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審決分類 |
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 Y39 |
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管理番号 | 1121569 |
審判番号 | 不服2003-24956 |
総通号数 | 69 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2005-09-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-12-25 |
確定日 | 2005-08-17 |
事件の表示 | 商願2003-18718拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「キャリアタクシー」の文字を標準文字で書してなり、第39類「車両による輸送」を指定役務として、平成15年3月10日に登録出願されたものである。 そして、願書記載の指定役務については、当審において平成16年3月4日受付の手続補正書により、第39類「タクシーによる輸送」に補正されたものである。 2 原査定の引用商標 原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第3004116号商標(以下「引用商標1」という。)は、後掲のとおりの構成よりなり、平成4年6月15日に登録出願、第39類「貨物自動車による運送」を指定役務として、同6年9月30日に設定登録され、その後、同16年7月13日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。 同じく、登録第3004117号商標(以下「引用商標2」という。)は、後掲のとおりの構成よりなり、平成4年6月15日に登録出願、第39類「貨物自動車による運送」を指定役務として、同6年9月30日に設定登録され、同16年9月30日存続期間満了により消滅しているものである。 3 当審の判断 引用商標2は、上記のとおり、存続期間の満了により、商標権は、すでに消滅しているものであるから、本願商標と引用商標1との類否について判断するに、本願商標は、上記のとおり「キャリアタクシー」の文字を一連に横書きしてなるところ、その構成文字は同書同大で一体に表現されており、しかも、全体をもって称呼してもよどみなく一気一連に称呼し得るものである。 そして、構成中の「キャリア」の文字は、「経歴,履歴,運搬人,荷台」等の意味を有し、また「タクシー」の文字は「街中や一定の場所で客の求めに応じて載せる営業用自動車」等の意味を有する外来語として、それぞれ一般に知られているとしても、上記両語を、一体に表した構成からなる本願商標が、直ちに特定の意味合いをもって親しまれ、あるいは、特定の役務の特性等を具体的に表示するものとして一般に理解されているとは認め難いところであるから、むしろ、構成全体をもって、一体不可分の一種の造語を表したものとして認識されると見るのが自然である。 そうとすれば、本願商標は、その構成文字全体に相応して「キャリアタクシー」の称呼のみを生ずるものというのが相当である。 他方、引用商標1は、後掲のとおり、上段に「SUPER」の文字を書し、その下段に、欧文字「C」と思しき文字の終筆部を右方向方に水平に長くのばし、その直線上に「ARRIER」の文字を配してなるところ、「carrier」の語が「運搬人」を表す英語として良く知られていることから、その構成は「SUPER」と「CARRIER」の二つの語を二段に表したものと認識、把握されると見るのが自然である。 しかして、構成各文字は、下段の語頭に図案化されて表された欧文字の終筆部が、二段書きの欧文字部分全体の底辺になるように外観上まとまり良く表現されており、また、全体から生ずると認められる「スーパーキャリア」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一気一連に称呼し得るものである。 そして、たとえ該構成中の「スーパー」の文字部分が、一般に「超,一流の」等の意味を表す語として認識される場合があるとしても、かかる構成においては、役務の質を表示するものとして、直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ、構成全体をもって、一体不可分の一種の造語を表したものとして認識されると見るのが自然である。 そうすると、引用商標1は、その構成文字全体に相応して、一連の「スーパーキャリア」の称呼のみを生ずるものというのが相当である。 そこで、本願商標より生ずる「キャリアタクシー」の称呼と、引用商標1より生ずる「スーパーキャリア」の称呼とを比較すると、両称呼は、その構成音、音数において明らかな差異が認められるから、両商標は、称呼上互いに相紛れるおそれのないものである。 また、両商標は、外観において明白な差異が認められ、観念においては、本願商標が格別の観念の生じない造語であるというべきであるから、比較すべきところがない。 してみると、本願商標と引用商標1とは、その外観、称呼及び観念のいずれより見ても何ら相紛れるおそれのない、非類似の商標といわなければならない。 したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものでなく、取消しを免れない。 その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
引用商標1 引用商標2 (色彩は原本参照のこと) |
審決日 | 2005-07-13 |
出願番号 | 商願2003-18718(T2003-18718) |
審決分類 |
T
1
8・
262-
WY
(Y39)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 小林 薫 |
特許庁審判長 |
柳原 雪身 |
特許庁審判官 |
小出 浩子 山本 良廣 |
商標の称呼 | キャリアタクシー、キャリア |
代理人 | 笠井 美孝 |