• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 Y25
審判 全部申立て  登録を維持 Y25
管理番号 1123327 
異議申立番号 異議2004-90551 
総通号数 70 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2005-10-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2004-09-06 
確定日 2005-08-17 
異議申立件数
事件の表示 登録第4776226号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4776226号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4776226号商標(以下「本件商標」という。)は、「BOEING DC-3」の文字を横書きしてなり、平成15年5月8日に登録出願、第25類「フライトジャケット,ティーシャツ,帽子,上着,その他の被服,履物」を指定商品として、同16年6月4日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4306288号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成10年7月31日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年8月20日に設定登録されたものである。
同じく、登録4378186号商標(以下「引用商標2」という。)は、「DCSHOES」の文字を標準文字により表してなり、平成11年1月27日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年4月21日に設定登録されたものである。
同じく、登録4389680号商標(以下「引用商標3」という。)は、「DCSHOECOUSA」の文字を横書きしてなり、平成10年6月19日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同12年6月9日に設定登録されたものである。

3 登録異議申立ての理由の要点
(1)申立人は、靴の製造により業務を開始したが、米国スケートボード界で有名となり、今や靴製造のみならず各種スポーツに関するアパレル用品まで幅広い商品を製造販売しており(甲第5号証)、2003年における年商は、1億ドルに達し(甲第6号証)、米国においてDCブランドは、有名となっている。日本でも、申立人が製造販売する靴は、「DCシューズ」又は「DC」として当業界で周知となっている。また、申立人は、引用各商標を使用して、その製造販売に係る「靴」を広告宣伝している(甲第12号証ないし甲第15号証)。
(2)本件商標は、その構成中の「BOEING」が商号の略称であるために、「BOEING」と「DC-3」とに分断して認識され、「DC-3」の部分から「ディーシースリー」又は「ディーシー」の称呼をも生ずるから、引用商標2及び申立人の使用に係る「DCシューズ」又は「DC」の商標と、その称呼において類似するものである。
(3)よって、本件商標は、引用商標2に対しては、商標法第4条第1項第11号に該当し、申立人の使用に係る「DCシューズ」及び「DC」に対しては、同条第1項第10号に該当するものであるから、その商標登録は取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)申立人の提出に係る甲各号証を徴するに、商品「靴」について、引用商標1ないし3及び「DCシューズ」の文字からなる商標が、それぞれ単独で又は組み合わせて使用されていることが認められるが、これらの証拠によっては、これらの商標が使用された結果、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、その商品の取引者、需要者の間において広く認識されるまでに至っているものとは認めることができない。
申立人は、その使用に係る「DCシューズ」及び「DC」の商標が周知になっている旨主張しているが、「DC」の商標が、いずれの商標を指すのか必ずしも明らかでない。もっとも、甲各号証を見る限りでは、引用商標1と同一の構成態様からなる商標が商品「靴」について使用されており、これを「DC」の商標と称しているものと推測されるので、申立人のいう「DC」の商標は、引用商標1を意味するものとして判断する。なお、引用商標1が「ディーシー」と称呼されていることを認めるに足りる証拠はない。
(2)本件商標と引用商標1ないし3との類否について検討するに、本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、その構成中の「BOEING」の文字部分が商標権者の商号の略称として認識される場合があるとしても、かかる構成において、「DC-3」の文字部分は、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきではなく、むしろ、商品の品番、型式等を表示するための記号、符号として認識されると見るのが自然であり、自他商品の識別力が無いか又は極めて弱いものである。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「ボーイングディーシースリー」又は「ボーイング」の称呼を生ずるというべきである。
他方、引用商標1は、別掲に示すとおりの構成よりなるところ、これから直ちに既成の親しまれた観念を有する語ないし図形を表したものとは認識し得ないものであるから、特定の称呼及び観念を生じないものというべきである。
また、引用商標2及び3は、それぞれの構成文字に相応して「ディーシーシューズ」及び「ディーシーシューシーオーユーエスエー」の各称呼を生ずるものと認められ、かつ、いずれも親しまれた既成語を表したものとは認められないから、既成の観念を生じないものというべきである。
しかして、本件商標から生ずる「ボーイングディーシースリー」及び「ボーイング」の称呼と引用商標2及び3から生ずる「ディーシーシューズ」及び「ディーシーシューシーオーユーエスエー」とは、構成する音及び音数において明らかな差異があり、明瞭に区別し得るものである。
また、本件商標と引用商標1ないし3とは、その構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものである。
してみれば、本件商標と引用商標1ないし3とは、外観、称呼及び観念のいずれの点から見ても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(3)申立人の使用に係る「DCシューズ」及び「DC」の商標は、上記のとおり、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、取引者、需要者の間において、広く認識されているものと認めることができないばかりでなく、これらの商標と本件商標とが類似するという理由も見いだし難いものである。
(4)以上のことからすれば、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第11号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、その登録を維持すべきものである。
よって、同法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
引用登録第4306288号商標(引用商標1)

異議決定日 2005-08-01 
出願番号 商願2003-37371(T2003-37371) 
審決分類 T 1 651・ 26- Y (Y25)
T 1 651・ 25- Y (Y25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小川 きみえ 
特許庁審判長 大場 義則
特許庁審判官 鈴木 新五
柳原 雪身
登録日 2004-06-04 
登録番号 商標登録第4776226号(T4776226) 
権利者 ボーイング マネージメント カンパニー
商標の称呼 ボーイングデイシイサン、ボーイング 
代理人 高柴 忠夫 
代理人 渡邊 隆 
代理人 樋口 豊治 
代理人 志賀 正武 
代理人 西津 千晶 
代理人 高橋 詔男 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