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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z09
管理番号 1124479 
審判番号 取消2004-30399 
総通号数 71 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-11-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2004-03-18 
確定日 2005-09-20 
事件の表示 上記当事者間の登録第4456948号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4456948号商標の指定商品中の「電気通信機械器具」については、その登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4456948号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成12年2月8日に登録出願、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,救命用具,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,レコード,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,自動販売機,手動計算機,電気計算機,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,スプリンクラー消火装置」を指定商品として、同13年3月2日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
【請求の理由】
本件商標は、その指定商品中の「電気通信機械器具」について、継続して3年以上日本国内において使用されておらず、現在も使用されている事実は見出せない。加えて、商標登録原簿上において、通常使用権及び専用使用権の設定登録がなされておらず、使用権者が使用していることも考えられない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定に基づき、その指定商品中「電気通信機械器具」について取り消されるべきである。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第4号証を提出した。
1 被請求人は、無線通信用の小型で複数の帯域に使用できるアンテナの開発・製造企業であって、アンテナを開発し、日本企業に提供している。 以下、その例を挙げる。
(1)被請求人は、周波数、帯域幅、形状に関するパナソニックジャパン(以下「パナソニック」という。)の仕様に合致したアンテナを開発している(乙第1号証及び乙第2号証:英文)。
乙第1号証及び乙第2号証には、次のようなことが記載されている。
「パナソニックは、被請求人にアンテナのデザインをすることを要求しました。そのデザインは、周波数、要求される帯域幅の操作及び形状に関してのパナソニックの仕様書に合致したものでなければなりません。被請求人は、パナソニックの仕様書に基づいて、新しいアンテナの原型を開発しました。本書面の大要は、革命的なTRI-BANDアンテナのデザインを示すという主要な部分を含んでいます。“結論の要約” 被請求人は、帯域に関する電気式仕様を重視するパナソニックの要求に基づいた原型を開発しました。“1.序文” アンテナの仕様書に従い、パナソニックは、tri-bandとなるために必要とされるアンテナのための概念的なデザインを要求しました。この目的のために、パナソニックは、被請求人に対し、外部のアンテナを有し、現実に市場に存在する電話機GD87のシャシーと一緒に本物のPCBを送りました。早急に優れた原型を作成するために、また、良いアンテナキャリアをデザインするため及び最初からこのアンテナを正しい位置に置くため、被請求人は電話機GD87の機械構造に関する様々な質問に対して答えてくれるよう要求しました。最後に、被請求人は、ここに、パナソニックのtri-band基準のためのアンテナに関する提案をします。原型についての現実的な結果は、シミュレーションによると、要求される周波帯にとって必要とされる帯域を成し遂げています(2002年2月17日)。」、「パナソニックは、被請求人に、被請求人がパナソニックに滞在していたときに見せられたサンプルよりもより小さなアンテナのデザインをすることを要求しました。そのデザインは、周波数、要求される帯域幅の操作及び形状に関してのパナソニックの仕様書に合致したものでなければなりません。基本的に、新しいアンテナは、能率の点において落差があってはならない。特にGSM900帯域において。被請求人 は、パナソニックの仕様書に基づいて、新しいアンテナの原型を開発しました。本書面の大要は、革命的なTRI-BANDアンテナのデザインを示すという主要な部分を含んでいます。“結論の要約” 被請求人は、帯域、能率に関する電気式仕様を重視するパナソニックの要求に基づいた原型を開発しました(2002年3月28日) 。」。
これらは、2002年2月17日及び同年3月28日のものであり、しかも、その上部には本件商標が明確に表示されているものである。
(2)被請求人は、エプソン(EPSON)(以下「エプソン」という。)からもアンテナ開発の要望を受けている(乙第3号証:英文)。
乙第3号証には、次のようなことが記載されている。
「被請求人とフラクタルテクノロジ一に興味を持って頂いてありがとうございます。我々は、エプソンに対し、下記の、Quad-bandアンテナの開発のための予備的な提案をしたいと思います。この提案は、『EPSON Specifications GPS』の書面に詳細に記述されている仕様についての我々の質問に対する回答としての最初のあなたからの情報に基づいています。我々は、このアンテナが、エプソンの開発・調査プロジェクトの一部分であることを認識しています。それゆえ、このアンテナの大量生産や供給は、この提案の骨子には考慮されていませんでした。この提案は予備的であります。このアンテナのデザインの最終的な見積もりは、完全な技術的な詳細、仕様、時間的な要求について、被請求人とエプソンとの間で議論され、合意後すぐに出されるでしょう(2002年11月18日) 。」。
(3)以上の乙第1号証ないし乙第3号証によって、本件商標の使用が、本件審判の請求が予告登録された2004年4月12日(乙第4号証)前3年以内のものであることは明らかである。
2 したがって、商標権者である被請求人は、乙各号証により、本件商標が、本件審判の請求の登録前3年以内に国内において、請求に係る商品について使用していることを証明したので、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消されるべきものではない。

第4 当審の判断
1 被請求人は、日本の企業からもアンテナ(以下「使用商品」という。)の開発に関する要望があり、被請求人はその要望に応え、使用商品を開発し、日本企業に提供しているとして、乙第1号証ないし乙第4号証を提出しているので、以下検討する。
(1)乙第1号証及び乙第2号証の内容は、パナソニックからの使用商品開発の要望に対して、被請求人がパナソニックの要求に基づいた原型を開発した旨の回答であって、具体的に使用商品がいつ製造され、取引されたものであるか不明であり、また、使用商品の使用の事実を裏付ける、例えば、納品伝票、仕入伝票、売上伝票等の取引の際に通常用いられる取引書類が何等示されていないから、乙第1号証及び乙第2号証をもって、本件商標を使用商品について使用していたものということはできない。
(2)乙第3号証の内容は、エプソンからの使用商品開発の要望に対して、「このアンテナのデザインの最終的な見積もりは、完全な技術的な詳細、仕様、時間的な要求について、被請求人とエプソンとの間で議論され、合意後すぐに出されるでしょう。」旨の被請求人の回答であって、具体的に使用商品がいつ製造され、取引されたものであるか不明であり、また、使用商品の使用の事実を裏付ける、例えば、納品伝票、仕入伝票、売上伝票等の取引の際に通常用いられる取引書類が何等示されていないから、乙第3号証をもって、本件商標を使用商品について使用していたものということはできない。(3)乙第4号証は、本件審判請求に係る審判情報を示すにすぎない。
そして、被請求人は、本件商標をその取消に係る指定商品に使用していることについて、乙第1号証ないし乙第4号証のほか、何等立証していない。 2 以上によれば、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品に本件商標を使用していたことについて、立証したものとは認められない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「電気通信機械器具」について、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲



(色彩については原本参照)
審理終結日 2005-04-14 
結審通知日 2005-04-19 
審決日 2005-05-10 
出願番号 商願2000-9424(T2000-9424) 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (Z09)
最終処分 成立  
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 茂木 静代
三澤 惠美子
登録日 2001-03-02 
登録番号 商標登録第4456948号(T4456948) 
商標の称呼 フラクトゥス、フラクタス 
代理人 小出 俊實 
代理人 石川 義雄 
代理人 鈴江 武彦 

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