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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Y31 |
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管理番号 | 1124478 |
審判番号 | 取消2004-30350 |
総通号数 | 71 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-11-25 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2004-03-10 |
確定日 | 2005-09-21 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2420773号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第2420773号商標の指定商品中、「あわ、きび、ごま、そば、とうもろこし、ひえ、麦、籾米、もろこし、木、草、芝、ドライフラワー、苗、苗木、花、牧草、盆栽」については、その登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第2420773号商標(以下「本件商標」という。)は、「サングリーン」の片仮名文字と「SUNGREEN」の欧文字とを上下2段に横書きしてなり、第33類「種子帯、その他本類に属する商品」を指定商品として昭和57年5月18日に登録出願されたものであるが、その指定商品中「種子帯」については、平成2年11月27日付けで、「不織布に種子を貼り付けた土砂崩壊防止用植生板」と補正され、第7類へ出願の分割がなされ、本件商標の指定商品については、第33類「種子類、その他本類に属する商品」と補正されて、平成4年6月30日に設定登録されたものである。 そして、平成14年3月5日付けで商標権存続期間の更新登録がなされ、また、同年7月10日付けで、第31類「あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,飼料用たんぱく,飼料,種子類,木,草,芝,ドライフラワー,苗,苗木,花,牧草,盆栽,獣類・魚類(食用のものを除く。)・鳥類及び昆虫類(生きているものに限る。),蚕種,種繭,種卵」とする指定商品の書換登録がなされているものである。 第2 請求人の主張 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の指定商品中、第31類「あわ、きび、ごま、そば、とうもろこし、ひえ、麦、籾米、もろこし、木、草、芝、ドライフラワー、苗、苗木、花、牧草、盆栽」の登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求める。と申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出している。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品中「あわ、きび、ごま、そば、とうもろこし、ひえ、麦、籾米、もろこし、木、草、芝、ドライフラワー、苗、苗木、花、牧草、盆栽」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 被請求人の答弁に対する弁駁の理由 被請求人は、本件商標を商品「筋芝、張芝」に継続して3年以上日本国内において使用しているとして、乙第1号証から乙第6号証を提出している。 そこで以下、これらの証拠について逐次検討する。 (1)乙各号証について 乙第1号証から乙第6号証で示される内容は、結局、「人工芝 サングリーン」と題されたパンフレットに示されている商品「筋芝15型」、「ワラ張芝」の納品に関するものであり、被請求人は、この商品が第31類の「芝」に該当すると解釈しているようであるが、ここにいうところの「人工芝」「筋芝」「ワラ張芝」は、商品区分第31類の「芝」に該当しないことは明白である。 すなわち、パンフレットの表題にあるごとく、該商品は「芝(天然芝)」ではなく、「人工芝」である。 (2)請求人提出の「土木工事等共通仕様書(平成15年4月福岡県農政部)」(甲第1号証)、インターネット等によれば、被請求人提出のパンフレットに示された商品「人工芝」「筋芝」「ワラ張芝」は、根茎、茎葉を有する天然芝ではなく、マット内に種子、肥料などを担時させ、マットごと敷設していく人工芝であり、パンフレット表題に「人工芝 サングリーン」と記載されているとおりである。 また、特許庁IPDLにおける「商品・役務リスト」、特許庁商標課編「商品及び役務区分解説[改訂第3版]」の第31類の説明、ニース協定の「類見出し及び注釈」の第31類などを参照すれば、第31類の商品は、何れも「生きている動植物及び飼料を含む」となっている。 (3)以上を総合勘案すると、被請求人がパンフレットで示している商品は、「芝の種子を内包した人工芝」、「芝の種子を(表面に)貼り付けた人工芝」であり、第31類にいうところの「生きている植物」としての「芝」に該当するものではなく、第27類の「人工芝」に該当するものである。 したがって、証明書、納品書、請求書等の記載内容が事実であったとしても、第27類の「人工芝」についての使用実績を示すものに過ぎず、第31類の「芝」については不使用であることは明白といわざるを得ない。 (4)むすび 以上のとおり、被請求人提出の答弁書並びに証拠方法では、指定商品中、本件審判請求に係る指定商品については、本件商標を使用した事実を見出すことはできず、これら指定商品について本件登録商標が使用されていないことは明白であるので、請求の趣旨記載通りの審決を求めるものである。 第3 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審判を求める。