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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 014
管理番号 1121701 
審判番号 取消2004-30041 
総通号数 69 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-09-30 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2004-01-11 
確定日 2005-08-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第3299346号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第3299346号商標中の第14類「宝玉の原石」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第3299346号商標(以下「本件商標」という。)は、平成6年1月31日に登録出願、「SOLITAIRE」の欧文字を横書きしてなり、第14類「貴金属,貴金属製の花瓶・水盤,貴金属製宝石箱,貴金属製靴飾り,貴金属製喫煙用具,宝玉の原石,時計,記念カップ,記念たて」を指定商品として、同9年5月2日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び同第2号証を提出した。
1.請求の理由
本件商標は、商標権者である被請求人により、「宝玉の原石」について、3年以上継続して日本国内において使用されていない。また、登録原簿上、本件商標について専用使用権者あるいは通常使用権者は存在しないから、本件商標が専用使用権者または通常使用権者によっても「宝玉の原石」について使用された事実は見当たらない。
したがって、本件商標の指定商品中「宝玉の原石」についての登録は、商標法第50条第1項の規定によって取消されるべきものである。
2.答弁に対する弁駁
(1)乙第1、2号証は、ともに商品パンフレットと考えられるものであるが、その商品パンフレットには、使用した事実を示す年月日について客観性がどこにもないことから、指定商品「宝玉の原石」について、審判請求前3年以内に、本件商標を使用していることを証明する証明書とは認められない。
(2)乙第1、2号証の商品パンフレットは、ともにドイツ語の商品パンフレットに過ぎず、翻訳文の併記もないことより、日本国内における本件商標の使用とは認められない。
(3)乙第1号証の商品パンフレットは、商標「SOLITAIRE」とも読み取れる文字がかすかに視認されるものの、全体が不鮮明であって、仮に、商標「SOLITAIRE」を商品「宝玉の原石」につき実際に使用しているとすると、表示されるはずの商品との関係の記載、例えば、商品の価格、購入場所などが全く記載されていない。したがって、「SOLITAIRE」は、第2頁目の商品パンフレットの文章中の語として単に表示されているもので、商品「宝玉の原石」との関係における本件商標の使用とは認められない。
(4)乙第2号証の商品パンフレットでは、宝玉とデザイン的には似ているモンブラン社のマークが表記されている。しかし、そのことは、商品「宝玉の原石」についての本件商標の使用を意味するわけではなく、また、第2頁目に商品リストが掲げられているが、そこでも商品「宝玉の原石」について、本件商標が使用されているという表示は存在せず、商品「アイウェアー」(点眼鏡)について使用されているに過ぎない。また第3、4頁目にモンブラン社の商品シリーズの中の一つの商標名として「SOLITAIRE」が表記されているが、同様に商品「宝玉の原石」について使用されている事実はどこにも存在しない。

第3 被請求人の答弁
被請求人は、本審判の請求は成り立たない旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び同第2号証を提出した。
本件商標「SOLITAIRE」は、商品「宝玉の原石」について、本件商標権者であるモンブランージンプロ ゲー・エム・ベー・ハーにより、1997年より現在にいたるまで継続して使用されている。
被請求人は、本件商標の使用の事実の証拠として、乙第1号証(被請求人の商品カタログ写し)及び乙第2号証(被請求人のインターネットホームページ写し)を提出する。これらの事実に鑑みれば、本件商標が商標法第50条第1項の取消要件に該当しないことは明白である。

第4 当審の判断
商標法第50条第1項に規定する商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて登録商標の使用をしていることを被請求人が証明するか、又は、使用していないことについて正当な理由があることを被請求人が明らかにしない限り、その指定商品に係る商標登録の取り消しを免れない。
そこで、被請求人が本件商標を「宝玉の原石」について使用していた旨主張して提出している乙各号証をみるに、乙第1号証は、フランス語と思しき言語で書かれた商品カタログの写しであり、カタログの文章中に「SOLITAIRE」とも読み取れる文字が認められるものの、取消請求に係る商品「宝玉の原石」について使用されていた事実が明らかでなく、しかも、該商品カタログの発行日も記載されていない。また、乙第2号証は、被請求人のインターネットホームページの写しであり、「SOLITAIRE」の文字は認められるものの、取消請求に係る商品「宝玉の原石」について使用されていた事実が明らかでなく、しかも、該インターネットホームページの打ち出し日は、本件審判の請求登録日(平成16年2月3日)後の平成16年6月29日である。
この点について、被請求人は、本件商標「SOLITAIRE」を「宝玉の原石」について、1997年より現在にいたるまで継続して使用していた旨主張している。
しかしながら、ドイツ国に住所を有する被請求人のインターネットホームページ(乙第2号証)を本件審判の要証期間内に閲覧できたとしても、そのことのみによって、本件商標が取消請求に係る商品「宝玉の原石」について、日本国内において使用されていたことを証明したものということはできない。また、商品カタログのなかには、その内容に変更がなく、永年に亘って使用されているものがあることを否定するものではないが、日本語で書かれた商品カタログであれば、少なくとも日本国内で使用されたものであることは推認し得るとしても、ドイツ国に住所を有し、フランス語と思しき言語で書かれた被請求人の商品カタログ(乙第1号証)が日本国内において使用されていたというためには、該カタログが現実に日本国内において頒布・使用されていたことが証明されるとか、あるいは、日本国内における取引の際使用された取引書類等、他に、本件商標の使用の事実を客観的に認め得る資料の提出がない限り、乙第1号証のカタログが本件審判の要証期間内に、日本国内において使用されていたものとは認め難く、加えて、上記したとおり、乙第1号証の商品カタログによっては、本件商標と取消請求に係る商品「宝玉の原石」についての関係も明らかではない。
そうしてみると、被請求人の上記各主張は、いずれも採用することができない。
してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、使用権者のいずれによっても、その請求に係る「宝玉の原石」について使用されていなかったものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、請求に係る指定商品「宝玉の原石」について取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-03-14 
結審通知日 2005-03-17 
審決日 2005-03-30 
出願番号 商願平6-8670 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (014)
最終処分 成立  
前審関与審査官 中嶋 容伸岩内 三夫津金 純子 
特許庁審判長 涌井 幸一
特許庁審判官 富田 領一郎
小川 有三
登録日 1997-05-02 
登録番号 商標登録第3299346号(T3299346) 
商標の称呼 ソリテール 
代理人 吉澤 弘朗 
代理人 松原 伸之 

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