエロバテックス日本グランプリ」、「主管:国際航空連盟(FAI)/FWGPA」及び「主催:株式会社ツインリンクもてぎ」、「10月23日24日25日」及び「TWIN RING MOTEGI」の文字が表示されていること。
(3)「’99 TWIN RING MOTEGI OFFICIAL PROGRAMME」(乙第3号証)には、「’99 アエロバテックス HONDAグランプリ」、「主管:FWGPA.国際航空連盟(FAI)」、「主催:株式会社ツインリンクもてぎ」及び「大会特別協賛:本田技研工業株式会社」、10月15日16日17日、「TWIN RING MOTEGI」の文字が表示されていること。
(4)「2000 TWIN RING MOTEGI OFFICIAL PROGRAMME」(乙第4号証)には、「アエロバテックスHONDAグランプリ 2000」、10月20日21日22日、「主管:国際航空連盟(FAI)FAI-WGPA」、「主催:株式会社ツインリンクもてぎ」及び「大会特別協賛:本田技研工業株式会社」、10月20日21日22日、「TWIN RING MOTEGI」の文字が表示されていること。
(5)「2001 Twin Ring Motegi Official Programme[2001アエロバテックス日本グランプリ・オフィシャルプログラム」(乙第5号証)には、「2001 AEROBATICS JAPAN GRAND PRIX」、11月2日3日4日、「主管:国際航空連盟(FAI)FAIーWGPA」、「主催:株式会社ツインリンクもてぎ」及び「TWIN RING MOTEGI」等の文字が表示されていること。
(6)「FAI WORLD GRAND PRIX 2002”HAUTE VOLTIGE”」のオフィシャルプログラム(乙第6号証)には、
「AEROBATICS JAPAN GRAND PRIX」、11/
1fri2sat3sun、「主管:FAI)FAI-WGPA」及び「主催:株式会社ツインリンクもてぎ」及び「TWIN RING MOTEGI」の文字が表示されていること(乙第6号証)、
(7)「FAI WORLD GRAND PRIX OF AVIATION PROMOTER AGREEMENT」及び「訳文」(乙第7号証ないし乙第11号証)によれば、「FWGPA」の代表者であるMr.Jean-Louis Monnetと株式会社ツインリンクもてぎとが、日本国茂木において、前記a〜fのFAI世界航空グランプリの開催と上演について契約を締結したこと、そして、「FAI(国際航空連盟)」は、世界中の航空スポーツを統括する唯一の国際的に認知された機関であり、「FWGPA」に競技に関連する全ての保有する権利を管理していること、FAIは、世界中のFWGPAの開催と上演をMr.Jean-Louis Monnetに任命し、その権利を与えていること及び各イベントのタイトル、期間などの内容について同意していること。
(8)「アエロバテックス日本グランプリ開催に関する覚書」(以下「覚書」という。)(’98〜’00)(乙第12号証ないし乙第14号証)によれば、株式会社ツインリンクもてぎとFWGPAとで交わされたものであり、1998年、1999年の「覚書」では、「FWGPA」の日本代表部として、三塚 伸幸(請求人)の署名があるが、2000年の「覚書」では、塙 正典の署名があること。
(9)1998年度 主要レース観客動員数及び1999年〜2002年の(株)ツインリンクもてぎ 広報Gr.メディア事務局による「イベント動員速報」(乙第15号証ないし乙第19号証)によれば、それぞれ開催期間の観客動員数について、合計で3万5600人(’98)、3万5450人(’99)、4万6300人(’00)、5万3000人(’01)、4万8700人(’02)にのぼること。
(10)「エアロバティックス」、「アエロバティックス」に関するインターネット検索情報(乙第44号証及び乙第45号証)によれば、「aerobatics」、「アエロバティックス」、「エアロバティックス」が、「曲技飛行」を意味することとして記載されているものの、「アエロバティックス日本グランプリ」が、被請求人の主催する曲芸飛行大会として多数記述されていること。
以上の事実及び乙各号証より、被請求人は、「FAI(国際航空連盟)」が管理する「FWGPA」との間で、日本国における曲芸飛行大会の開催に関する契約を締結し、覚書を交わしている者であり、被請求人が業とするツインリンク茂木において、1998年より2002年まで「アエロバテックス日本グランプリ」及び「AEROBATICS JAPAN GRAND PRIX」という曲芸飛行大会を毎年開催し、相当数の観客を動員していたことが認められる。
そして、そのことは「アエロバテックス日本グランプリ」及び「AEROBATICS JAPAN GRAND PRIX」についての新聞記事、インターネット検索情報の航空機あるいは航空ショーの愛好家のHPにおいても確認できる。
してみれば、「アエロバテックス日本グランプリ」は、本件商標の登録査定時(2002年4月15日)には、被請求人が毎年催行している我が国唯一の世界的規模の曲芸飛行大会の名称として、一般に知られていたものといわなければならない。
したがって、請求人の前記2.の主張は理由がないものといわなければならない。
以上のとおり、本件商標は、これをその指定役務中の「アクロバット飛行の興行の企画・運営又は開催」について使用しても、その役務の提供の手段・目的等の質を単に表示するにすぎないものとはいえず、むしろ、これに接する取引者・需用者が、被請求人が催行している曲芸飛行大会の名称として理解、認識するというべきであり、十分に自他役務の識別機能を有するものといわなければならない。また、上記文字に照応する役務以外の役務について使用したときには、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるものということが出来ない。
なお、請求人は、特許庁における審査例を挙げ、「WORLD GRAN
D PRIX OF AEROBATICS」の文字及び「AEROBATICS」の文字よりなる商標が、単に役務の質を表示するにすぎないとの拒絶理由通知がなされている事実が認められる(甲第9号証の1及び2)旨述べているが、本件商標と該登録出願の商標とは、商標の態様において異なるものであり、前記のとおり、本件商標はその構成全体として自他役務の識別機能を有するものであると認められるから、これらの審査例をもって本件の結論が左右される事情ないし理由は認められない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-03-04 
結審通知日 2005-03-09 
審決日 2005-03-29 
出願番号 商願2001-29949(T2001-29949) 
審決分類 T 1 11・ 272- Y (Z41)
T 1 11・ 13- Y (Z41)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 山田 清治
特許庁審判官 小林 薫
岩崎 良子
登録日 2002-05-24 
登録番号 商標登録第4571133号(T4571133) 
商標の称呼 アエロバティックスニッポングランプリ、アエロバティックス、ニッポングランプリ、グランプリ 
代理人 平尾 正樹 
代理人 山中 伸一郎 
代理人 為谷 博 
代理人 成合 清 
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