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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を取消(申立全部取消) Y05 |
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管理番号 | 1123313 |
異議申立番号 | 異議2004-90216 |
総通号数 | 70 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2005-10-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2004-04-15 |
確定日 | 2005-08-26 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第4740151号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第4740151号商標の商標登録を取り消す。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4740151号商標(以下「本件商標」という。)は、「ガスイチン」の片仮名文字を横書きしてなり、平成15年3月20日に登録出願、第5類「薬剤」を指定商品として、同16年1月16日に設定登録されたものである。 2 本件登録異議申立ての理由 本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2の規定により、その登録は取り消されるべきものであると述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第110号証を提出した。 3 取消理由通知 本件商標は、「ガスイチン」の文字を書してなるものであるところ、申立人の提出に係る証拠によれば、申立人である大日本製薬株式会社は、明治30年に設立された我が国最初の製薬会社であり、現在、国内でも屈指の150種類以上の医療用医薬品を販売している(甲第10号証)。 申立人は、「GASMOTIN」と「ガスモチン」の両文字を二段に書してなる登録第2454535号商標を所有し、クエン酸モサプリドを有効成分とする消化管運動促進剤の「ガスモチン」を1998年10月以来継続して販売しており(甲第5号証ないし同第8号証)、その錠剤の包装には「ガスモチン錠」の文字が、散剤の包装には「ガスモチン散」の文字が表されている(甲第8号証)。「ガスモチン」の宣伝広告については、雑誌に広告を掲載するなどして行い(甲第12号証ないし同第29号証)、これらには「ガスモチン」の文字が大きく表され、「GASMOTIN」の文字は小さく付記されている(以下「ガスモチン」の文字からなる商標を「引用商標」という。)。「ガスモチン」の宣伝広告費(デザイン料を含む。)は、例えば、平成13年度は約5300万円、同14年度は約11000万円であり(甲第31号証)、その売上げは、平成13年度が125億円、同14年度は130億円であった(甲第34号証及び同第36号証)。 消化管運動促進剤における「ガスモチン」のシェアは、平成13年が34.3%、同14年が37.9%、同15年が41.2%と年々増加し、平成13年以降毎年1位であった(甲第38号証)。 消化管運動促進剤の「ガスモチン」は、発売後、多数の文献、雑誌、新聞あるいは大学や病院、薬局などのウェブサイトにおいて紹介され(甲第39号証ないし同第69号証)、全国の病院・薬局において採用されている(甲第70号証ないし同第87号証)。 また、日本製薬工業協会、社団法人日本薬剤師会、大阪医薬品協会の団体により、あるいは東北大学病院総合診療部、大阪大学医学部、東海大学医学部、川崎医科大学内科学のそれぞれの教授により、「ガスモチン」と「GASMOTIN」の両文字からなる商標が消化管運動促進剤を表示するものとして需要者の間に広く認識されている旨が証明されている(甲第88号証ないし同第94号証)。 以上の事実を総合すれば、本件商標の登録出願の時には、申立人が消化管運動促進剤に使用する「ガスモチン」の文字からなる引用商標は、取引者、需要者の間に広く知られ、高い著名性を獲得していたものと認められる。 そこで、本件商標と引用商標とを比較すると、本件商標は、「ガスイチン」の文字よりなるのに対し、引用商標は、「ガスモチン」の文字よりなるものであり、両者は、語頭の2文字「ガス」及び語尾の2文字「チン」が共通しており、異なるのは中間の「イ」と「モ」の文字のみであり、視覚上、相当程度近似した印象を受けるものということができる。 また、両商標を称呼についてみると、本件商標は「ガスイチン」、引用商標は「ガスモチン」の各称呼を生ずるものであり、両称呼は、中間の「イ」と「モ」の音以外の「ガス」と「チン」の音を共通にするものであり、語調、語感において相当程度近似しているといえる。 そして、本件商標は、引用商標が使用されている消化管運動促進剤を含む「薬剤」に使用されるものである。 してみれば、本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者は、これより直ちに引用商標を連想、想起し、該商品を申立人又は申立人と関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同するおそれがあるものと認められる。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 4 商標権者の意見 商標権者は、意見しない。 5 当審の判断 本件商標は、前記1のとおりであり、本件について、前記2のとおりの登録異議申立てがあった結果、 当審が相当の期間を指定して商標権者に開示した商標登録の取消しの理由は、前記3のとおりである。 これに対し、商標権者は、意見書を提出して述べるところがなかった。 そして、本件商標は、前記3のとおり、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2の規定により、その登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2005-07-07 |
出願番号 | 商願2003-22222(T2003-22222) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Z
(Y05)
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最終処分 | 取消 |
特許庁審判長 |
柴田 昭夫 |
特許庁審判官 |
鈴木 新五 柳原 雪身 |
登録日 | 2004-01-16 |
登録番号 | 商標登録第4740151号(T4740151) |
権利者 | 株式会社イセイ |
商標の称呼 | ガスイチン |
代理人 | 深見 久郎 |
代理人 | 高橋 功一 |
代理人 | 森田 俊雄 |
代理人 | 旦 武尚 |
代理人 | 野田 久登 |
代理人 | 竹内 耕三 |