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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 取り消して登録 Y44 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 Y44 |
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管理番号 | 1123007 |
審判番号 | 不服2004-7160 |
総通号数 | 70 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-10-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2004-04-08 |
確定日 | 2005-09-06 |
事件の表示 | 商願2003-48245拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、後掲のとおりの構成よりなり、第44類「美容,美容に関する情報の提供」を指定役務として、平成15年6月11日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、工業標準化法に基づく日本工業規格に補足する案内用図記号の一つで理髪店・美容室等を表示する図形と類似する『はさみと櫛の図形』と『顧客のところへ出向いて行う美容の専門者』を表すものとして普通に使用されている『訪問美容師』の文字とを結合してなるものであるから、これを本願指定役務中『訪問による美容及びこれに関する情報の提供』に使用しても需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標と認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当る。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、後掲のとおり、櫛と鋏を組み合わせた図形(以下「本願図形」という。)と、「訪問美容師」の文字を横書きしたものとを組み合わせた構成よりなるものである。 しかして、本願商標の文字部分について見るに、その構成中「訪問」、「美容師」の各文字部分が、それぞれ「ひとを訪ねること、おとない問うこと」、「美容術を施すことを職とする人」の意味を有する語と認められるところ、「美容師」の文字は、美容師法に基づく厚生労働大臣免許すなわち国家資格に基づく名称として理解されるものである。 さらに、高齢・病気・怪我等による入院・在宅療養、あるいは一人での外出が困難等の理由により、美容室に行くことができない者に対して、顧客の自宅や施設等に美容師が訪問し、美容サービスを提供することが行われ、これらの提供されるサービスが「訪問美容,訪問美容室,訪問美容サービス」、そのサービスを提供する者が「訪問美容師」等のように称されて、これらの語が一般に使用されていることは、各種新聞記事の情報やインターネット・ホームページの情報等により、その実情の一端をうかがい知ることができる。 そうとすると、上記意味を有する「訪問」と「美容師」の両語を、軽重の差なく結合し一体に表した構成からなる本願商標文字部分は、原審で説示したとおり「顧客のところへ出向いて行う美容の専門者」程度の意味合いを容易に理解、認識させるにとどまり、その指定役務との関係においては、特定の役務の質、特性、役務を提供する者の資格等を表示するものとして理解され、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ない部分であると判断するのが相当である。 次に、本願図形について見るに、その構成は、横向きに配された櫛と、両刃を上向きに開いたX状の鋏、それぞれの中心部を重ねて放射状に組み合わせた構成よりなるものである。 これに対し、原審において説示した「工業標準化法に基づく日本工業規格に補足する案内用図記号の一つで理髪店・美容室等を表示する図形(以下「引用図形」という。)」は、後掲のとおり刃の部分を上向きにして閉じられた鋏と柄の部分を下向きにした櫛とを、並列した構成よりなるものである。 そこで、本願図形と引用図形とを比較すると、外観上においては、本願図形と引用図形が、鋏と櫛をその構成要素にしている点を共通にするも、両器物の組み合わせ方については、本願図形が、中心を重ねて放射状に組み合わせているのに対し、引用図形は、垂直方向にしたそれぞれの器物が、若干の空間を介して並列して離隔的に表されており、異なる印象をもって看取されるものといえ、かつ、それぞれの器物についても、鋏の開閉状態、握り部分の突起の有無、櫛の柄の有無の点において、明確な差異があることから、両図形は、その外観において十分区別し得るものであり、両者を時と所を異にして離隔的に観察するも、外観において相紛れるおそれはないものというべきである。 そうすると、本願図形と引用図形を比較した場合、十分区別し得るものであり、本願図形が、「工業標準化法に基づく日本工業規格に補足する案内用図記号の一つで理髪店・美容室等を表示する図形」と類似する図形ということはできない。 そして、本願商標は、前記したとおり、図形と文字とを結合した商標であり、本願商標の文字部分は、それ自体が自他役務の識別標識としての機能を果たし得ない部分と認められるから、文字部分自体が独立して把握、認識されることなく、これを構成する全体が一体不可分の商標を表したものと認識されるのが相当であって、これをその指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、請求人の創造にかかる特異な図形としての特徴に注意を引かれ、それをもって、役務の出所を識別し得ると見るを相当とする。 してみれば、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果し得るものであり、また、役務の質について誤認を生じさせるおそれもないものといわなければならない。 したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
本願図形 引用図形 |
審決日 | 2005-08-23 |
出願番号 | 商願2003-48245(T2003-48245) |
審決分類 |
T
1
8・
16-
WY
(Y44)
T 1 8・ 272- WY (Y44) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 澁谷 良雄、石田 清 |
特許庁審判長 |
柳原 雪身 |
特許庁審判官 |
山本 良廣 小出 浩子 |
商標の称呼 | ホーモンビヨーシ、ホーモン |
代理人 | 森 寿夫 |
代理人 | 森 廣三郎 |