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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z28
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z28
管理番号 1121610 
審判番号 不服2001-17292 
総通号数 69 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-09-27 
確定日 2005-08-03 
事件の表示 商願2000-116050拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は、「ペットロボ」の片仮名文字を標準文字で表してなり、第28類「遊戯用器具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,おもちゃ,人形,愛玩動物用おもちゃ,運動用具,釣り具」を指定商品として平成12年10月25日に登録出願されたものである。

第2 原査定における拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、愛玩動物を意味する『ペット』の文字と、ロボットの略語と理解される『ロボ』の文字とを続けて『ペットロボ』と書してなるところ、最近では、『愛くるしい動作をしたり、人間の動作に反応したりする機能を有する、ペット動物型のロボット式のおもちゃ』が各社から発売されており、本願商標に接する需要者は、上記意味合いを理解するにとどまるものと認められるから、これを指定商品中『ペット動物型のロボット式のおもちゃ』に使用しても、単に商品の品質・機能を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
本願商標は、「ペットロボ」の片仮名文字を標準文字で表してなるものであるが、先ず、商標法第3条第1項第3号の立法趣旨をみるに、「商標法3条1項3号として掲げる商標が、登録の要件を欠くとされているのは、このような商標は、商品の産地、販売地その他の特性を表示記述する標章であって、取引に際し必要適切な表示として、なんぴともその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに一般に使用される標章であって、多くの場合自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである。」(昭和54年4月10日判決 最高裁昭和53年(行ツ)129号 判例時報927号233頁参照)としている。この趣旨に照らせば、査定時或いは審決時において、当該商標が指定商品の品質等を表すものと、取引者、需要者に広く認識される場合はもとより、将来を含め、取引者、需要者にその品質等を表すものと認識される可能性があり、これを特定人に独占使用させることが公益上適当でないと判断されるときは、その商標は、同号に該当するものと解するのが相当である(平成17年1月20日判決 東京高裁平成16年(行ケ)189号最高裁ホームページ参照)。
これを本件についてみるに、本願商標を構成する「ペットロボ」の語は、以下のとおり新聞紙上で普通に使用されているものである。
(ア)2004年1月8日付け毎日新聞大阪夕刊1頁の「[売れ筋最前線]電子ペット 愛らしい瞳、私のモノ」の見出しの下、「5年ほど前にソニーの「アイボ」が登場し、劇的に進化したペットロボの世界。定番の犬や猫だけでなく、最近はアヒルやハムスターなどもお目見え。」との記載があること。
(イ)2003年4月19付け毎日新聞東京朝刊13頁の「[理系白書]第10部 共創の時代へ/4 目指せ「新・教養人」」の見出しの下、「卒業生には宇宙飛行士の秋山豊寛さん、ペットロボ「アイボ」を開発した北野宏明さんら、ユニークな人材がいる。」との記載があること。
(ウ)2003年3月13日付け日刊工業新聞29頁の「株式公開ニューフェース/セガトイズ・國分功社長「3年後売り上げ倍増へ」」の見出しの下、「「また、OLに人気のプーチ(犬型のペットロボ)でおなじみの『ファミリーエンターテインメント』も核となる。今後は“一家にファミリーエンターテインメントペット1台”が目標だ」との記載があること。
(エ)2002年11月13付け読売新聞東京朝刊10頁の「[開発の秘訣]ペットロボ お手、会話…広がる機能」の見出しの下、「家庭の中の身近なロボット第一号となったソニーのペット型ロボット「アイボ」の開発は、こんな大胆な発想で始まった。」との記載があること。
(オ)2002年8月10付け読売新聞大阪朝刊26頁の「ロボット800体集合 「ステーション2002」開く 13日まで松坂屋」の見出しの下、「音や光に反応する「センサーロボット」や犬や猫の形をした「ペットロボ」など最新のおもちゃを自由に体験できるコーナーは、多くの家族連れらでにぎわっていた。」との記載があること。
そして、用語集、例えば「情報・知識imidas2003」(株式会社集英社発行)によば、「ペットロボット」は、「動物のペットの代替となるロボットで、エンターテイメントロボットの一種と考えることができる。」と、又、「知恵蔵2003」(朝日新聞社発行)によれば、「ペットとして愛玩されるロボット。」と記載されてる。
以上の事実を総合勘案すれば、「ペットロボ」の語は、本願商標の指定商品中、「おもちゃ、愛玩動物用おもちゃ」との関係において、原審説示のとおり、「ペット動物型のロボット式のおもちゃ」を指称する「ペットロボット」を認識させるものとみて差し支えないものである。
してみれば、本願商標をその指定商品中、「おもちゃ、愛玩動物用おもちゃ」について使用するとき、これに接する取引者、需要者は、「ペット動物型のロボット式のおもちゃ」の意味合いを表したものと把握、理解するに止まり、結局、本願商標は、商品の品質を表したにすぎず自他商品識別機能を果たし得ないものであり、また、前記商品以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
加えて、「おもちゃ、愛玩動物用おもちゃ」を取り扱う業界において、「ペットロボ」の語からなる標章を取引に際し必要適切な表示として、その使用を欲するものと認められるから、特定人による独占使用を認めるのを公益上適当としないものである。
なお、請求人(出願人)は、既登録例を挙げて、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当しない旨主張している。
しかしながら、請求人が既登録例に挙げている商標は、本願商標とその構成文字を異にする商標であるばかりか、そもそも商標の登録要件は、指定商品に関する取引の実情に即して、個別、具体的に判断されるものであって、過去の登録例がそのまま現在における登録要件の基準となり得るものでないから、同人の主張は採用できない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同第4条第1項第16号に該当するものとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2005-06-03 
結審通知日 2005-06-07 
審決日 2005-06-21 
出願番号 商願2000-116050(T2000-116050) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (Z28)
T 1 8・ 272- Z (Z28)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 和彦 
特許庁審判長 佐藤 正雄
特許庁審判官 福島 昇
宮川 久成
商標の称呼 ペットロボ、ロボ 
代理人 瀬川 幹夫 

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