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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない(当審拒絶理由) Z09
管理番号 1123166 
審判番号 不服2000-17199 
総通号数 70 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2000-10-27 
確定日 2005-08-04 
事件の表示 平成11年商標登録願第66021号拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本件商標登録出願
本件商標登録出願は、商標(以下「本願商標」という。)の構成を、「EE」の欧文字と「NET」の欧文字とを接続符号である「ダッシュ(-)」で結合した態様のもの(標準文字による)とし、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,磁心,抵抗線,電極」を指定商品として、平成11年7月26日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、商品の記号、符合として普通に用いられている欧文字2字の『EE』と、インターネットやイントラネット等の電子通信網を表すネットワークの略として用いられる『NET』の文字とをハイフンを介して『EE-NET』と書してなるにすぎないから、これを本願の指定商品中『電子通信網用プログラムを記憶させた記録媒体』に使用するときは、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法3条1項6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法4条1項16号に該当する。」旨の理由で本願を拒絶したものである。

第3 当審の拒絶理由
当審は、審判請求人に対して、平成16年10月28日付で、下記の理由の拒絶理由を通知した。
理由
本願商標は、本願の先願に係る、下記の商標と類似であって、その商標に係る指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、当該出願が登録されたときには、商標法4条1項11号に該当する。


平成11年商標登録願第43185号(平成11年5月19日出願)
商標の構成 「E-NET」の文字よりなるもの。
指定商品・役務
第9類「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・CD-ROM,その他の電子応用機械器具及びその部品」
第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成または保守」
なお、上記商標登録出願は、不服2001-11441として審判に係属中のものである。
(なお、本件において上記の商標を、以下、「引用商標」という。)

第4 請求人の意見(要旨)
1 両商標は、外観、観念上は何の類似点も見出せない。
2 称呼上は、本願商標の称呼は「イー」「イー」「ネッ」「ト」と、全体として四音の称呼である。引用商標は、「イー」「ネッ」「ト」と、全体として三音の称呼となる。
短い称呼にあっては、通常、各音が滑舌良く発音され、また、我が国の英語教育の状況によれば、意識して詰めて発音するとか、恣意的に近づけて発音しない限り、「イーイー」が「イー」に極めて近似するということはありえない。
3 不服2003-7727号の審決(「オーベントー」と「おべん党」の比較)、「PNET」(登録第4560450号)と「PPーNet」(登録第4629767号)の併存の事実、平成5年2月17日判決(東京高裁平4(行ケ)第93号)、昭和43年2月27日最高裁判決(第二小法廷・判決 昭和39(行ツ)110)に照らし、総合的な観察を行った上で類否判断をなすべきである。

第5 当審の判断
1 原査定についての当審の判断
「EE」の欧文字が記号・符号表示の一類型と理解され、「NET」の欧文字が「ネットワーク」の略語として使用されることがあるとしても、本願商標の構成からみて、取引者・需要者が、これを「EE」と「NET」とに分離して把握し、それぞれの語が識別力がないことをもって、本願商標が全体として識別力がないと認識されるとみるのは相当ではなく、本願商標は、特定の意味合いを理解させない、一種の造語と認識され、一体的に把握されて取引に資されるものとみるのが相当であり、本願を原査定の理由をもって拒絶することはできないものというべきである。
2 引用商標との類否判断
引用商標は、その登録出願について平成17年1月6日登録審決がなされ、登録第4847352号商標(指定商品、指定役務は前記「第3」記載のもの)として、同年3月18日に登録原簿に登録されたものである。
よって、以下、本願商標と引用商標との類否について検討する。
本願商標の構成は、前記したとおりの構成よりなるものであって、これより「イーイーネット」の称呼が生ずるものである。
他方、引用商標は、前記「第4」に記載したとおりの構成よりなるものであるから、これに相応して、「イーネット」の称呼が生ずるものである。
そこで、両称呼を比較するに、本願商標から生ずる称呼は、語頭部に「イー」の音を有し、これに続く「イーネット」の音は、引用商標から生ずる称呼と音の配列を共通にするものである。
そして、本願商標から生ずる称呼における「イーイー」及び引用商標から生ずる称呼における、それぞれの「イー」の音は、母音「イ」を延ばすように発音され一音節を構成するものである。
さらに、本願商標から生ずる称呼における、二度目に発音される「イ」の音は、その前の「イー」の長音部と二重母音を構成することとなり、前の音に吸収されて弱い音となり、前の「イー」とともに単一音節のように発音される結果、「イーイー」の部分は、「イー」の長音部分をさらに引き延ばして発音しているように聴取されるというべきである。
このような音構成を有する両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調・語感が近似したものとなり、両者は、彼此聴き誤るおそれが少なからずあるといわなければならない。
また、本願商標と引用商標の外観は、「E-NET」の部分が共通することから、外観上の顕著な差異があるとはいえず、造語である両商標は、互いに観念をもって取引されるとはいえないから、観念において区別できないものである。
そうであれば、両者は、その称呼をもって取引に資されることが多いというべきであって、両商標は、互いの称呼において類似する商標と判断するのが相当である。
そして、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を含むものである。
したがって、本願商標は、商標法4条1項11号に該当するものであるから、これを登録することはできない。
なお、請求人が引用する審決例・登録例は、本願商標とは商標の具体的構成等において事案を異にするものであって、それらを本件の類似判断の基準とするのは必ずしも適切でなく、また、本件についての上記判断は、対比される両商標について総合的な観察を行った上で類否判断を行ったものであり、請求人提示の判決の判旨に齟齬するものとはいえず、請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-05-31 
結審通知日 2005-06-07 
審決日 2005-06-20 
出願番号 商願平11-66021 
審決分類 T 1 8・ 262- WZ (Z09)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 巻島 豊二 
特許庁審判長 佐藤 正雄
特許庁審判官 宮川 久成
中束 としえ
商標の称呼 イイイイネット、イーイーネット 
代理人 外川 英明 

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