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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
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不服200733476 審決 商標
不服200014473 審決 商標
審判1999708 審決 商標
不服20084860 審決 商標

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審決分類 審判 査定不服 商4条1項11号一般他人の登録商標 取り消して登録 Y33
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 Y33
管理番号 1119605 
審判番号 不服2004-24302 
総通号数 68 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2005-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-11-26 
確定日 2005-07-11 
事件の表示 商願2003-58353拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は、「LAGRIMA REAL」の欧文字を横書きしてなり、第33類「アルコール飲料(ビールを除く。)」を指定商品として平成15年7月11日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、以下(1)及び(2)のように認定、判断し、本願を拒絶したものである。
(1)商標法第第4条第1項第16号について
本願商標は、指定商品との関係において、その構成中に「スペインのマラガでつくられるマスカット種のぶどうを原料とする デザート・ワイン」(参考:「世界酒大事典」第477頁「ラグリマ Lagrima」の項、株式会社柴田書店1995年8月1日発行)を意味する「LAGRIMA」の文字を有してなるから、本願商標をその指定商品中の「スペイン・マラガ地方産のワイン」以外の商品に使用するときには、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、これをその指定商品中「スペイン・マラガ地方産のワイン」以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、以下の(a)及び(b)の登録商標と同一又は類似の商標であって同一又は類似の商品について使用をするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(a)登録第2459132号商標は、「リーアル」の文字を横書きしてなり、平成2年4月26日に登録出願、第28類「酒類(薬用酒をのぞく)」を指定商品として、同4年9月30日に設定登録され、その後、同14年10月1日に商標権存続期間の更新登録、同15年4月30日に指定商品の書換登録があった結果、第32類「ビール,ビール風味の麦芽発泡酒」、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒」とされたものである。
(b)登録第2459133号商標は、「REAL」の欧文字を横書きしてなり、平成2年5月10日に登録出願、第28類「酒類(薬用酒をのぞく)」を指定商品として、同4年9月30日に設定登録され、その後、同14年10月1日に商標権存続期間の更新登録、同15年4月30日に指定商品の書換登録があった結果、第32類「ビール,ビール風味の麦芽発泡酒」、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒」とされたものである。(以下、これらをまとめて「引用各商標」という。)。

3 当審の判断
(1)商標法第第4条第1項第16号について
本願商標は、上記のとおり、「LAGRIMA REAL」の欧文字よりなるところ、該文字中「LAGRIMA」がスペイン語で「涙」の意味、「REAL」が「王の、国王の」等の意味を有する語である。そして、「LAGRIMA」の文字は、世界酒大辞典(株式会社柴田書店1995年8月1日発行)において、原審説示の「スペインのマラガでつくられるマスカット酒のブドウを原料とするデザート・ワイン」なる酒の記載があることは認められる。
しかしながら、原審で参考とした世界酒大辞典同項には、上記のデザート・ワインの他に、「LAGRIMA」の文字を含む他の酒類がたとえば、下記のように記載されている。
(a)「ラグリマ・ダベト Lagrima d‘Abeto」イタリア産のリキュール、トスカーナ地方でつくられる「トスカーナの樅(もみ)」の香りがする。「アベト」は、イタリア語で「樅」という意で、原義は「樅の涙」。
(b)「ラグリマ・ドロ Lagrima d‘oro」リキュールの商品名、イタリアのルクサルド社製で製法は公開されていない。・・・300年ほど前に・・・イタリアの皇女から、返礼としてもらったラグリマ・ドロ(黄金の涙)が伝わったもの。
また、インターネット・ホームページの情報のネットプライスの商品紹介欄において「最高級の白ブドウ品種・アルバリーニョから生まれたワイン、スペイン北西部にあるガリシア州、最高の白ブドウ品種アルバリーニョ。独特の気候と土壌が生み出す最高級のスペイン白ワインを今回は入荷しました。・・・低温で寝かせたワインが、これ。ブドウの一滴・一滴を大切に集めたワイン。LAGRIMA(涙)という名がつけられているのも、これで納得ですよね。商品名:スペインの白 海のワイン○銘柄:バゴ ア ドミーニョ アルバリーニョラグリマ 2002」(http://www.netprice.co.jp/netprice/food1/goods/113314/)の記載がある。
以上のように「LAGRIMA」の文字を含む酒類が製造・販売されている実情からすれば、かかる「LAGRIMA」の表示をもって、直に「スペインのマラガでつくられるマスカット種のぶどうを原料とするデザート・ワイン」を想起し、商品の産地であると理解するものとはいい難く、むしろ、該文字「LAGRIMA REAL」全体から「王様の涙」の観念を有する酒類の銘柄を認識するものというのが自然である。また、これが特定の商品の産地、販売地を表示するものとして、取引上普通に使用されているとみるべき証拠も見出せないものである。
そうとすると、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を果し得るものであり、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないものというべきである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、前記(1)のとおり、構成各文字は、同じ書体、同じ大きさで外観上まとまりよく一体に表されているものであり、これより生ずる「ラグリマリアル」の称呼もよどみなく、一気一連に称呼できるものであって、前記(1)のとおり、「王様の涙」の観念を有するものである。
そうとすると、本願商標は、その構成文字全体に相応して、「ラグリマリアル」とのみ称呼され、取引に資されるものと判断するのが相当である。
してみれば、本願商標より「リアル」の称呼をも生ずるとした上で、本願商標と引用各商標とを比較した原査定の決定、判断は、妥当なものということはできない。
してみると、本願商標と引用各商標とは、非類似の商標というべきであり、また、他に類似するとみるべき点は見出せない。
(3)むすび
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第16号及び同第11号のいずれにも該当するものでないから、これを理由として本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決日 2005-06-28 
出願番号 商願2003-58353(T2003-58353) 
審決分類 T 1 8・ 272- WY (Y33)
T 1 8・ 26- WY (Y33)
最終処分 成立  
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 野本 登美男
特許庁審判官 椎名 実
高野 義三
商標の称呼 ラグリマレアル、ラグリマリアル 
代理人 臼井 伸一 
代理人 高見 香織 
代理人 越智 隆夫 
代理人 本宮 照久 
代理人 産形 和央 
代理人 加藤 伸晃 
代理人 岡部 正夫 

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