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審決分類 審判 査定不服 称呼類似 登録しない Y16
管理番号 1121734 
審判番号 不服2002-25240 
総通号数 69 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-12-27 
確定日 2005-08-12 
事件の表示 商願2002- 24872拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「福寿守護印」の文字を横書きしてなり、第16類に属する願書に記載の商品を指定商品として、平成14年3月28日に登録出願、その後、指定商品については、同14年11月29日付の手続補正書において、第16類「印章」と補正されたものである。

2 原査定で引用した商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第2051612号商標(以下「引用商標」という。)は、「福寿印」の文字を横書きしてなり、昭和60年6月13日に登録出願、第25類「印章」を指定商品として、同63年6月24日に設定登録されたものである。

3 当審の判断
本願商標は、「福寿守護印」の文字を書してなるところ、例えば、岩波書店発行「広辞苑」によれば、「福寿」の語は「幸福で長寿なこと」の意味合いを、「守護」の語は「まもること」等の意味合いを、そして、「印」の語は「印章」等の意味合いを表す語である旨記載されていることからみれば、本願商標は、上記各語を組み合わせてなるものと理解される。
しかして、本願商標は、全体として特定の親しまれた意味合いを理解・認識させるものとはいい難く、また、「福寿守護」の文字部分のみを抽出しても同様である。
ところで、本願商標の指定商品である「印章」について、我が国においては、古くから、印相学なるものがあって、人に人相、手相があるように、印には印相があり、印面に彫られる印文(姓名の書体)やその配分が重要であるとされており、「印鑑に姓や名が刻まれると、単にものではなくなり自分自身の分身になる」(http://www.ehanya.com/page051.html 印相学豆知識)とか、「印は人とともに、生涯、形に影が添うようにつきまとっているものである」(http://www.insougaku.ne.jp/products.html 日本印相学会)とか、「人は印なり。印は魂であり、分身体でもある。」(http://www.nisshodo.net/in.html 印相学について)等といわれている。そして、本願商標構成中の「守護印」の文字部分を捉えてみれば、印章を取り扱う業界においては、「身を守る印」の如き記述的な意味合いを表すものとして慣用的に用いられている事実を認めることができる。
このことは、拒絶査定の理由中において開示されているばかりでなく、検索サイト「Google」により、「守護印」の語を検索してみれば、1200件もの記事が検索されるところであり、例えば、以下のインターネットのホームページ情報によっても首肯し得るものである。
(a)http://www.nihoninsyo.com/
日本印章協会のホームページ「出生・入学・卒業・結婚・開業等のおめでたい人生の門出に吉相守護印を作り吉運をつかんで下さい。」
(b)http://www.1bando.com/hanko-erabi/hanko-kaiun.php
一番堂・ドット・コムのホームページ「実印/守護印と言われ・・・、銀行印/蓄財印と言われ・・・、認印/友和印と言われ・・・」
(c)http://www.inkan8.com/inkan/
印吉屋本舗のホームページ「実印/身体の健康と不動産の守護印、銀行印/金銭・財産を守り蓄財運の守護印、仕事印/出世・商売繁盛と発展運の守護印、認印/子供・家庭を守る家庭運の守護印」
(d)http://www.myecot.com/shop/06_0539/
河口甲陽堂のホームページ「あなたを守る守護印・・・」
(e)http://www.bidders.co.jp/pitem/38434136
合資会社サードニックスのホームページ「女性の守護印として人気です・・・」
(f)http://www.suzukiryusei.com/shugoin.html
字源派姓名鑑定研究会鈴木隆生のホームページ「守護印のご案内鈴木隆生承認の正印・・・」
(g)http://www.sankousha.com/zaishitsu3.html
はんこや三光社高林店のホームページ「十二支で見るあなたの守護印と印材・・・ 守護印として幸運を呼び込んでください。」
以上の事実によれば、「守護印」の語は、印章という商品との関係においては、身を守る印章であることを表すものとして、この種業界においては、取引上、普通に用いられている実情にあるものということができる。
そうとすれば、本願商標構成中の「守護印」の文字部分は、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、極めて弱いものということができるから、本願商標に接する取引者・需要者は、本願商標において自他商品の識別標識としての機能を果たす部分は、前半の「福寿」の文字部分にあるものと理解し、該文字部分を捉え、これを単に「フクジュ」とのみ称呼して取引に当たる場合も決して少なくないものと判断するのが相当である。
したがって、本願商標は、「福寿」の文字部分より「フクジュ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
他方、引用商標は、前記したとおり、「福寿印」の文字からなるところ、その構成中の「印」の文字部分は印章をも表す語であるから、自他商品の識別標識としての機能を果たす部分は、前半の「福寿」の文字部分にあり、これより「フクジュ」の称呼をも生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、「フクジュ」の称呼を同じくし、「幸福で長寿なこと」の意味合いをも同じくするものであり、かつ、本願商標と引用商標とは、いずれも「印章」を指定商品とするものであるから、互いに出所の混同のおそれのある類似の商標といわなければならない。
この点について、請求人は、本願商標構成中の「福寿守護」の文字部分は一連にのみ把握されるべきものである旨主張して、平成3年審判第23421号審決等を引用している。
しかしながら、請求人が引用している上記審決は「聖壽守護印」と「清純」の商標が争われた事例であって、本件とは、争点となっている商標の構成を全く異にするばかりでなく、そもそも、商標の類否、混同の有無の判断は、各商標につき個別具体的に、取引の実情等をも併せ考慮して判断されるべき性質のものである。
ちなみに、上記「Google」のインターネット情報によれば、請求人は、印鑑の包装箱には「福寿守護印」の表示を使用しているが(http://www.fukujyu-w.co.jp/top.html)、別の「福寿守護印」の紹介頁においては、「福寿印1/幸多かれと願う節目に、いい印鑑。人生の節目、要の決断の時、あなたを優しく見守ってくれる確かな印鑑、吉相福寿守護印を。」のように、「福寿守護印」の表示とともに「福寿印」の表示を併せ使用していることが認められる(http://www.fukujyu-w.co.jp/p02.html)。
そうとすれば、請求人自身、「福寿印」の語と「福寿守護印」の語とを同一の商品の紹介記事において使用しており、印章についての上記の如き取引の実情のもとにおいて、このような紹介記事に接した取引者・需要者は、「福寿印」と「福寿守護印」の語から、同様の意味合いを理解し、同一の商品を認識するものとみるのが自然であるから、請求人が主張するような審決例があるからといって、直ちに、本件商標と引用商標との類否、混同の有無の判断が左右されることにはならない。
したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-06-02 
結審通知日 2005-06-10 
審決日 2005-06-21 
出願番号 商願2002-24872(T2002-24872) 
審決分類 T 1 8・ 262- Z (Y16)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石田 清 
特許庁審判長 佐藤 正雄
特許庁審判官 宮川 久成
山本 良廣
商標の称呼 フクジュシュゴイン、フクジュシュゴジルシ、フクジュシュゴ、フクジュ、シュゴイン、シュゴ 
代理人 飯田 昭夫 
代理人 江間 路子 

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