と答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出している。 1 被請求人は、本件商標を商品「筋芝、張芝」につき継続して3年以上日本国内において使用しており、現在も使用中である。 したがって、本件商標が商標法第50条第1項の規定により取り消される事由は存在しないものである。 以下、本件商標を商品「筋芝、張芝」に使用している事実を立証する。 2 商品「筋芝、張芝」に使用している事実について 乙第1号証は、平成15年11月27日に田中運輸機工(株)へ納品したことの証明書で「サングリーン筋芝15型400m入」を5箱納品したことが示されている。また、請求書には平成15年11月15日にも「サングリーン筋芝15型400m入」を5箱納品したことが示されている。 乙第2号証は、平成11年3月20日に(株)水倉組巻支店へ納品したことの証明書で「筋芝15型」を400m納品したことが示されている。 乙第3号証は、平成10年9月22日に(株)氏田組へ納品したことの証明書で「筋芝15型」を400m納品したことが示されている。 乙第4号証は、平成15年12月18日に(株)内山組へ納品したことの証明書で「ワラ張芝」を140平米納品したことが示されている。 乙第5号証は、平成15年12月11日に(株)坂詰組へ納品したことの証明書で、「ワラ張芝」を60平米納品したことが示されている。また、請求書には平成15年12月9日にも「ワラ張芝」を240平米納品したことが示されている。 乙第6号証は、平成15年12月7日に田辺商事(株)へ納品したことの証明書で「ワラ張芝」を200平米納品したことが示されている。 3 以上の事実により、継続して3年以上日本国内において、被請求人が本件商標を商品「筋芝、張芝」について使用していることが明らかである。 よって、本件審判は商標法第50条第1項の要件を充足しないので、答弁の趣旨のとおりの審決を求めるものである。 第4 当審の判断 1 被請求人に対する審尋 当審は、平成17年5月13日付けで要旨以下の審尋を被請求人に対して通知し、期間を指定して意見を述べる機会を与えた。 (1)本件登録第2420773号商標は、昭和57年5月18日に第33類「種子帯、その他本類に属する商品」を指定商品として登録出願されたものであるが、指定商品中「種子帯」については、出願人提出のパンフレットによれば「不織布に種子を貼り付けた土砂崩壊防止用植生板」と認められるから、商品区分第7類に属する商品であり、商標法第6条第1項の要件を具備しない、との拒絶理由通知を受け、上記商品については、平成2年11月27日付けで第7類へ分割出願、登録第2502061号として設定登録され、その後、第19類の上記表示の指定商品に書換登録がなされているものである。 一方、本願については第33類「種子類、その他本類に属する商品」と補正された結果、同4年3月5日付けで設定登録されたものである(その後、指定商品の書換登録がなされていること前述のとおりである。)。 (2)ところで、本件不使用取消審判請求に対して、被請求人が提出した本件商標の使用に係る商品パンフレットは、上記(1)において提出された商品パンフレットとほぼ同一ものであるから、被請求人の使用に係る商品は、「土砂崩壊用植生板」と認められるものである。 したがって、被請求人が商標「サングリーン」「SUNGREEN」を使用している商品「筋芝、張芝」とは、商品・役務の区分第19類「土砂崩壊防止用植生板」に属する商品と認められ、また、これは請求人が主張している第27類に属する敷物としての「人工芝」とも異なるものである。 上記認定に対し、意見があれば提出されたい。また、第31類の「芝」について使用しているのであれば、その事実を示す資料を提出されたい。 (3)被請求人は、上記審尋に対し、期間内に何ら意見を述べるところがなく、また、新たな資料の提出もないものである。 2 結語 上記1のとおり、被請求人の提出に係る乙第1号証ないし乙第6号証に示された「筋芝」、「張芝」などの商品は、何れも「不織布に種子、肥料、土壌改良剤等を貼り付け、法面に張芝をするための商品」であって、いわゆる「植生版」又は「植生シート」と称され、商品区分第19類「土砂崩壊防止用植生板」に属する商品と認められるものである。 このことは、審査実務においても、上記商品が第19類の「植生板」として多数採用されていることからも首肯し得るものである。 してみれば、被請求人が本件商標を使用しているとして提出した乙各号証に示された商品は、何れも第31類に属する「芝」等の商品ということはできない。 したがって、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者の何れもが、本件商標を本件審判請求に係る何れかの指定商品について使用しているものとは認められず、また、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていないから、本件商標の登録は、指定商品中、結論掲記の商品については、商標法第50条第1項の規定により取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-07-25 |
結審通知日 | 2005-07-29 |
審決日 | 2005-08-10 |
出願番号 | 商願昭57-41683 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(Y31)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 重田 守一、巻島 豊二、寺島 義則、小林 由美子 |
特許庁審判長 |
山田 清治 |
特許庁審判官 |
岩崎 良子 小林 薫 |
登録日 | 1992-06-30 |
登録番号 | 商標登録第2420773号(T2420773) |
商標の称呼 | サングリーン、サン |
代理人 | 大島 泰甫 |
代理人 | 牛木 護 |
代理人 | 稗苗 秀三 |
代理人 | 後藤 誠司 |
代理人 | 阪本 英男 |